カオルの葬式

劇場公開日:

カオルの葬式

解説

ひとりの女性の死をきっかけに、彼女の葬儀のために集まった人々の感情が露わになっていく様を描いたダークコメディ。

女性脚本家のカオルが亡くなった。彼女の遺言には、10年前に離婚した元夫の横谷が喪主になるようにと記されていた。知らせを受けて東京からカオルの故郷である岡山にやってきた横谷は、そこでカオルの遺児である9歳のひとり娘、薫と出会う。カオルの葬儀には、脚本家であった彼女のマネージャーや、プロデューサー、先輩や親友、そして葬儀を取り仕切る婦人会や地主一家などさまざまな人が集う。そんななか、嵐の夜にある事件が起こる。

岡山県北部にある寺を主な舞台に、昔からの風習が残る葬儀と、いまを生きる人々の姿を色あざやかに描き、第19回大阪アジアン映画祭にてJAPAN CUTS Awardを受賞。製作にスペインやシンガポールのスタッフも参加した国際共同製作作品で、監督はこれまでに数々のドラマの演出やプロデュースを手がけてきた湯浅典子。

2023年製作/100分/G/日本・スペイン・シンガポール合作
配給:ムービー・アクト・プロジェクト、PKFP PARTNERS
劇場公開日:2024年11月22日

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映画レビュー

3.5サクラじやないよ

2024年12月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

所々に伊丹十三の「お葬式」へのオマージュらしきシーンがあった。葬儀というイベントの趣旨を逸脱して各自のエゴが剥き出しにされカオス化するのは「お葬式」とは正反対なのに不思議と同じくらいリアル。 唐突な離婚宣言も、「貴方があんな風になるのを見たくない」とか「あんな共倒れは嫌」とか色々想像できて面白いし、出棺の時に娘がドリカム歌つてしんみりさせてくれるし、ワヤン君とはどうだったんだろうと気になったりで、なかなかツボを押さえた秀作。

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ひろちゃんのカレシ

5.0映像だから伝わる複雑な感情

2024年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

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こつぶ

4.5『多面的な人生の輝き - 映画が映し出す存在の壮大さ』

2024年11月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

本作は壮大な映画だと感じました。それは現実世界における一人一人が、かけがえのない壮大な人生を生きているという気づきをもたらしてくれました。 まるでスクリーンから、様々な角度のボールが客席へ投げられているかのような体験でした。「うわぁ、おっ!まじですか!うひょ〜!」予想外の連続に衝撃を受けました。 作品の解釈は観る人それぞれの受け止め方によって異なり、また同じ人が観ても、その時々で新たな発見や気づきがあると思います。これが本作の魅力であると同時に、まさに現実世界そのものを映し出しているようでもあります。 非常に興味深い作品です。人は誰しもが死を迎える存在であり、その一瞬一瞬が壮大な物語なのだと実感させられました。一見するとドロドロしてるけど、それも視点を変えれば人間賛歌に思え、美しく愛おしく感じた。 音の効果も印象的で、映画館という空間でこそより楽しめる作品だと感じました。 日本・スペイン・シンガポール国際共同制作ならではの凄まじさ!不思議な魅力に惹かれ、また観たくなりました!ありがとうございます!

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長坂一哲

4.0『カオルの葬式』(監督:湯浅典子)を見ました。 パワフルな映画でし...

2024年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

『カオルの葬式』(監督:湯浅典子)を見ました。 パワフルな映画でした。 映画をそれなりに沢山見てくると、映画が始まりしばらく経つと、この映画は、こういうトーンの映画なんだろうな、と勝手に予測してしまいがちです。が、本作では、その予測がつかないのです。こんな映画、見たことがありません。 カオルが亡くなって、遺言で10年前に別れた元夫が喪主に。おまけに、葬儀は故郷・岡山でやるという。 言ってしまえば、カオルの最後の無茶振りとも言えますが、その無茶振りによって色んな人の人生模様が交錯します。 こう書くと、なんだかしんみりした映画に聞こえると思うのですが、悲喜交々が、まるで狂騒のように描かれます。では、ドタバタコメディかというと、そうでもない。いったい、自分は何を見せられているのだろう、という困惑を感じつつ、それすら魅力的に思えてしまう。僕は、ふと、初期のコーエン兄弟の映画を思い出したのですが、重喜劇とすれば今村昌平にも似ているのかもしれません。 人の死は、周りの人にとって、自分の生を考えさせてしまう。 本作は撮影をはじめ、スペインのスタッフが参加しているせいか、岡山の県北が美しく撮られています。

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本田孝義