大きな家

劇場公開日:

解説・あらすじ

齊藤工による企画・プロデュースのもと、「14歳の栞」「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」の竹林亮監督がメガホンをとり、児童養護施設で暮らす子どもたちの日常に密着した作品。

東京のとある児童養護施設。ここでは死別・病気・虐待・経済的問題などさまざまな事情で親と離れて暮らす子どもたちが、血のつながりのない他の子どもや職員と日々を過ごしている。家族とも他人とも言い切れない繋がりのなかで暮らす彼らは、両親への思いや、生活を身近で支える職員との関係性、学校の友だちとの距離感、施設を出たあとの暮らしなど、さまざまな葛藤を抱えながら成長していく。

些細だけど大切な日常の景色をカメラに収め、惑いながらも確かに大人になっていく子どもたちの姿と、そんな彼らを支えるあたたかなまなざしを映し出す。アコースティックデュオ「ハンバート ハンバート」が主題歌を担当。

2024年製作/123分/G/日本
配給:パルコ
劇場公開日:2024年12月6日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
企画
齊藤工
プロデュース
齊藤工
プロデューサー
福田文香
山本妙
永井千晴
竹林亮
撮影
幸前達之
録音
大高真吾
音響効果
西川良
編集
竹林亮
小林譲
佐川正弘
毛利陽平
音楽
大木嵩雄
主題歌
ハンバート ハンバート
カラリスト
平田藍
イラスト
エイドリアン・ホーガン
スチール撮影
阿部裕介
題字
大原大次郎
制作統括
福田文香
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映画レビュー

4.0メディア向けのきれいごとを言わない子どもたち

2024年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『14歳の栞』の制作チームに斎藤工が合流して出来上がった、ある児童養護施設のドキュメンタリー映画。普段の施設の日常を、子供たちの目線で撮ることを徹底していて、感動的な演出などをしない点がいい。子供たちの発する言葉が、「メディア向けのきれいごと」ではないのだ。施設の職員や子供たちを「一緒に住んでいる他人という感覚」と言ったりする。当然、「血は繋がってなくても家族だ」という言葉の方がメディア受けはいいわけだが、決してそういう言葉を言わせようとしない取材スタイルが良い。
ミャンマーの児童養護施設に行くエピソードがあるが、そこの子供たちは対照的に、みな家族だと言う。この違いは何だろうか。家族の捉え方の違いか、日本的な照れや謙遜のようなものがあるのか。
本作は、子供たちのプライバシー配慮のために映画館のみで上映される。『14歳の栞』と同様のやり方だが、映画館というある程度クローズドな場所だけで見せることができるもの、というのがある。ある程度、クローズドであるということ、これも映画館の価値だと思う。

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共感した! 7件)
杉本穂高

5.0『大きな家』を観てきました。

2025年3月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

こどもが主役ですがおとな達の無償の愛を感じる映画です。                     世の中は生産性など成果主義が叫ばれています。                          この事業だけは何事も無く穏やかに継続して欲しいと思いました。 『14歳の栞』と同様、配給はPARCOです。                             映画館のCINE QUINTOを運営しているのは承知していますが                      このような商業的で無い作品に出資するとは少し見直しました。 清原果耶さんと南沙良さんは16・17歳の時にこども達と生活を一緒にする女の子の役を演じましたが        人の内面は複雑で心の機微を捉える難しさに悩まれた事を吐露されていました。                    この映画はこども達の笑顔で救われますが自分が理解している以上に重たいthemeなのかも知れません。

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麻婆春雨と担々麺 大盛

4.0「大人の都合」に振り廻された子供達

2025年3月8日
iPhoneアプリから投稿

難しい

スクリーンで取り上げられていた子供達には、あどけなさは垣間見えるものの、所謂「子供らしさ」がなかったように感じた。どこか芯がしっかりしていて、誰もが「現状」を理解していて、自分と向き合っていた。
やむを得ない事情なのかもしれないが、大人の身勝手が招いたことにより、「家族でない他人」との生活を選択せざるを得なくなった子供達には幸せを感じる日々を送って欲しい。

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ちゃ坊主

5.0納税の意義を感じる作品

2025年3月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

ある児童養護施設の日常を映像に収めた作品です。
予告を見たときは、受け止めきれる内容か不安もありましたが、実際はすがすがしい気持ちとともに映画館を出ることになりました。

設備も運営も充実した施設だったことで、親がいないとか親と離れても、保証される社会保障のレベルがこのレベルならば安心だと感じました。

独り立ちするにあたっての準備期間を過ごす、自立準備室では、アパートで独り暮らしするような体験ができるので、施設から出た後の予行練習も十分できるという点で、一般家庭よりも恵まれているところもあると思いました。

登場する子供たちのほとんどは、施設にいる人たちは友達よりも近いけど、家族ではないと言う。でも、それは家族だと断言する子もいる。

私の考えは、家族とか親子というのは血縁ではなく、社会的な結びつきによるものであるほうが、そこに属する人たちの可能性を引き出すことができるというものであり、最後に出てきた子供と意見が一緒です。

クラファンで集めた資金でネパールの児童養護施設にボランティア研修をしにいったメンバーは、血縁に縛られず幸せそうに過ごしているネパールの子供たちを見て、そうした考え方に気が付き、そのほうが幸せだと悟るのですが、日本ではそれができると思えないとも発言します。

儒教とか家父長制とか、凝り固まった人間関係のフォーマットが人間の幸せを奪っている理由なのだと改めて感じました。

また、出自や家庭環境に関わらず、子供たちが健康で文化的な生活を送るために必要な財源は、大人の負担で確保しなければならないとも感じました。

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テレビウォッチャーつばめ