リッチランド

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リッチランド

解説

第2次世界大戦下のアメリカ、マンハッタン計画のもとで生まれた町の知られざる歴史と現在を描いたドキュメンタリー。

ワシントン州南部にある平和で美しい郊外の町リッチランド。ここは、1942年からのマンハッタン計画における核燃料生産拠点「ハンフォード・サイト」で働く人々とその家族が生活するために作られた町である。「原爆は戦争の早期終結を促した」と町の歴史を誇りに思う者がいる一方で、多くの命を奪った原爆に関与したことに逡巡する者もいる。また、暮らしやすい町に満足している人々も「川の魚は食べない」と語り、現在も核廃棄物による放射能汚染への不安を抱えながら暮らしている。さまざまな声が行き交うなか、被曝3世であるアーティストの川野ゆきよが町を訪れ、住民たちとの対話を試みる。

リッチランドの誕生と発展の歴史をひも解きながら、人々の何気ない日常の背景に常に“原爆”が横たわっていた町の姿を映し出し、近代アメリカの精神性、そして科学の進歩がもたらした、人類の“業”を重層的に浮かび上がらせていく。

2023年製作/93分/アメリカ
原題または英題:Richland
配給:ノンデライコ
劇場公開日:2024年7月6日

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映画レビュー

5.0『オッペンハイマー』が描き切れなかったものが描かれている

2024年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

原爆開発のために作った町の今を追うドキュメンタリーという、日本にとっては他人事ではない作品だ。この町の繁栄は、核兵器開発によるもので、人々はそれを誇りに思っている。高校の校章はキノコ雲だし、町にはいたるところに原爆にちなんだショップ名を冠した店がある。しかし、人は放射能汚染を恐れてもいる。事実、多くの人が健康被害にあっている。そして、映画は土地を奪われた先住民にもスポットを当てる。先祖から受け継いだ土地を奪われたあげくに、ほとんど永遠に清浄化できないほどに放射能汚染されてしまった。
ノーランの『オッペンハイマー』が描くことをしなかった側面が数多く取り上げられている。広島の被曝サバイバー3世のアーティスト川野さんのアートが映画のラストに出てくるが、非常に力強いイメージを映像に与えていた。多方面に思慮深く作られており、日本人にとって観る価値ある内容だ。アメリカというもう一方の原爆当事者の表と裏を見られるという点で、非常に貴重な作品だと思う。快不快を超えて、きちんと他者を知るために、この作品は広く見られるべきだ。

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杉本穂高

5.0きのこ雲の校章

Mさん
2024年9月30日
Androidアプリから投稿

もさることながら、「光るまで攻撃しろ」は、なかなかに刺激的なスローガンでした。

「ついていく人を間違えた」の言葉も印象的でした。家族のために働いて59歳で亡くなったお父さんが最後の頃に言った言葉だそうです。
他にも、先住民が当たり前に英語を使ってインタビューに答えていることも、アメリカだから当たり前(?)なのかもしれませんが、考えさせられるシーンでした。そして、そのお孫さんが「ドラゴンボールZ」のTシャツを着ていたことも。
川野さんの話もよかったのだけど、せっかくならば長崎の被曝三世の話を聞いてみたかった。

最初眠かったけど(私はドキュメンタリーは苦手なようです)、見てよかったです。

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M

3.0コンセプトは良いのだけどキレイに作ろうとしすぎた感があるなぁ

2024年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

こんな町や学校やアメフトチームがあったなんて知らなかったし、有益な映画だと思うのだけど、ちょっと芸術作品に寄せた作り方をしている気がしていて、僕は割と醒めた感じになりました。もっと生々しく作ってほしかったなぁ。

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Kaz

3.0キノコ雲はマッシュルーム・クラウド

2024年8月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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Mr.C.B.2