ボストン1947

劇場公開日:2024年8月30日

ボストン1947

解説・あらすじ

「シュリ」「ブラザーフッド」のカン・ジェギュ監督が、祖国への思いを胸に命懸けのレースに挑むマラソン選手たちの姿を実話に基づいて描いたヒューマンドラマ。

1936年、ベルリンオリンピックのマラソン競技で日本は世界新記録を樹立し、金メダルと銅メダルを獲得した。しかしその記録を出した選手は、日本名の孫基禎と南昇竜として参加した韓国のソン・ギジョンとナム・スンニョンだった。第2次世界大戦の終結とともに韓国は日本から解放されたが、メダルの記録は日本のままだった。ある日、荒んだ生活を送っていたギジョンのもとにスンニョンが現れる。2人は「第2のソン・ギジョン」と期待される若手選手ソ・ユンボクを1947年のボストンマラソンに出場させるためチームを組み、“祖国の記録”を取り戻すべく数々の試練に立ち向かっていく。

「チェイサー」のハ・ジョンウが金メダル選手ソン・ギジョン、「弁護人」のイム・シワンが若手選手ソ・ユンボク、「メタモルフォーゼ 変身」のペ・ソンウが銅メダル選手ナム・スンニョンを演じた。

2023年製作/108分/G/韓国
原題または英題:Road to Boston
配給:ショウゲート
劇場公開日:2024年8月30日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5 私が国際大会が好きな理由が全て詰まっていた

2024年9月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

私は国際大会が大好きだ。
今回のパリオリンピックも連日夜更かしをして、45個中43個のメダル獲得の瞬間をリアルタイムで見ていたほどだ。
けれどそんな私も、ボストンマラソンでこんな感動的な実話があったことをこの映画を見るまで知らなかった。

ただ祖国の国旗を胸に、祖国の代表として、祖国の人々に勇気を与えるために走りたいという想いが、戦争や政治や規則に阻まる苦しさ。もどかしさ。
けれど最後まで決して諦めない姿はとても感動的で、見ていて胸が熱くなったし涙が溢れた。

パリオリンピックでも、ロシアは国として参加することはできず、また難民選手団と括られて出場した選手たちもいる。
彼らの思いはどうだったんだろうと、想いを馳せてしまった。
出られただけでも嬉しいと思っていたのか、国の代表として出場したかったという想いはあったのか…。

私が国際大会が好きな理由は、国の代表として世界と戦う選手たちに、勇気や感動をもらえるからだ。
自分と同じ日本人が、死に物狂いで努力し、世界のトップを掴む姿に何度もパワーをもらった。
国際試合はそういう力があると私は思っている。

映画の演出として、多少ドラマチックにしているんだろうなというところはあったし
舞台やセットや構成は、なんだから朝ドラやスペシャルドラマを彷彿とさせるもので、そこは少し残念だったけれど、ソユンボク役の役者さんの清潔感のある綺麗な顔立ちと綺麗なランニングフォームには見惚れてしまった。

歴史とスポーツの国際試合が好きな方にはオススメな映画。

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AZU

3.5 激動の時代を生きたランナーたちの知られざる物語

2024年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

これは激動の時代を生きたマラソンランナーにまつわる知られざる歴史ドラマだ。1936年のベルリンから47年のボストンにかけて、3人の先輩後輩、師弟関係のランナーたちが共に力を合わせ、困難を乗り越えゴールを目指す。そもそもオリンピックには個人が国家を背負って挑むという側面があるが、その点、彼らは「どの国に帰属して参加するか」という大前提の部分で苦渋の決断や葛藤にさらされてきた人たちでもある。いざ念願の地、ボストン入りを果たしてからも試練は続き、同様の壁が立ちはだかる。それでも3人が一丸となって逆境を乗り越え、慣れないアメリカ文化に悩まされながら人々の支援や励ましを集めていく逸話の数々に引き込まれずにいられなかった。各々のキャラのタイプが絶妙に異なっているのも成功を呼び寄せる大きなポイント。短所を補い長所を活かし合う彼らが、肩を組みつつ、魂のバトンをつなぎ合っているようにさえ見える姿が感動的だ。

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牛津厚信

3.0 素材負けかなあ。もったいない

2025年10月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

孫基禎(ソン・ギジョン)と南昇竜(ナム・スンニョン)は有名な人で僕も知ってたが、徐潤福(ソ・ユンボク)という人は初耳だった。カン・ジェギュ監督は、昔『炎のランナー』を観て感動し、いつか自分もマラソンの映画を撮りたいと思っていたところに監督の依頼が来たとのこと。

ストーリー自体はスポーツものとして定番と言えば定番の展開で、事実がそうだから仕方がないのかもしれないが意外性はあまり無い。この手の実話映画にはよくあることだが史実とは変えたところも多少あるようで、その辺は韓国本国でも批判された部分があるようだ。それはともかくとして脚本や演出の問題なのか、やや展開にあざとさが感じられてしまうのがちょっと残念。ソン・ギジョンとナム・スンニョンの対照的な性格設定もどこまでが事実通りなのか、あるいは映画的にやや誇張されてるような気がしないでもない。あと僕の感じすぎかもしれないが、映像やセットの感じがなんだかちょっと安っぽいように感じた。色合いも過剰にセピア色っぽく感じたんだが……気のせいだろうか?

うーん、期待したほどではなかったかな。悪くはないけれどすごく良いわけでもなく、まあまあ良かったという程度の出来。韓国本国でもあまりヒットしなかったらしく、題材がちょっと地味すぎたのかもしれませんね。

ちなみに映画では描かれてないが、徐潤福は翌1948年ロンドン五輪では本領を発揮できず27位に終わり、1949年に引退。当時の五輪はアマチュアなんで生活が成り立たないこともあって選手はわりと早く引退していたようだ。なお1948年に韓国(と北朝鮮)は独立し、1950年には朝鮮戦争が勃発する。

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バラージ

4.5 東洋のじいちゃん

2025年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

 エンドロール時にどことなく『炎のランナー』のテーマに似た曲がかかっていた。これもリスペクトしている気がした。マラソンの映画は数多くあるけれど、むしろ独立した国家となったのにベルリンオリンピックの記録も日本のままだし、ロンドンオリンピックへの出場も危ぶまれといったスポーツ国難とも言うべき状況下でナショナル・アイデンティティを勝ち取る映画なのかもしれない。

 独立国なのに難民国と揶揄されたり、日本による占領から米軍の占領に変わっただけという戦後混乱期。オリンピックに韓国として出場する目的もあって、まずはボストンマラソンで実績を作ろうと考えたナム・スンニョンとソン・ギジョン。1936年のベルリンオリンピックで金メダルを獲得したソン・ギジョンは民族的英雄だったが、表彰台で日章旗を隠したとして日本政府から引退を約束させられた経緯もあった。そんな折、スンニョンはソ・ユンボクという若手選手を発掘するが、それもギジョン記念大会だ。

 ユンボクのトレーニングや病気の母親にも接するコーチたち。さすがに彼の才能に目を付けただけある。峠越えのトレーニングも活かされていたし、単なるスポーツドラマとしても充分楽しめるが、やはり国旗の問題だけは譲れない。日章旗の次は星条旗かよ・・・てな感じで。

 今でこそオリンピックは国威発揚の場となってしまったり、何かと政治問題が取り沙汰されてたりするけど、基本は参加することに意義がある!この作品で改めて感じました。国家とか国籍とか関係なくオリンピックに出場した猫ひろしも別の意味で凄いと思うけど・・・

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kossy