YOLO 百元の恋

劇場公開日:

YOLO 百元の恋

解説

安藤サクラ主演による2014年の日本映画「百円の恋」を、中国の国民的コメディアンで女優のジア・リンが監督・主演を務めてリメイクし、中国国内や海外でもヒットを記録したヒューマンドラマ。

32歳の女性ドゥ・ローインは無職で実家に引きこもる日々を過ごしていたが、実家に戻ってきた妹と大ゲンカしたことをきっかけに、家を出ることになってしまう。そんな折、偶然出会ったボクサーのハオ・クンに一目ぼれしたローインは自らもボクシングを始めるが、試合に負けたクンはジムを辞め、彼女の前から姿を消してしまう。すべてを失ったローインは「一度は勝ってみたい」という思いから、ボクシング大会への出場を決意する。

「百円の恋」の脚本家・足立紳と監督・武正晴、プロデューサー・佐藤現も監修として参加。邦題の「YOLO」はアメリカ公開時のタイトルで、「You Only Live Once」の頭文字をとった「人生は一度きり」という意味の言葉。

2024年製作/129分/G/中国
原題または英題:熱辣滾燙 Yolo
配給:東映ビデオ
劇場公開日:2024年7月5日

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映画レビュー

4.0映画の原点であるアクションコメディを継承する快作

2024年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

楽しい

 驚くべき映画です。オリジナル版に強い敬意を示しつつ、リメイクを超えて見事に換骨奪胎し、映画の原点であるリアルなアクションとコメディ、そして普遍的なテーマが人々の心を打つことを改めて証明した、映画愛に溢れる作品です。

 中国の国民的コメディアンであるジャー・リンが主演だけでなく自ら監督も務めており、その才能と並々ならぬ熱い思いがスクリーンから伝わってきて、倒されても何度でも立ち上がる様に、笑い、涙せずにはいられません。

 昨今、身体や容姿への差別的表現は非常にセンシティブですが、ジャー・リン監督は自ら主人公を演じることで、笑いを随所に挟みながらヒューマンコメディへと昇華させています。

 そしてさらに、物語が終わったと思いきや、ジャッキー・チェン作品のエンドロールのNGシーンのように、本作の製作メイキングが流れ、ローインの物語であるとともに、ジャー・リンの物語が重ね合わされます。チャールズ・チャップリン、バスター・キートンからジャッキー・チェンらへと脈々と受け継がれているアクションコメディ、そして一度きりの人生をいかに生きるかというボクシングドラマを継承する快作です。

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和田隆

5.0社会で生きづらさを感じている人に観てもらいたい魂の傑作

2024年12月31日
iPhoneアプリから投稿

『百円の恋』より100倍好き。

『百円の恋』は途中まで良かったけど、ラストが嫌だった。
「結局、元に戻るんかーい」と失望していたところ、映画終了と同時に客席全体から割れんばかりの拍手が巻き起こり、しばらく鳴り止まず、居心地が悪かった記憶がある。

『百元の恋』を観てまず衝撃を受けたのは、主人公・ローインの体型。
見た目100kgオーバーで、マツコ・デラックスを彷彿。
「この後どうやってボクシングやるの?」と謎の好奇心が芽生えた。
「引きこもり」としての説得力は完璧だった。

この映画、大衆向けの音楽や演出(個人的には苦手)でマイルドな感じになっているが、観進めていくうちに、人間社会の残酷な真実が描かれていると思った。
それは何かといえば「人が他人に優しくするのは、その人に利用価値があるから」ということ。
「利他的行動に見せかけた利己的行動」を取る人が、世の中にはとても多い。
ローインのような「リンゴを持っていて、それを欲しがる人がいたら、無条件であげちゃう」タイプの人にとって、きっとこの世は生き地獄。
ローインが引きこもりになった理由を訊かれて「人間関係が苦手。優しくしても傷つけられる」と答えていて、激しく共感。

今までいろいろな映画の中で観てきた「特訓シーン」の中でも、本作が一番凄いと思った。
「春→夏→秋」と進む中で、体がどんどん絞れていって、動きも明らかに鋭くなっていくのがわかるので、本当にパワーアップしているとリアルに感じた。
映画撮影前に、演じる役のために20kg太ったり痩せたりする役者は今までもいたが、本作は撮影前に20kg太り、撮影期間中に50kg痩せていて、そんな役者(しかも監督もしながら)は他にいないのでは?
試合直前に鏡に映る過去の自分と対話する場面は、この映画でしか生み出せない独特の味わいがあったと思う。

試合本番。
対戦相手は10戦無敗中で、デビュー戦の相手としては明らかに格上。
試合はローインが一方的に殴られ続けるだけの残酷ショー。
試合を見ていくうちに、この強過ぎる相手がだんだん「人間社会」そのものに見えてきた。
たまにローインが攻撃しても全くびくともせず、ひたすらローインを痛めつけてくる「人間社会」。
だけどローインは絶対に倒れようとはしない。
その意地に、心が掴まれる。
ラウンドの合間、セコンドが耳元で「耐えていればいつかチャンスは来る。その時、お前の得意な技をぶち込め」とアドバイス。
社会で成功する秘訣のようにも思えた。
言われた通り、ここぞの場面で一撃を喰らわせるも、逆にカウンターを浴びて意識が遠のきダウンするローイン。
ここでよくある、これまでの場面の回想が流れ始めて、と思いきや、回想の中に今まで見たことがない場面が混じっていることに気付く。
なんて恐ろしい映画。
ここで初めて観客が見せられるのは、都合よく利用されているだけと分かっていながら人助けをしてしまうローインの悲しき姿、そして何もかも嫌気がさして生きることを諦めようとするローインの痛々しい姿。
この試合でローインが手に入れたかったものは「名誉」ではなく、「賞金」でもなく、「愛」でもなく、「生きている実感」。
まるで世の中で虐げられている人たちの苦しみを背負って、ローインが戦っているように思えてきた。
ボクシング映画に名作数あれど、ここまで試合シーンで魂を揺さぶられたのは初めてかもしれない。

ラスト。
『百円の恋』と同じだったらどうしようとドキドキしたが、杞憂に終わって良かった。

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おきらく

4.5変身ぶりにびっくり!

2024年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

「百円の恋」の中国リメイク版の本作。
「百円の恋」の安藤サクラの変身ぶりにも驚かされたが、
この作品の主演・監督を務めたジャー・リンの50キロ以上の減量には
ほんとにびっくりである。
この映画を撮るために死に物狂いの努力をしたと思う。
そんな映画は素晴らしいに決まっている。

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シネマスキー

4.0ジア・リンの本気に号泣!

2024年9月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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共感した! 9件)
ひでちゃぴん