コンセント 同意

劇場公開日:

コンセント 同意

解説

フランスの作家ガブリエル・マツネフと14歳で性的関係を持っていた女性バネッサ・スプリンゴラがその事実を告発した著書「同意」を映画化。

文学が好きな13歳の少女ヴァネッサは、50歳の有名作家ガブリエル・マツネフと出会う。彼は自身の小児性愛嗜好を隠すことなく文学作品に仕立て上げ、既存の道徳や倫理への反逆者として注目を集めた人物だった。やがて14歳になったヴァネッサはマツネフと同意の上で性的関係を結ぶが、そのいびつな関係はその後の彼女の人生に暗い影を落とすことになる。

映画初出演のキム・イジュランがヴァネッサ役で主演を務め、第49回セザール賞女性新人賞にノミネート。「ローラとふたりの兄」など監督としても活躍する俳優ジャン=ポール・ルーブがマツネフを演じ、「ゲンズブールと女たち」のレティシア・カスタ、「天使が見た夢」のエロディ・ブシェーズが共演。「マイ・エンジェル」のバネッサ・フィロが監督・脚本を手がけ、原作者バネッサ・スプリンゴラが脚本に協力。

2023年製作/118分/R15+/フランス・ベルギー合作
原題または英題:Le consentement
配給:クロックワークス
劇場公開日:2024年8月2日

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(C)2023 MOANA FILMS - WINDY PRODUCTION - PANACHE PRODUCTIONS - LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE - FRANCE 2 CINEMA - LES FILMS DU MONSIEUR

映画レビュー

3.5時代に見過ごされた性被害に時代の追い風が吹く時

2024年8月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 3件)
共感した! 27件)
ニコ

3.5告発した被害者女性と映画監督が信頼関係を築いたことは喜ばしい

2024年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

少ない予備知識で観始め、ヴァネッサ・スプリンゴラ役の女優が本当に10代に見えたので、きっと性描写は間接的なものにとどめるのだろうなと予想していたら、胸の露出を含め直接的なセックスのシーンが何度も出てくるので驚いた。鑑賞後に確認したら主演のキム・イジュランは2000年生まれで、2022年の撮影時は21か22歳。劇中でヴァネッサが13歳から18歳まで成長する過程を演じ分けていることに改めて感心した。

スプリンゴラが2020年に作家ガブリエル・マツネフと14歳で関係を持った事実を告発した著書が原作。偶然にもファーストネームが同じヴァネッサ・フィロ監督(2019年に日本でも公開されたマリオン・コティヤール主演作「マイ・エンジェル」で長編デビュー)が自らスプリンゴラにコンタクトし映画化の許諾を得て、脚本の開発段階でも意見交換をしながら改稿を重ねたという(共同脚本にスプリンゴラも名を連ねている)。センシティブなテーマだからこそ、当事者と映画の作り手がこうした信頼関係が築けたことは喜ばしいし、作品の質にも貢献したと思う。

フランスの作家マツネフは著作が邦訳されておらず日本ではほぼ無名だが、小児性愛者を自認し未成年の少女や少年との性行為の体験を小説に書き、本国では一部の著名人からも支持され有名になっていったという。映画でもテレビ討論にマツネフが出演するシーンが描かれているが、スプリンゴラが告発本を発表するまではフランスのインテリ層にマツネフの小児性愛癖を擁護する傾向があったようだ。

10代半ばで年の離れた作家から性加害を受けた女性が成人してから告発した勇気に敬意を表する。告発を真摯に受け止め変わろうとしているフランスの社会にも期待したい。本国では昨年10月の映画公開後、若年層の観客がSNSで拡散したことが息の長い興行に一役買ったそうで、そんな若い世代の動きも頼もしく思う。

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高森 郁哉

なぜ胸クソ悪いのかをしっかり整理

2024年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 フランス文学界における自身の盛名を利用して14歳の文学少女の心と体を弄んだ実在の50歳の小説家を告発した作品です。物語映画なのですが、全て実名で語られています。「芸術と言う名の下では全てが認められる」と言わんばかりのこの小説家、及びそれを称賛する文学ファンの人々には唯々胸クソが悪くなるのですが、そんな価値観がつい数十年前までは、いやもしかしたら今も当たり前として通用して来た事が醜悪です。

 でも、その「醜悪」を腑分けしてみると、

 ・ 36歳差もの少女と恋愛関係になったのが問題なのか
 ・ 相手が14歳だったのが問題なのか
 ・ その少女と肉体関係を持った事が問題なのか
 ・ 年長者としての抑圧が問題なのか
 ・ 有名文学者としての優位性を利用した事が問題なのか
 ・ 男の言葉が嘘っぱちだったからなのか

が、僕自身の中でもゴッチャになっていると気が付きました。「醜悪」という思いは大切にしつつ、それを僕も整理しなくては自分自身がいつどんな抑圧者になるのか分かりません。

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La Strada

4.0わたしがヴァネッサを救いに入っていきたい

2024年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

大人から承認されたい、女として承認されたい、実年齢より大人びた振る舞いや経験で優越感を得たい、周囲から一目置かれたい…などなどの感情と、微量の性への関心。

14歳のそれらに浸け入るなんて、まあだいたい30年も生きてる人間には容易なことで、「支配欲」を「性欲」に置き換え、相手を勝手に「性対象」とし、「愛」という言葉でラッピングするのタチが悪すぎて、

もう結構序盤から、『ラストナイト・イン・ソーホー』のエリーのごとくこの画面を拳で叩き割って入っていって、『ルックバック』の藤野のごとくジジイ蹴飛ばしてやりたかった。
ヴァネッサのこと、抱きしめてあげたい。

支配・消費してきた側の「傷ついた」「傷つけるのか」みたいな被害者ムーブ、自分がその関係の最中にいるとわたしが悪いのかもって思っちゃうのすごくわかるんだけど、こうやって傍から見ると、なに寝ぼけたこと言ってんだぼけお前が一回飛び降りてこいよ、ってかんじだよねえ

自分を責めてしまうヴァネッサのことをわたしは責められないから、やっぱりわたしが二人の間に入っていってジジイに一発言ってやりたい。

「女性は若いときはやわらかくて優しいのに、人生の荒波に揉まれるときつくなる」みたいなこと言ってたけど、それを相手の成長・成熟と思えない自分がいい歳して未熟すぎることに気づいてほしい。

14歳が16や18になったくらいで“君はもう母親に似てきてる”って、こっちからしたら今も4年前も介護だよ🥵🙏🏻

離れようと思ってもそう上手くいかないところとか、別の相手とも性的に繋がろうとしちゃうところとか、苦しかったなあ

ヴァネッサ役のキム・イジュランさん、調べたら出演作がこれ以外出てこなくて撮影つらくなかったかなって心配になった。まあでももちろんこの内容であの前書きだから、十分配慮して撮影も行われているんだろうけど。
配慮された環境で、あれだけつらそうな演技ができてると思うとそれはそれで彼女がすごすぎる。

あと、個人的には母親の酷いときもあれば、常に酷いわけでもないのがめちゃ絶妙だった。
とても肯定できないこともたくさんしてるんだけど、放棄しているわけでもない。
もし娘がヴァネッサと同じ状況になったら、たぶん、わたしにできることってあんまりないんだろうなって気がした。
こういう問題において、娘って母の言うことは一番聞く耳持たないことは、どの母もかつてはだれかの娘だったからわかるんだよね。
『20センチュリーウーマン』みたいにできそうな人を頭の中で何人か思い浮かべたりした。

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sakura