「新世紀ロマンティクス」を配信している動画配信サービス(VOD)
「新世紀ロマンティクス」の動画配信サービス(VOD)・視聴方法をまとめてチェック!
自宅で、旅先で、移動中に…、
見放題やレンタルなどサブスクで「新世紀ロマンティクス」を楽しむ方法をまとめて紹介します!
「新世紀ロマンティクス」の配信サービス一覧
| 配信サービス | 配信状況 | 料金 | |
|---|---|---|---|
| | レンタル | ¥660 | 今すぐ見る |
「新世紀ロマンティクス」の配信サービス詳細
おすすめポイント
映画/ドラマ/アニメ/電子書籍を観るならU-NEXT(ユーネクスト)。名作はもちろん最新作も!豊富な作品の中からお好きな動画を見つけて、是非お楽しみください。
配信形態
見放題 / レンタル / 購入
無料期間
31日間
月額料金
月額2,189円(税込)
ダウンロード可否
可能
複数端末同時視聴
可能
※最大4台まで同時再生可能
特典
(ポイント付与等)
毎月1200ポイント付与(購入・レンタル・コミック購入・ライブ配信チケット購入・映画館で使用可能)
支払い方法
クレジットカード(Visa/Master Card/JCB/アメリカン・エキスプレス/ダイナースクラブカード)、キャリア決済(d払い/au PAY(auかんたん決済)/ソフトバンクまとめて支払い/ワイモバイルまとめて支払い)、楽天ペイ、Amazon.co.jp、Apple Account、Google Play、ギフトコード、U-NEXTカード
全作品数
340,000本
見放題作品数
300,000本
映画作品数
見放題17,700本以上/レンタル1,200以上
ドラマ作品数
見放題5,400本以上/レンタル680本以上
アニメ作品数
見放題5,800本以上/レンタル260本以上
※2025年5月時点の情報です。最新情報は各社サイトにてご確認ください。
作品紹介
解説・あらすじ
中国の名匠ジャ・ジャンクーが製作期間に22年をかけ、21世紀初頭から劇的な変化を遂げた中国の街を、ひとりの女性の人生の変遷とともにとらえたドラマ。
2001年、炭鉱産業が廃れ失職者で溢れかえる山西省・大同。2006年、三峡ダム建設のため100万人以上が移住を余儀なくされた長江・奉節。コロナ禍の2022年、マカオに隣接する経済特区として発展する珠海と、すっかり都会となった大同。チャオは大同を出て戻ってこない恋人ビンを探して奉節へ向かい、ビンは仕事を求めて珠海を訪れる。時は流れ、ふたりはまた大同にたどり着く。
主人公チャオ役に、これまでもジャ・ジャンクー監督作で主演を務めてきた妻チャオ・タオ。同監督の過去作「青の稲妻」「長江哀歌」などの本編映像や未使用映像、ドキュメンタリー映像なども使用しながら、実際の24歳・29歳・45歳のチャオの姿と共に、変化していく街の景色を映しだす。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第25回東京フィルメックスでオープニング作品として上映。
2001年、炭鉱産業が廃れ失職者で溢れかえる山西省・大同。2006年、三峡ダム建設のため100万人以上が移住を余儀なくされた長江・奉節。コロナ禍の2022年、マカオに隣接する経済特区として発展する珠海と、すっかり都会となった大同。チャオは大同を出て戻ってこない恋人ビンを探して奉節へ向かい、ビンは仕事を求めて珠海を訪れる。時は流れ、ふたりはまた大同にたどり着く。
主人公チャオ役に、これまでもジャ・ジャンクー監督作で主演を務めてきた妻チャオ・タオ。同監督の過去作「青の稲妻」「長江哀歌」などの本編映像や未使用映像、ドキュメンタリー映像なども使用しながら、実際の24歳・29歳・45歳のチャオの姿と共に、変化していく街の景色を映しだす。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第25回東京フィルメックスでオープニング作品として上映。
レビュー
投稿日:2025-05-12
私は’00年代の頃に仕事の都合で何度か中国に出張したことがあります。この作品の前半部分と時代が重なりますが、舞台となっている3地域を訪れたことはありません。行ったことがあるのは日本人の一般的な出張地である上海、北京、深圳あたりですが、行くたびに彼の地のスケール感や変化のスピード、日本の常識が通じないところ等を感じ、いろいろと面白かったです。朝食前にホテルを抜け出して散歩に出かけたら、近くの公園で年配の方々が集まってとても楽しそうにダンスしているのが見えました。高層ビルが立ち並ぶ深圳のビジネス街、そのうちのビルのひとつで会議してたら、突然、原因不明の停電が起き、トイレが窓のないエリアにあったので携帯電話の灯を頼りに用を足すハメになりました。何が言いたかったというと、庶民には生活の中にささやかな楽しみを見い出すぐらいの余裕ができたけれど、高度経済成長下にあるとはいえ、中身はハリボテみたいに脆かった、そんな時代だったということです。
さて、本篇はそんな’00年代の始め、新世紀が始まるあたりから、コラージュというかモンタージュというか、皆が歌ったり、踊ったりしている映像の貼り合わせみたいなものを見せてスタートします。その踊りのシーンで目を引く若い女がいます。やがて、その女チャオ(演: チャオ•タオ)が故郷の山西省大同から、男を追って当時の大国家プロジェクトだった三峡ダム建設現場のある長江•奉節に移るという形で物語が展開してゆき、チャオはずっとこの作品を引っ張ることとなります。
そのチャオ•タオですが、日本の往年の名女優 吉行和子さんに少し似てるなと思いました。吉行さんを少し地味めにして、幸せが薄そうな雰囲気を身にまとわせた感じ。夫である監督のジャ•ジャンクーの演出もあるかもしれませんが、彼女はほぼ全篇に渡って幸せが薄そうな顔をしています。ところが、彼女の笑顔はとてもチャーミングなんです。予告編に出てくるロボットに向かってマスクを外して笑顔を見せるというのもなかなかいいのですが、特に幸せの薄さが強調されている感のある長江•奉節編で2度ほど笑顔を見せます。たぶん若い頃に撮ったものを使っていると思われますが、薄幸顔と笑顔の差にドキリとしました。
さて、チャオは経済的成功を夢見て自分のところを去って行った男ビン(演: リー•チュウビン)を追いかけて奉節に行くのですが、結局は別れを決意します。このあたりのドラマ部分をジャ監督はあまり描き込みません。これ以上描き込むと陳腐なメロドラマになってしまって、この20年ほどの中国の変化を見せるという主題から外れてしまうからだと思います。かと言って、ドキュメンタリー方向にも行きません。物語の舞台に三峡ダム建設の地、長江•奉節を選んだ時点で「ははぁ、なるほど」なのですが、ジャ•ジャンクーは三峡ダム建設プロジェクトや政府の成長優先の経済政策について懐疑的だと思います。ダムの建設により、百数十万人が移住を強いられたことや長江の美しい自然の一部が失われたことなどはドキュメンタリーだと十分に表現できると思うのですが、そこは中国、当局の検閲によって日の目を見ないなんてことになったりしたら、元も子もありません。そこで物語の力を借りて、という流れになったと思います。経済的成功を夢見て奉節に行ったビンはそこそこの成功をしてカネも稼ぎますが、裏切りにあったりして身も心もボロボロになって足を引き摺りながら、故郷 大同に戻って来ます。これは経済成長を優先したために払ったとても大きな代償の暗喩だと思います。
一方、チャオのほうは、男を追う女から男をあきらめた女になったわけですが、故郷に戻り、新たな生活を始めます。身も心もボロボロの老けたビンより、断然、若々しく、笑顔もチャーミングです。そして、故郷で再会したビンを「赦す」のです。チャオの人としての大きな成長が分かる瞬間だと思います。
また、ロボットにマーク•トウェインを引用して笑いの効用を説かせるジャ•ジャンクーは、経済成長期によくあった拝金主義を批判して、カネで買えないものの価値を説いているのだと思います。例えば、文化とか、芸術とか、そういったもの。確かに経済成長は必要だったのかもしれないが、そのために大きな代償を払った、そろそろ、もっと心を広く持って文化とか芸術とかに思いを寄せていったらどうかという、映画作家ジャ•ジャンクーの提案が見えるような気がするのですが。いずれにせよ、ドラマとドキュメンタリーのバランスを取りながら、ちゃんと中国国内での公開が可能な作品に仕上げ、かつ、メッセージはそれとなく伝わり、映画的興趣もそれほど損なわれていないーーこの作品はジャ•ジャンクーのアクロバット的な力技の結果だったと思います。
最後にラストシーンの件。未来に向かって歩を進めようというポジティブなメッセージがあるように思いますが、あなたはひとりではないという意味もあり、日本人の集団主義的な考え方と共通点があるのかなと思いました。欧米だと個人主義や多様性の方向に向かうと思いますが、やはり、東アジアの農耕民族同士、いつもは常識がまったく違うと言っておきながら、こんなとこに共通点があるんだと感じられて面白かったです。
さて、本篇はそんな’00年代の始め、新世紀が始まるあたりから、コラージュというかモンタージュというか、皆が歌ったり、踊ったりしている映像の貼り合わせみたいなものを見せてスタートします。その踊りのシーンで目を引く若い女がいます。やがて、その女チャオ(演: チャオ•タオ)が故郷の山西省大同から、男を追って当時の大国家プロジェクトだった三峡ダム建設現場のある長江•奉節に移るという形で物語が展開してゆき、チャオはずっとこの作品を引っ張ることとなります。
そのチャオ•タオですが、日本の往年の名女優 吉行和子さんに少し似てるなと思いました。吉行さんを少し地味めにして、幸せが薄そうな雰囲気を身にまとわせた感じ。夫である監督のジャ•ジャンクーの演出もあるかもしれませんが、彼女はほぼ全篇に渡って幸せが薄そうな顔をしています。ところが、彼女の笑顔はとてもチャーミングなんです。予告編に出てくるロボットに向かってマスクを外して笑顔を見せるというのもなかなかいいのですが、特に幸せの薄さが強調されている感のある長江•奉節編で2度ほど笑顔を見せます。たぶん若い頃に撮ったものを使っていると思われますが、薄幸顔と笑顔の差にドキリとしました。
さて、チャオは経済的成功を夢見て自分のところを去って行った男ビン(演: リー•チュウビン)を追いかけて奉節に行くのですが、結局は別れを決意します。このあたりのドラマ部分をジャ監督はあまり描き込みません。これ以上描き込むと陳腐なメロドラマになってしまって、この20年ほどの中国の変化を見せるという主題から外れてしまうからだと思います。かと言って、ドキュメンタリー方向にも行きません。物語の舞台に三峡ダム建設の地、長江•奉節を選んだ時点で「ははぁ、なるほど」なのですが、ジャ•ジャンクーは三峡ダム建設プロジェクトや政府の成長優先の経済政策について懐疑的だと思います。ダムの建設により、百数十万人が移住を強いられたことや長江の美しい自然の一部が失われたことなどはドキュメンタリーだと十分に表現できると思うのですが、そこは中国、当局の検閲によって日の目を見ないなんてことになったりしたら、元も子もありません。そこで物語の力を借りて、という流れになったと思います。経済的成功を夢見て奉節に行ったビンはそこそこの成功をしてカネも稼ぎますが、裏切りにあったりして身も心もボロボロになって足を引き摺りながら、故郷 大同に戻って来ます。これは経済成長を優先したために払ったとても大きな代償の暗喩だと思います。
一方、チャオのほうは、男を追う女から男をあきらめた女になったわけですが、故郷に戻り、新たな生活を始めます。身も心もボロボロの老けたビンより、断然、若々しく、笑顔もチャーミングです。そして、故郷で再会したビンを「赦す」のです。チャオの人としての大きな成長が分かる瞬間だと思います。
また、ロボットにマーク•トウェインを引用して笑いの効用を説かせるジャ•ジャンクーは、経済成長期によくあった拝金主義を批判して、カネで買えないものの価値を説いているのだと思います。例えば、文化とか、芸術とか、そういったもの。確かに経済成長は必要だったのかもしれないが、そのために大きな代償を払った、そろそろ、もっと心を広く持って文化とか芸術とかに思いを寄せていったらどうかという、映画作家ジャ•ジャンクーの提案が見えるような気がするのですが。いずれにせよ、ドラマとドキュメンタリーのバランスを取りながら、ちゃんと中国国内での公開が可能な作品に仕上げ、かつ、メッセージはそれとなく伝わり、映画的興趣もそれほど損なわれていないーーこの作品はジャ•ジャンクーのアクロバット的な力技の結果だったと思います。
最後にラストシーンの件。未来に向かって歩を進めようというポジティブなメッセージがあるように思いますが、あなたはひとりではないという意味もあり、日本人の集団主義的な考え方と共通点があるのかなと思いました。欧米だと個人主義や多様性の方向に向かうと思いますが、やはり、東アジアの農耕民族同士、いつもは常識がまったく違うと言っておきながら、こんなとこに共通点があるんだと感じられて面白かったです。
鑑賞日:2025年5月12日 映画館で鑑賞
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