劇場公開日 2024年11月22日

「山本奈衣瑠の良さが全て」夜のまにまに にゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0山本奈衣瑠の良さが全て

2025年1月5日
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鑑賞方法:映画館

良くあるミニシアター系の若者の恋愛映画に、大さじ二杯程度のアクセントを加えた結果、それらが雑味となり「結局何の話?」となる映画。

『SUPER HAPPY FOEVER』のヒロイン役でミニシアター好きな我々をこれでもかと魅了した山本奈衣瑠の演技が本当に素晴らしい。

演技というか、素に近いような感じがたまらない。すぐその辺に佇んでいるけど気づいたら居なくなっていそうな女性を演じさせたら間違いない。今後どんどん演技の仕事が増えていく予感。

山本奈衣瑠演じる女の子のファッションも良い。ラフでちょっとボーイッシュなんだけど、ぐるぐるに巻いたマフラーとか真っ赤なセーターが女の子らしさを与えるアクセントになっていた。

観賞後、彼女の連載エッセイを読んだが、映画の中のちょっと変な女の子の印象からあまり差がなくて良かった。
何ならちょっと好きになってしまった。

肝心の映画だが、冒頭記載の通り。
雰囲気は良くあるミニシアター系の恋愛映画同様、とても良いし登場人物も魅力的(特に主人公のお姉さん役の俳優さん)。
でも、一番重要な主人公の男の子の設定が独特でちょっと邪魔だなって思ってしまった。
監督なりのユーモアなのかもしれないが、その子独自のユーモアとして捉えて良いのか、深刻な受け止め方をしたら良いのかどっち付かずで、もう少し誘導が欲しかったな。

幼なじみの子はきっと、主人公のユーモアとも深刻な要素とも捉えられる特性を誰よりも知ってるからこそのあの距離感なのかもしれないし。
あんまり説明がないから、ただ節操のない女の子のように移ってしまっていた。

ちょいちょい良い要素がありつつも全体的に微妙だったが、奇妙礼太郎の主題歌があまりにも良すぎる。あまりにも。

この映画を何段階にも引き上げるほど良いエンドロールに観終わった後は不思議と後味が良かった。

にゃん