Here

劇場公開日:

解説

世界的に注目を集めるベルギーの新鋭バス・ドゥボスが監督・脚本を手がけ、植物学者の女性と移民労働者の男性が織りなす些細で優しい日常の断片をつづったドラマ。

ベルギーの首都ブリュッセルに住む建設労働者の男性シュテファンは、アパートを引き払って故郷ルーマニアに帰国するか悩んでいる。シュテファンは姉や友人たちへの別れの贈り物として、冷蔵庫の残り物で作ったスープを配ってまわる。ある日、森を散歩していた彼は、以前レストランで出会った中国系ベルギー人の女性シュシュと再会し、彼女が苔類の研究者であることを知る。シュテファンはシュシュに促されて足元に広がる多様で親密な世界に触れ、2人の心はゆっくりとつながっていく。

2023年・第73回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門にて最優秀作品賞&国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)をダブル受賞した。

2023年製作/83分/G/ベルギー
原題:Here
配給:サニーフィルム
劇場公開日:2024年2月2日

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映画レビュー

3.5ここで根を張り、繋がり合いながら生きる

2024年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

ベルギーのバス・ドゥヴォス監督がブリュッセルに生きる移民系の人々の暮らしを独自の視点で優しく紡いだユニークな一作。主人公はルーマニア出身の建設労働者シュテファンと、中国系の植物学者シュシュだ。シュテファンは建設現場がバカンスに入るので帰省を検討中。冷蔵庫の中身を腐らせまいと、あるもの全部使ってスープをこしらえ、周囲の人々へお裾分け。一方のシュシュは専門分野であるコケの研究に余念がない。全く見ず知らずの二人。しかしひょんな偶然で出会いを交わし、徐々に接点を重ねていく。ルーペで覗く一つ一つの植物細胞の成長や連動や増殖と、人々が織りなす人間関係やコミュニティの生成や発展といったものがナチュラルにオーバーラップする。そんな各々の生態としての面白さが本作にはある。それ以上の余計な説明はなく、あくまで透明感ある風景、自然、そして個々の日常が静かな映像のハーモニーを奏でる、深呼吸のように心地よい作品だ。

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牛津厚信

2.0うーん…イミフ…

2024年4月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

かなり、観る側に委ねてますね。

監督のインタビューを読んだけど、観た人が自分で想像しながら観る映画が好みみたいです。

それは良しとしても、僕が興味ひかれる要素は何もなく…

『ゴースト・トロピック』は良かったけど、この作品は…

PS.メチャクチャ眠かったです(笑)

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RAIN DOG

4.0都会と森に降る雨、木々のざわめき、遠くと近くの音

2024年4月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭、工事現場の遠景から始まり、しばらく場面は固定する。この時、遠くからの工事現場の音と、近くからの風や鳥の声、水音といった2種類の音が聞こえることに気付く。音が重層に聞こえることでイメージはより立体的になり映画世界がぐっと引き寄せられる。
映像と音響が映画にとって最も大事な要素であることは間違いない。だから終始、重層的な音響設計をしている時点でこの映画は非凡であると断定できる。
そして映像。16mmで撮影されている。シュテファンが寝ているシーンに電車の映像がかぶさるところ、ひょっとしてアナログなオーバーラップ編集をしているのかと思った。もちろんそんなことはなく、エンドクレジットを見ると2KデジタルへのスキャニングもしているしVFX処理もやっているのだが。でもそれを感じさせない柔らかく美しい映像である。シュテファンが同僚たちと草むらで持参のスープを食べるところ。一瞬、ピントがボケるようなところもあるし解像度は低いのだがかえって自然で光や温度、風まで感じ取ることができる。「PERFECT DAYS」の木漏れ日の映像が美しいと言っている人は是非観てほしい。あれがどれほど人工的な影像なのかわかるから。
そして雨のシーン。街なかで、森の中で、雨が降りそそぐ。これがまた美しい。
ドラマ自体はそれほど意味をもっているものではない。監督自身は祝祭的世界観とかいっているようだが。要するに苔を通して人間本来の生命力を表現しているということなのだろう。
てもその主題のためにも影像と音声が秀でていることが必要となる。
その意味では「オッペンハイマー」とこの映画はとても映画的な映画であるところは共通している。もちろんあちらはIMAXフィルムでこちらは16mmである。核兵器と種子島銃みたいなものだけど。

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あんちゃん

4.0苔(こけ)

Mさん
2024年4月10日
Androidアプリから投稿

をじっくり観察したことなんてまったくなかった。きれいなものなんですね。
女性の表情がすばらしかった。

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M