対外秘

劇場公開日:

対外秘

解説・あらすじ

「悪人伝」のイ・ウォンテ監督が、国家を揺るがす権力闘争の表と裏を予測不能な展開で緊迫感たっぷりに活写したサスペンス映画。

1992年、釜山。政治家のヘウンは党の公認候補を約束され、国会議員選挙への出馬を決意する。しかし国政を裏で支配する権力者スンテが、自分の言いなりになる男に公認候補を変えてしまう。激怒したヘウンは、スンテが富と権力を意のままにするために作成した極秘文書を手に入れて彼に復讐しようとする一方で、ギャングのピルドから選挙資金を得て無所属で出馬する。地元の人々から絶大な人気を集めたヘウンは圧倒的有利に見えたが、スンテが逆襲に打って出て、事態は果てしない権力闘争へと発展していく。

「工作 黒金星と呼ばれた男」のチョ・ジヌンが主人公の政治家ヘウン、「KCIA 南山の部長たち」のイ・ソンミンが権力者スンテ、「犯罪都市 PUNISHMENT」のキム・ムヨルがギャングのピルドを演じた。

2023年製作/116分/G/韓国
原題または英題:The Devil's Deal
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2024年11月15日

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映画レビュー

3.5決断するたび変わりゆく姿が楽しくもあり、哀しくもあり

2024年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

序盤はコメディ風の立ち上がり方。かと思えば、登場人物の誰もが数々の運命の決断に見舞われ、誰を切り捨てて他者を出し抜くかで、口では笑みを浮かべながら腹の底では何を考えているかわからない不気味さと油断ならなさを増していく。脚本にスピード感があり、それは良い反面、立ち上がりの関係性などはやや説明不足に思える箇所もある。肝心の対外秘ファイルもタイトルに掲げるには若干インパクトが足りないように思える。が、そこらへんにさえ目をつぶれば、徐々に本作の楽しみ方がわかってくるはず。純真な自分、何者にも振り回されない自分など存在しない。人生はまさに決断の連続。どちらを選ぶか、どのシナリオにコミットするかによって、己は磨かれ、キャラクターが決定づけられていくと言わんばかりだ。ヘウンの妻や女性記者の変わらない態度が逆に強く印象に残るのは、周囲の男たちがあまりに決断しすぎて振り切れ、変貌してしまうからかも知れない。

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牛津厚信

3.5「悪人伝」監督、再びの“三つ巴ノワール”

2024年11月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

知的

イ・ウォンテ監督は2020年に日本公開された前作「悪人伝」で、悪魔のような連続殺人犯、犯人から重傷を負わされ復讐に燃えるギャングのボス、犯人逮捕のため手段を選ばないダーティーな警官という3人を柱に据え、ボスと警官が裏をかこうと画策したり喧嘩したりしながらも共闘して犯人を追う、バイオレンスと緊迫感に満ちたノワール映画で楽しませてくれた。

そして最新作の「対外秘」では、1992年の釜山での国政選挙を舞台に、ワルたちの三つ巴の争いが再び展開する。今回の主要人物は、党公認候補の約束を反故にされた地元政治家ヘウン、公認候補をすげ替えて投票や公共事業計画まで裏で操る権力者スンテ、劣勢のヘウンのため選挙資金調達に協力して見返りを当てにするギャングのピルド。前半はおおむねヘウンとピルドが手を組みスンテに対抗する構図で進むが、半ばあたりからスンテの策略によりヘウンとピルドのタッグが崩れ始め、誰と誰が裏で組んで残りの一人を出し抜くのかがストーリーの推進力になっていく。

テレビの画面で1992年大韓民国大統領選挙(金大中を含む3候補が立ち、金泳三が勝利)のニュース映像が流れ、時代感を醸しつつ史実とのリンクもほのめかす。1963年の朴正煕から全斗煥、盧泰愚と約30年ににわたり続いた軍人政権が終わり文民政権が発足するなど、「政治的な緊張が凝縮された年」だったとイ・ウォンテ監督も語っている。とはいえ、さほど韓国の政治史に明るくない多くの日本人観客にとってそうした歴史的背景や選挙の実情は伝わりにくいのが難点か。タイミングとしても、10月27日の衆院選、11月5日の米大統領選と続いてメディアで報じる側も見聞きする側も選挙の話題はひと段落のムードになった後で、11月15日の日本公開は少々間が悪かったかもしれない。

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高森 郁哉

5.0悪魔の取り引き

2025年2月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

韓国らしい作品。腐敗、腐食しかない韓国の政治の悪魔の取り引きを、巧みに描ききっている。予測不能の一進一退の駆け引きは、なかなか面白い。今まさに、韓国は、政治はぐちゃぐちゃだが、分かる気がする。

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DnaH

3.5不都合な真実だったのかも

2024年12月30日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

怖い

興奮

1992年の韓国・釜山で、ヘウンは党の公認候補を約束されていて、国会議員選挙への出馬を決めた。しかし、裏の権力者スンテが、自分の言いなりになる男に党の公認候補を変えてしまった。怒ったヘウンは、スンテが富と権力を得るために作成した釜山開発の極秘文書を手に入れて彼に復讐しようとするとともに、ギャングのピルドから選挙資金を借り無所属で選挙に出馬した。地元の人々から人気を集めたヘウンは圧倒的有利に見えたが、スンテが選挙管理の課長を脅し、投票用紙を偽造し、ヘウンは落選してしまった。スンテの悪事を知ったヘウンはピルドと組み、スンテを追い込むが、・・・権力闘争の行方は、という話。

フィクション、とは言っていたが、1992年の総選挙でこんな事が有った、と言うのは事実なのかも知れない。
そんな韓国の裏、が知れる作品なんだろう。
しかし、選挙の投票用紙を偽造するなんて事が可能だった韓国、流石です。日本は平和だなぁ、とつくづく思い知らされる、韓国の権力闘争の凄まじさ、そして、ウィンウィン???なんてラストも不気味。
スカッとはしないが、これが史実(韓国にとっての不都合な真実)だったのだろうと思わせる迫力はあった。

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りあの