Megalopolis

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映画レビュー

2.5破綻した物語と美しいショット。

2024年11月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ギルデッド・エイジのニューヨークを思わせる巨大都市ニューローマ。格差の拡大、ポピュリスト政治家の跳梁と道徳の退廃で、誰もが行き詰まりを感じている鋼鉄の摩天楼。天才技術者カエサル・カタリナ(アダム・ドライバー)は自ら発見した超物質メガロドンを使って新たな再開発をもくろむが、腐敗した市長キケロの陰謀にまきこまれてゆく。

『ブレードランナー』風の近未来SFらしいガジェットと空想を期待すると、肩透かしをくらうはず。キャメロンやノーランの映画をみなれた今の観客には、どうってことありません。というかほとんど現実のマンハッタンそのものだし。

溜息の出るような美しいショットは、いくつかあるにはあります。でも話が混乱しすぎていて、あるいは現実のアメリカ政治の悲惨がコッポラの想像力を上回っていて、とくに面白くはないですね。

だけどあくまで「どうってことない凡作」であって、いまのアメリカで酷評されているほど駄作とも思えません。あれは「文明の退廃を防ぐのは人間性への信頼が必要」というメッセージが、今のアメリカ人には忌々しいんですね。トランプの何を信頼するんだよ、ハリウッドで勝手な夢を描いてんじゃねえ、という。その点では『シビル・ウォー』とかよりも今のアメリカを反映した映画ではあります。

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milou