ザ・バイクライダーズ

劇場公開日:

解説

アメリカの写真家ダニー・ライアンが1965~73年にかけてのシカゴのバイクライダーの日常をとらえた同名写真集にインスパイアされた作品で、伝説的モーターサイクルクラブの栄枯盛衰を、「エルヴィス」のオースティン・バトラーと「ヴェノム」シリーズのトム・ハーディの共演で描いた。

1965年、シカゴ。不良とは無縁の日々を送っていたキャシーは、ケンカ早くて無口なバイク乗りベニーと出会って5週間で結婚を決める。ベニーは地元の荒くれ者たちを束ねるジョニーの側近でありながら群れることを嫌い、狂気的な一面を持っていた。やがてジョニーの一味は「ヴァンダルズ」というモーターサイクルクラブに発展し、各地に支部ができるほど急速に拡大していく。その結果、クラブ内の治安は悪化し、敵対クラブとの抗争も勃発。暴力とバイクに明け暮れるベニーの危うさにキャシーが不安を覚えるなか、ヴァンダルズで最悪の事態が起こる。

「最後の決闘裁判」のジョディ・カマーがストーリーテラーとなるキャシー役を務め、バトラーがベニー、ハーディがジョニーを演じた。監督・脚本は「MUD マッド」「ラビング 愛という名前のふたり」のジェフ・ニコルズ。

2023年製作/116分/G/アメリカ
原題または英題:The Bikeriders
配給:パルコ
劇場公開日:2024年11月29日

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映画レビュー

4.0言い尽くせぬ儚さとノスタルジーが込み上げる

2024年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

ジェフ・ニコルズが創り出す映画にはノスタルジーを感じさせる映像の美しさとアウトサイダーの心理模様が同居する。私はバイクへの憧れなど微塵も持たない人間だが、それでも本作が描く60年代、疎外感を抱えた個々がバイクに思いを重ね、繋がりあい、価値観や居場所を共有する生き方には共振を覚えるし、一方でそれが制御を失い道なき道を暴走し始めた時の恐怖や危うさもわかる気がする。そうした目で見た時、この映画には何かしらの普遍性と、もう二度とはそこに戻れない儚さや痛みがあふれているのを感じた。まるで古いアルバムをめくるような感覚というべきか。ニコルズ監督流の落ち着いた語り口と構成、ベニー、ジョニー、キャシーが織りなす両者一歩も引かない人間関係も親しみを抱かせる要因となろう。特にトム・ハーディの役柄にはマッチョな体の中の繊細なハートを感じた。過去を美化するのではなく、現在地も含めて人を包み込む視点がここにはある。

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牛津厚信

4.0人のつくる組織の強さと弱さ

2024年12月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ダニー・ライオン(「Lyon」なのでこの発音が正しい。本サイトの概説は過ち)の写真集にインスパイアされた作品。エンドロールで表示される実際の写真を見ると、本作では、当時のファッション、風物が再現されるとともに、写真集に現れる人物の多くがモデルとして意識されているようだ。写真家自身も映画に登場して撮影し、またインタビューする姿が描かれている。他の人からもインタビューしているシーンはあるが、ジョディ・カマー演ずるキャシーのインタビュー部分が多く、数回に渡る彼女からのインタビュー=彼女の視点がそのままクラブの歴史を物語る構造となっている。
1953年の映画、マーロン・ブランドの「乱暴者」(あばれもの)を観たジョニーたちが地元のバイク乗りたちを集めてつくった「クラブ」が映画での「ヴァンダルズ」のもとであって、少なくとも60年代の終わりくらいまでは疑似家族的な集団だった。リーダーのジョニーが父親であり、キャシーをはじめとするメンバーの妻や恋人たちが母親的な役割を果たす。ベニーのようなメンバーたちはいわば「キッズ」の位置づけで、父親に盲従し、母親には巧みに手なづけられ、家族=組織としての規律は保たれる。
しかしながら、組織が大きくなるにつれ、父親や母親の管理は行き届かなくなり、より功利的な方向に論理が進み始める。元々が社会からはみでかけている者たちの集まりだから、犯罪に手を染めるようになるのは必然であった。こうして実際の歴史でも各地のモーターサイクルクラブがギャング化するようになったようである。
このあたり組織の変化や人の動きが私にはとても面白かった。
ジョディ・カマーのみならず、トム・ハーディ、オースティン・バトラーもそれぞれの存在を巧みに演じており見事である。
バイクに関心がない人でもいろいろな観方ができて面白いと思う。おすすめ。

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あんちゃん

4.5時代を楽しむ

2024年12月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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K.ベイ

4.0イケオジ祭はココで開催中‼️

2024年12月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

バイク乗りの男たち……タイトルはそう。
だけど一括りには出来ない。
バイク乗りにもそれぞれ考えがあったり熱量の違いがあったり家族があったり実際には様々。
そこに時代の流れとか他との兼ね合いとか外部要因も重なってくるとヒッチャカメッチャカ。
でもそれって普通のこと。誰もが経験してるはず。
それをバイク乗りそのものではなく、間近で(巻き込まれながらも)ずっと見守ってきたキャシーの目線で語られる本作。その語り口のセレクトがめっちゃ良き✨
そして、とにかく渋いっ!トムハぁぁぁぁぁ!トムハぁぁぁぁぁ!トムハぁぁぁぁぁ!!声の高さが少し高めに調整されたみんなのアニキ。良き良き💜
そして、オースティン❤ というかジミー❤ ❤
いや、どっちも素敵過ぎた❤ ❤ ❤
ジミーの風貌は学生のときに付き合ってた彼氏を思い出させた。
でも変だな。当時はテリー伊藤みたいだと思ってたはずなのに……
往々にして想い出ってのは美化されがち、ってことね😂

👇️👇️👇️
最後の最後でキャシーとジミーがニヤっとしたように思えたけど違う……あたしの見間違いよね??

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らまんば

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