映画 ◯月◯日、区長になる女。

劇場公開日:

映画 ◯月◯日、区長になる女。

解説

劇作家・演出家のペヤンヌマキが監督を務め、2022年の杉並区長選挙を記録したドキュメンタリー。人口57万人、有権者数47万人という規模の選挙でありながら、わずか187票差で現職区長を破った岸本聡子と、彼女を草の根で支えた住民たちに密着した。

東京都杉並区在住のペヤンヌマキ監督が、自身の住んでいるアパートが道路拡張計画で立ち退きの危機にあることを知り、止める方法を調べ始めたことをきっかけに本作の制作を開始。地域問題の当事者となった監督が、それまで無縁だった選挙や政治の世界へ飛び込んで住民たちと連携しながら学び悩む過程をとらえ、候補者や支援者たちと合意形成のため対話を積み重ねていく姿を映し出す。

主題歌には、杉並区民がつくった応援歌「ミュニシパリズム」を、上田ケンジと小泉今日子による音楽ユニット「黒猫同盟」がカバーした「黒猫同盟のミュニシパリズム」を起用。本作のテーマでもある「ミュニシパリズム」とは、地域に根付いた自治的な民主主義や合意形成を重視する考え方のこと。

2024年製作/110分/G/日本
配給:映画 ◯月◯日、区長になる女。製作委員会
劇場公開日:2024年1月2日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
松尾雅人
音楽
黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)
向島ゆり子
ブランシャー明日香
主題歌
黒猫同盟
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(C)2024 映画 ◯月◯日、区長になる女。製作委員会

映画レビュー

4.0古い政治を変える立場になるために古い選挙戦を戦う

2024年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

杉並区の市長選挙を、舞台演出家で杉並区在住のペヤンヌマキさんが追いかける。ペヤンヌさん自信は、政治への関心が薄かったが自宅が道路拡張計画で立ち退きを迫られ、政治に関心が向くように。政治を自分ごととして捉えること、思想やイデオロギーよりも生活の実感レベルで捉えていく姿勢が作品全体に漂っている。
候補者の岸本さんは国際的に活動するシンクタンクNGOなどに所属していた方で、日本の選挙運動は不慣れである。この選挙制度や慣習が立ちはだかる様がやはり見どころである。旧態依然とした政治を変えたいと立候補しているのだが、変える立場になるためには選挙を勝たないといけなく、そのためには旧態依然としたやり方に乗っからないと支持が広がらない。この矛盾をどう解決するかが選挙戦は難しいということなんだろう。
選挙や政治のドキュメンタリー映画は近年増加してきているように思える。いずれも日々の報道とは異なる視点を見せてくれるので、学びが多いし、ドラマチックな要素が多い。政治はつくづく、(いろんな意味で)人間の営み何だなと思う。
映画のファーストショットはペヤンヌさんの飼っている猫だ。猫が随所にインサートされるので猫好きにもおすすめだ。

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杉本穂高

5.0タイトルなし

2025年1月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

岸田さんが愚痴もぶちまけるところはすごい。そう簡単ではなかったのだと。
オンゴーイングの撮影の臨場感。
中流の高齢者たちが多いのか? もう少し若い女性たちがいるのかと思っていた。
岸本さんは自由人だ。
選挙が始まってから、自分でやってきたボランティアの人たちの活動がすごい。選挙の歌と映像もカッコいい。このあたりから若い子が入ってきたのか。高齢者がやってる運動はどの街にもあるから。
さとこさんの声も変わってきた。
あと女性が多い。
と思ったら、ラストの力強さ。そうだった、市会議員に女性たちが。
選挙じゃなくて、この国の政治を変えることと言ってた岸本さんの信念。頑張ってください!

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えみり

3.5地方に住んでいる人には?のドキュメント

2024年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

CSで録画視聴。
監督が杉並区出身ということもあり、杉並区長選挙の密着ドキュメントを
撮影。岸本氏が女性区長になる舞台裏をしっかり描いていたなと感じた。
いわゆる観察映画っぽいのか。
東京に住んでいる人なら納得できるが、では地方に住んでいる人ならピンと
こないドキュメントなのかもしれない。

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ナベウーロンティー

女性でなくては変えられない?

2024年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 自分たちの街が壊されて行くと感じていた杉並区の人々が2022年の区長選挙に押し立てたのは、それまで海外で環境・人権問題に取り組んでいた岸本聡子さんでした。本作は彼女を中心とした人々の選挙への取り組みを記録したドキュメンタリーです。

 この度の衆院補選で自民党が全敗しても、日本の政治・国民の意識に僕は希望など持てませんでしたが、本作を観て「なるほど、こうして蟻の一穴が空くのかも」と僅かな希望の火が灯りました。まず、意思を固めて立ったリアリストの岸本さんが何といってもカッコよく、それが様になってるのが更にカッコいいのです。自民党に担がれて出馬した芸能人落下傘候補とは一味も二味も違います。そして選挙結果は、それこそフィクション映画としても出来過ぎたお話でした。

 近年、選挙を取り上げたドキュメンタリー映画を幾つか目にするようになりましたが、多くの大人があらゆる物を背負ってぶつかるガチンコ勝負は、やはり単純に面白いなぁ。

 それにしても区長候補も、選対事務局長も、一人街宣で応援する人も、新区長誕生に励まされて区議に立候補する人も殆どが女性というのが印象的でした。そう、我々は既得権益にしがみついているジイサン達にはもうウンザリしているのです。

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La Strada