季節はこのまま

劇場公開日:

季節はこのまま

解説・あらすじ

フランスの名匠オリビエ・アサイヤスが、パンデミックのためロックダウンされた2020年の春の出来事を描いたロマンスコメディ。

2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大により世界中で外出が制限されていた。映画監督のポールと弟で音楽ジャーナリストのエティエンヌは、それぞれ本格的な交際を始めたばかりのモルガンとキャロルとともに、幼い頃に暮らしていた郊外の家に閉じこもって生活することに。何もかもが変わり、全てが止まってしまった時間のなかで、ポールたちは不安を抱えながらも確かにそこにある光や愛を発見し、人生を見つめ直していく。

アサイヤス監督が実際に弟とともに幼少期とロックダウン期間を過ごした両親の家で撮影を行い、劇中にもロックダウン中の実体験や自伝的要素を盛り込んだ。「冬時間のパリ」などでもアサイヤス監督と組んだバンサン・マケーニュが主人公ポール、「グッバイ・ゴダール!」のミーシャ・レスコが弟エティエンヌ、「オークション 盗まれたエゴン・シーレ」のノラ・ハムザウィがエティエンヌの恋人キャロル、モデルとして活躍するナイン・ドゥルソがポールの恋人モルガンを演じた。2024年・第74回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。

2024年製作/105分/フランス
原題または英題:Hors du temps
配給:Bunkamura
劇場公開日:2025年5月9日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第74回 ベルリン国際映画祭(2024年)

出品

コンペティション部門 出品作品 オリビエ・アサイヤス
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(C)Crole Bethuel

映画レビュー

4.5コロナ過と閉じこもり

2025年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2024年。オリヴィエ・アサイヤス監督。フランス、コロナ過のロックダウンで久しぶりに田舎で一緒に暮らすことになった中年の兄弟。幼いころ共に過ごした実家には隣の家の持ち物である広大な庭がを使い放題で、自然がいっぱい。閉じ込められた世界で、お互いの恋人共に過ごす、奇妙なひととき。
映画監督で神経質な兄と、奔放で音楽評論家の弟。お互いに結婚と離婚を経験し、似たような趣味をもっていて、話が合う一方で、コロナ過のストレスもあってぶつかり合うこともしばしば。それでも、仕事と生活は続いていき、自然の木々は成長していく。コロナという大きな出来事があろうがなかろうが。
コロナ過でぽっかりと空いた時間に自然の豊かさに惹きつけられたこと。その「モラトリアム」がゆっくりと溶けていくときに、今度は日常の再開に怖気づくこと。当時の「あるある」が満載。

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5.0かっこいい

2025年5月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

※星取りは苦手。何か書きたくなった時点で満点!

弟が兄にまたAmazonか!て怒るのは
アサイヤスの悶々とした不満かな…
それを仕方ないじゃないか、
という兄もまたアサイヤスなのかもしれない。

くすくす笑うところが沢山あって、
美しい景色も沢山あって、
想い合う恋人同士も出てきて、
心地よかったー

フランスのコロナ禍も覗けて
近い感じと全然違う感じあって
興味深かった

アサイヤス監督のモテ男な雰囲気が
にじみ出てる映画で、かっこいい。
二十代の女性にオススメ笑

子供の頃の思い出を
モノローグで聞かせてくれたり、
元カノの美しいお胸の美しいお写真を見せてくださったり、
フランスの裕福な家の様子がドキュメンタリー的に見られるのもよかった。

ひと時ウットリ。

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夜明けの花

2.0ユートピアじゃない

2025年5月11日
Androidアプリから投稿

単純

幸せ

コロナでロックダウンになり、郊外にある実家で暮らし始めた中年の兄弟と、それぞれのパートナーの話。

仕事柄それぞれが得意な映画や音楽に関すること、そして亡き父親の影響か文学に関する話題でコミュニケーションをとる4人の様子をみせて行く。

日本はロックダウンにならず、娯楽の部分で少々制限があったぐらいだし、本当の意味ではロックダウンの厄介さは理解出来ていないかも知れないけれど、確かにこの兄貴の頭でっかち感はちょっと面倒くさいw
まあ日本でも過剰に反応する人とか頭でっかちな人は多々いたけれどね。

確かに空気感は堅くないけれど、これがコメディ?という感じだし、光だ愛だっていうほどの仰々しいものも自分には感じられなくて自分には刺さらず。
大きな波もないから盛り上がらず、ふ〜ん…という感じった。

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Bacchus

4.0緊急事態宣言時代の巣篭りを思い出す

2025年5月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2020年4月、コロナ禍に陥ったフランスの片田舎を描いたお話でした。先日観た「未完成の映画」も、同じくコロナ禍初期を描いた作品でしたが、新型コロナの震源地と言われた中国・武漢の近くを舞台にした「未完成の映画」と比べると、遠くヨーロッパの片田舎を舞台にした話とでは、内容も印象も全く異なる作品に仕上がっていました。

内容的には、成人してから別々に暮らしていた兄・ポール(バンサン・マケーニュ)と弟・エティエンヌ(ミーシャ・レスコ)兄弟が、それぞれの恋人モルガン(ナイン・ドゥルソ)とキャロル(ノラ・ハムザウィ)を伴って、コロナによるロックダウンの期間を田舎にある実家で過ごす時間を描いていました。
コロナ恐怖症に陥り、必要以上に神経質なポールと、そこまで尖っていないキャロルは、時に喧嘩をしながらも、恋人との時間を楽しんでいる様子。この辺の気持ちは、緊急事態宣言が発出され、世間の動きがほぼ止まった日本においても味わったことで、コロナは怖いけど仕事や学校が休みになったり、自宅勤務やリモート授業に切り替わって自宅に巣篭った時期のことを懐かしく思い出しました。登場人物たちも、通常の生活に戻ることを望みながらも、この”季節”が”このまま”続いて欲しいと思う気持ちあるというアンビバレントが、非常に上手く描かれていて、共感すること仕切りでした。

内容とは関係のない話ですが、枕草子や源氏物語が会話に出てきたり、石庭の飛び石の話がナレーションに出てきたり、はたまた主人公たちがプリウスやカローラに乗っていたりと、日本に話題や物が端々に登場したので、この点で何となく親しみを感じた作品でもありました。特に枕草子とか源氏物語というのが、フランスのスノビッシュな会話の道具として使われているらしいことが感じられ、微笑ましくもありました。まあ内容には関係ないんですが。

いずれにしても、人類存亡の危機と思われたコロナ禍を振り返る作品として、「未完成の映画」とは全く対照的なお話でしたが、いずれも非常に興味深い作品に巡り合うことが出来、満足出来ました。

そんな訳で、本作の評価は★4.0とします。

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鶏