不思議の国のシドニ

劇場公開日:

不思議の国のシドニ

解説・あらすじ

フランスの名優イザベル・ユペールが主演を務め、喪失を抱えるフランス人作家が日本各地を旅するなかで新たな一歩を踏み出していく姿を軽やかにつづった人間ドラマ。

フランスの女性作家シドニは、自身のデビュー小説「影」が日本で再販されることになり、出版社に招かれて訪日することに。見知らぬ土地への不安を感じながらも日本に到着した彼女は、寡黙な編集者・溝口健三に出迎えられる。シドニは記者会見で、自分が家族を亡くし天涯孤独であること、喪失の闇から救い出してくれた夫のおかげで「影」を執筆できたことなどを語る。溝口に案内され、日本の読者と対話しながら各地を巡るシドニの前に、亡き夫アントワーヌの幽霊が姿を現し……。

「硫黄島からの手紙」の伊原剛志が溝口役をフランス語で演じ、「名もなき生涯」のアウグスト・ディールがアントワーヌの幽霊役で出演。「ベルヴィル・トーキョー」「静かなふたり」のエリーズ・ジラールが監督を務め、「アマンダと僕」のモード・アメリーヌと「アンティークの祝祭」のソフィー・フィリエールがジラール監督とともに脚本を担当。

2023年製作/96分/G/フランス・ドイツ・スイス・日本合作
原題または英題:Sidonie au Japon
配給:ギャガ
劇場公開日:2024年12月13日

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(C)2023 10:15! PRODUCTIONS / LUPA FILM / BOX PRODUCTIONS / FILM IN EVOLUTION / FOURIER FILMS / MIKINO / LES FILMS DU CAMELIA

映画レビュー

4.0フランス人の目を通した日本の名所と国民性が新鮮で、会話も詩情豊か

2024年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

スカーレット・ヨハンソンがビル・マーレイと共演した「ロスト・イン・トランスレーション」(2004)、ジュリエット・ビノシュ主演作「Vision」(2018)、アリシア・ヴィキャンデル主演作「アースクエイクバード」(2019)など、欧米のスター女優が来日してロケ撮影した映画が時折作られるが、本作「不思議の国のシドニ」はそうした過去作に比べて最も観光気分を味わえる。イザベル・ユペールが演じる作家シドニは出版社に招かれて訪日し、編集者・溝口(伊原剛志)に案内されて京都、奈良、香川県の直島などの旧跡や景勝地を訪れ、そうした景観の一部となるかのようにしばしたたずむ。

フランス人女性監督のエリーズ・ジラールは、デビュー作「ベルヴィル・トーキョー」の日本公開に合わせて2013年に初来日した際の体験や印象を本作の出発点とした。日本人の態度や仕草など誇張して描かれた部分も含め、外国人の目というフィルターを通して映像として提示されることで、見慣れていると思い込んでいた風景が新鮮に映ったり、日本人のこういうところは確かに独特かも、と気づかされたりした。

監督の第2作「静かなふたり」がPrime Videoにあったので参考のため鑑賞したが、語り過ぎず含みを持たせた会話が詩情豊かで、本作に通じると感じた。

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高森 郁哉

3.5映画愛にも溢れた世界を我々は一緒に旅する

2024年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

知的

萌える

 邦題の通り、何とも不思議な映画であり、過去の映画と日本に対するオマージュに溢れた作品。本作で日本を旅するのはシドニという役名のフランスを代表する国際派女優のイザベル・ユペールです。見知らぬ国、日本の大阪から京都、奈良、そして直島を旅するその様子はまるで少女のようであり、まさに不思議の国の“アリス”のよう。

 作家であるシドニを日本で迎え各地を案内する、伊原剛志演じる編集者の名前が“溝口健三”というのも映画ファンの心をくすぐります。「雨月物語」(1953)などの溝口健二監督へのオマージュは明らかであり、大阪の街を一望するカメラがゆっくりとパンしていく冒頭から、直島の海を捉えたショットなど要所に溝口作品を想起させ、京都、奈良の寺社仏閣でのシーンや、老舗旅館の階段や廊下、部屋の畳には、「東京物語」(1953)などの小津安二郎作品にまで思いを馳せさせます。

 重くなりがちなテーマでありながら、シドニのチャーミングさと健三の無骨さがユーモアとなり、映画愛にも溢れた世界を我々は一緒に旅することになります。

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和田隆

3.5過剰な演出はない自然な感じ…

2025年2月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

日本文化へのリスペクから、生まれた映画だとのこと。

でも、過剰な演出はまったくなし。

旅行者が普通に感じるだろうと思うことをサラリと描く。

美しい日本の風景も、自然な感じで、どうだ、美しいだろう的な演出もなし。

成熟した文化の国のリスペクトとはこういうものかと思った。

まだまだ、自国の文化に対する思い込みと、ヨーロッパ文化に対する、卑屈さが根強くある自分には、少し難しい映画だったかもしれない。

もっともっと、映画をたくさん見て、小説をたくさん読もうと思った。

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うさぎさん

4.0「作中2人を映す」

2025年1月27日
iPhoneアプリから投稿

知的

今年24本目。

シネスイッチ銀座で。
フランスの作家が来日して日本の編集者と京都、大阪を巡る作品。京都の寺院、庭園が本当に美しい。フランスなど4か国が日本の文化をリスペクトして作った映画ですね。作中ずっと2人を映す、そして景色とマッチして穏やかな映画でした。

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ヨッシー