カオルの葬式

劇場公開日:

カオルの葬式

解説

ひとりの女性の死をきっかけに、彼女の葬儀のために集まった人々の感情が露わになっていく様を描いたダークコメディ。

女性脚本家のカオルが亡くなった。彼女の遺言には、10年前に離婚した元夫の横谷が喪主になるようにと記されていた。知らせを受けて東京からカオルの故郷である岡山にやってきた横谷は、そこでカオルの遺児である9歳のひとり娘、薫と出会う。カオルの葬儀には、脚本家であった彼女のマネージャーや、プロデューサー、先輩や親友、そして葬儀を取り仕切る婦人会や地主一家などさまざまな人が集う。そんななか、嵐の夜にある事件が起こる。

岡山県北部にある寺を主な舞台に、昔からの風習が残る葬儀と、いまを生きる人々の姿を色あざやかに描き、第19回大阪アジアン映画祭にてJAPAN CUTS Awardを受賞。製作にスペインやシンガポールのスタッフも参加した国際共同製作作品で、監督はこれまでに数々のドラマの演出やプロデュースを手がけてきた湯浅典子。

2023年製作/100分/G/日本・スペイン・シンガポール合作
配給:ムービー・アクト・プロジェクト、PKFP PARTNERS
劇場公開日:2024年11月22日

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映画レビュー

3.5お葬式を通して徐々に見送る者たちの悲しみが実感されていくところがよく描かれています。

2025年1月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

伊丹十三の「お葬式」との関連への指摘がある。確かに題材として葬式をとりあげているところは共通だし、ショットにも似通ったところがある。通夜の日が大雨で、告別式と野辺送りの日がよく晴れている設定も同じである。でも「お葬式」は都会人から見た葬式そのものの仕組みの面白さに主眼があったのに対し、本作は葬式は舞台に過ぎす、あくまてもカオルの思いを明らかにしていくことに趣旨がある。エンドクレジットをみた限りでもこの映画のもともとは「カオルという女」という企画であり、田舎で神童といわれ東京に出て脚本家を目指す女の成功や挫折を描こうとしたものらしい。多分、カオルと訳ありの、ひょっとしたら娘の父親なのかもしれないプロデューサーの安藤によると、カオルはいかにも「青い」。一つ賞を取ったぐらいでは食えない、今どきオリジナル脚本にこだわっていてはね、ということらしい。おしぼり工場で働かなければならないくらい駆け出しの脚本家の生活は厳しい。アメリカと違って組合もないしね。
ところでカオルの葬式では、カオルの仕事仲間、そして地域の人々が入り乱れて参列していて人間関係がわかりにくい。最低限の説明しかないし、セリフが全体に聞きづらく、英文の字幕が目に入ってくるのも混乱を助長する。でも、これは最終的にはカオルを愛し、彼女の死を本当に悼んでいるのは、元夫の横谷と娘の薫だけであることを際立って表現することにつながっている。二人にとって葬儀は「完全アウェイ」。でもその孤独感、疎外感がカオルと二人のあいだの愛を改めて思い起こさせる。途中、挿入される過去のカットもこの二人との分だけなのである。(ごめん、正確に言うとワヤンとのくだりはあったね)
そして最後には横谷と薫が岡山に移住し、二人で新たな生活を築くことを予見させて映画は終わる。葬式は死者にとってはこの世との永遠の終わりをしか意味しないが、見送るものたち=生者にとっては新たなスタートのきっかけになるのかもしれない。そこを指し示すよいエンディングでした。

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あんちゃん

1.0セックスより脚本

2025年1月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

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uz

2.5うーん、置いてけぼり感が否めない。

2025年1月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

たぶん、監督の頭の中で、登場人物同士の繋がりの方程式や、
行動原理はきちんと出来上がっているんでしょうが…
わたしには、この人とこの人はどういう関係なのかとか、
なんでこの人は、こういう行動を取ったのかが、
もう少しのところで理解しきれませんでした…。

お酒呑んでくだまく人の描写も、
田舎のお葬式で女性が台所を仕切るのも知っているけど、
もう一歩!って感じてしまいました。
ざんねーん。

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hkr21

3.5サクラじやないよ

2024年12月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

所々に伊丹十三の「お葬式」へのオマージュらしきシーンがあった。葬儀というイベントの趣旨を逸脱して各自のエゴが剥き出しにされカオス化するのは「お葬式」とは正反対なのに不思議と同じくらいリアル。
唐突な離婚宣言も、「貴方があんな風になるのを見たくない」とか「あんな共倒れは嫌」とか色々想像できて面白いし、出棺の時に娘がドリカム歌つてしんみりさせてくれるし、ワヤン君とはどうだったんだろうと気になったりで、なかなかツボを押さえた秀作。

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ひろちゃんのカレシ