青春18×2 君へと続く道のレビュー・感想・評価
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二人の夢が叶ったら…
台湾に旅行で来たアミは寺に願掛けをしに行くが、財布を落としてしまいジミーのいるカラオケ店でバイトする羽目になる。それでもジミーや店のスタッフとも仲良くなり暫く楽しい日々が続くが、アミが突然日本に帰ってしまう。
別れの時に、お互いに夢を叶えたら又会おうと言い残して…。
アミと別れた後、ジミーは大学の友達と創り始めた最初のゲームソフトが完成し、最初の夢がかなったのでアミに久しぶりに連絡し日本に行って会おうとするが、彼女はつれなく彼氏と地球の反対側に旅するから時間が合わないという。
アミは二人の夢が叶ったら会うと決めた約束を忘れたのか?と問う(二人の夢が叶う事は無いのをアミは分かっている)。
失意のジミーはアミの居ない寂しさを紛らわすように起業して頑張り成功するが、彼は会社の中で孤立し自分が作った会社から解任される。
そんな中ジミーは久々に帰郷した実家の部屋で昔アミから届いた絵葉書を見つけて追想し、最後の仕事で東京に行った後、アミの夢であった旅を通して日本で自分探しを行い再生していく。
訪ねたアミの母からもらったラブレター(入院時のアルバム)に書いてあるジミーの夢が叶う様に…とあるように。
アミが行きたかったノスタルジックな十分(シーフェン)で、台湾最後の夜にジミーとアミが飛ばした橙色のランタン(ランタンの色には意味があり橙色は2人の愛をより深める)。
夢のような素晴らしい映像と二人の願いが切ない。
あのシーンそのシーンには理由がある。そして役者の力。
《舞台挨拶全国同時生中継ライブビューイング》付き上映で鑑賞
青春のイメージが台湾はオレンジだというのは知らなかった。でも日本は青なんだ。漢字そのままやん。で、私は緑。古来、緑は青。新緑が芽吹く。若々しい力の象徴。でも本当は黄色。(ただ一番好きな色というだけ)
聖地巡礼も良いですネ。日本は鎌倉や松本城はベタすぎ。台湾は行きやすい台北ではなくあえて台南。公式HPに詳しく載っています。ロケ地が選ばれたのは、監督がスラムダンク好きだから。雪が見たい。ランタン見たい。監督、ワガママちゃん❤️
まだ未鑑賞なのに読んでいる人は、一日でも早く観に行く事を強く推奨します。
うっかりネタバレ書いてしまうといけないので、
以降ネタバレ有りとします。
…………
アミ(清原果耶)は何故台湾に来たのか?そして急に帰国してしまう。ジミー(シュー・グァンハン)をどう思っているのか?なんかハッキリせず中盤まで話が進む。なんかイライラする。ジミーに好意を持っている気はするんだけど。
最初の出会いから18年も経ってしまって。ジミーはアミからの過去の葉書を思い出し日本へひとり旅。日本で(道枝駿佑)や(黒木華)に出会う。役どころとしては正直 本編とはあまり関連しない。しかし単調にならないよう程よいスパイスがある。実際 旅での何気ない人との出会いが記憶に残る事も多い。
ラストで一気に話が進む。さっきまでのイライラが解消するどころか、何か溢れ出るものを感じる。やばい。若い子ならともかく…。
アミが台湾で最初に願掛けするが、良い事が起こるどころか財布を落とす。神様のイジワル。でもこれが実は最適解だったなんて。
神様がアミを台湾に来させ、バイトする羽目になり。神様はイジワルなのでさらにアミに彼氏がいると思わせる。しかしそれも神様の最大の優しさ。
ただジミーがそれに気付く事が出来るようになるのに18年かかったが。
……………
アミの描いた絵日記は、監督の実姉の「よしだるみ」さんに依る。この絵も素晴らしい。正式な本として出版して欲しい。
人はどうして旅に出るのだろう?
18年前の台湾での初恋の思い出は切ないし、現在の日本での一人旅では、美しい景色と出逢う人々との交流が胸に沁みてくる。
誰にでもありがちなセンチメンタルジャーニーを描くロードムービーだが、「Love Letter」のエピソードが出てくるあたりから、彼女がどうなったのかについては察しがついてしまう。
案の定、終盤の展開は予想通りで、彼女の「死」に、特に驚きは感じられなかったし、主人公が「絵本」を読んで、彼女の気持ちを知るシーンでも、涙が出るほどの感動は得られなかった。
そもそも、親だったら、娘が台湾で世話になった人々に、彼女が亡くなったことを知らせるのが普通だろうし、主人公にしても、ゲーム開発者として成功した時点で、「夢が叶ったら再会する」という彼女との約束を果たそうとするのではないか?
などと思いながらモヤモヤしていると、主人公が、すでに彼女の死を知っていたという予想外の事実が判明して、正直、驚かされた。
後から思えば、「あの時、告白していたら、別の未来があったのだろうか?」とか、「たとえ彼女に会えなくても構わない」とかといった主人公のモノローグは、完全に観客をミスリードするためのもので、まんまとそれに引っ掛かってしまったことになる。
ただ、青春にサヨナラをするという主人公の旅の目的は、仮に、彼女が健在であっても、あるいは主人公が彼女の死を知らなくても、いずれにしても達成されたはずで、その意味では、せっかくのサプライズも、あまり意味がなかったように思えてしまう。
それまでの人生に一つの区切りを付け、新たな人生に踏み出そうとする上で、「旅」に大きな効用があることは間違いなく、それは、道中でどんな経験をしたかに関わらず、旅をすること自体によってもたらされるものであるだろう。
劇中で言われているように、旅では、何が起きるか分からないが、逆に、何が起きても旅の意義が失われることはないし、だからこそ、人は、旅に出るのではないだろうか?
ラブ・ストーリーとしての体裁を取りながら、そんな、「旅」について考えさせる映画でもあった。
【”夢を叶えたら又会おうと彼女は言った。”18歳の台湾青年が日本から来た4歳上の女性に憧れ、36歳の時に彼女に会いに行く物語。台湾で出会った二人の姿が眩しく、最後半は涙を堪えるのが難しい作品。】
■36歳のジミー(シュー・グァンハン)は自ら立ち上げたゲーム会社から解任され、故郷の台南に戻る。自分の18歳から36歳を振り返り、思い出すのは自分が18歳の時に出会い、恋した日本人旅行者アミ(清原果耶)と過ごした楽しくときめいた日々であった。
そして、別れの時の約束を果たすために、ジミーはアミの故郷、福島の只見町を訪ねる。
◆感想
・今作はジミーが18歳でアミと会った台湾編と、36歳になって日本にやって来た日本編が入れ子になって構成されている。
そして、この入れ子構成が絶妙に巧いのである。藤井監督、流石である。
□台湾編
ジミーとアミが、小型バイクで二人乗りするシーンや、二人で行った岩井俊二監督の映画「Love Letter」やランタン祭り。そして、アミがお参りした際に財布を落としてアルバイトにやって来た”カラオケ神戸”の心優しき従業員達との交流の日々が南国感溢れるトーンの中描かれる。
ー アミが台湾にやって来たシーンは”南国情緒”溢れる。
アミも恋人がいると言いながら、ジミーとはランタン祭りに行った時には恐る恐る手を握って来たジミーの手を握り返すのである。
二人で「Love Letter」を観た時には涙を流し(それは、そうである。)、ランタン祭りに連れて行ってくれたジミーに感謝し、肩を彼に回し涙を流すのである。(後半のアングルで、その涙が映される所も巧い見せ方である。)
清原果耶さんの魅力が炸裂する台湾編である。-
・ジミーはアミと別れた後、無事に大学に入学し友人とゲームを開発し、起業する。彼は夢を叶えたのだが、アミが亡くなった事を電話で知り(一瞬しかそのシーンは映されない。)、彼は”自分を見失い”会社の中で傍若無人に振舞うようになり、取締役会議で会社から放逐されるのである。
□日本編
ジミーは最後の仕事として、日本のゲーム会社関係者と会う。そして”翌日、桜を・・。”と言う申し出を断り彼は旅に出る。
彼が度々口にする”旅は何が起きるか分からないから面白い。”と言う台詞が印象的である。何故ならアミも同じことを言っていたからである。
その通りに彼は松本の居酒屋で台湾出身店主のリュウに夜の松本を案内してもらい、長野県飯山線(個人的な話で恐縮だが、年に2度お世話になっている会社に行く時に乗るので直ぐに分かったのである。)の中で明るいバックパッカーのコウジと出会い、真っ白な雪の上で大の字になったりして楽しむのである。
更に長岡ではネットカフェで自身が開発したゲームをやっていたアルバイト店員(黒木華)に、ランタン祭りに連れて行って貰うのである。
そして、回り道をしながら、アミの故郷である只見町に着く。
彼は、道に迷いオジサン(松重豊)の軽トラに乗せて貰い、漸くアミの家に着くのである。
ー ジミーが日本にやって来たシーンは”北国情緒”溢れる。
そして、彼はアミの母(黒木瞳)に出迎えられ、アミの位牌に手を合わせるのである。
ジミーが台湾からアミに電話を掛けるシーン。アミは”もう少ししたら地球の反対側に行く、彼と。”と言ってアッサリと電話を切るが(前半のシーンでは声だけ。)、実際の姿が後半映される。
彼女は不治の心臓の病に罹っていたのである。前半、ジミーが突然部屋にやってきた時に薬を慌てて隠すシーンや、ジミーが扉越しに聞いた”分かっているよ!”と怒った声で電話している相手はジミーは恋人と思っていたが実は、アミの体調を心配する母だった事が分
かるのである。>
<今作は、入れ子構成の台湾編と日本編の対比も見事であり、且つジミーがアミの想い出が詰まる過去を大事にしながらも、新たなる一歩を踏み出すきっかけに日本に来たことが分かるジミーの成長物語である。
が、矢張り最後半は涙を堪えるのが難しい作品なのである。>
<2024年5月3日 劇場で朝一で鑑賞>
<2024年5月5日 劇場で再鑑賞
そして、評点を4.5から5.0に変更させて頂きます。悪しからず。>
ありがちなストーリーですが穏やかでキュンとくる秀作
表題の通り物語は良くある展開ですが画も役者も総合的に良かった。
「台湾旅行行きたいな+清原果耶が好き+新潟は少しゆかりの地」ということで、他に見たい映画もないので大きく期待せず選択。
清原果耶見たさではあったが、台湾の主演男優となるジミー役のシュー・グァンハンに引き込まれる。話しは、ありきたりであり結末も途中から多少見えてきたりする。しかしながら、男女年齢問わず楽しませてくれる綺麗な映画であり本当に観てよかった。
総合評価は少し甘めかもしれないが星は4.5となります。
映像 ★★★★ (単純だけど何気なく挟み込んでくる風景が良い)
音 ★★★
物語 ★★★★ (ありがちながら展開が良い)
役者 ★★★★ (清原果耶がご贔屓にて5としたいがグッとこらえての星4つ)
編集 ★★★★★ (少し甘いが星5、凝縮された終盤の回想がとにかく良い)
粗さ ★★★ (あたっとしても気にならない)
総合 4.5 (間違いなく秀作)
ここからネタバレ含みの感想。
正直、中盤まではシュー・グァンハンが良すぎてからなのか、私の贔屓にする清原果耶の演技が多少物足りないというか「素人っぽい演技」に感じてしまった。また役柄上の「世界を旅するバックパッカー」に対して現地語もまともに話さないという違和感。しかし・・・、この「素人っぽい演技」を終盤の回想シーンで一気に昇華させた監督とそれを切り取ったカメラ、それに応える演技をした清原果耶は本当に凄い。
この終盤のために、監督は清原果耶という役者を選び、更に前半の役と演技に敢えて「安っぽい演技してる感(Ami自身が元気でアクティブである自分を演じている人の感じ)」を持ってきたのだろうと思うと本当に素晴らしいとしか言いようがない。しつこく繰り返すが、それを表現できる清原果耶の表情を含めた演技は凄い。
「映画っていいなぁ」と思うのは、こういうところでもある。
また、台湾のカラオケ店の面々、旅の途中で出会う道枝駿佑が演じる少し過剰演技にも感じる旅の若者、あまりにもご都合的な登場にも感じる台湾人の居酒屋店主、黒木華・・・と、映画を見終わると皆必要なピースだったと思わせてくれる。正直、道枝と居酒屋店主は出てきたときは「要らない」と思ったのだけどね。
それから「ハイッ!ここで号泣してください」という陳腐な画作りや演出でなかったのも良い。私は気づくと何回かスーッと涙が出ていた。こういう画での泣かせ方をする映画は好きである。
そんな結末だったとは。
前知識とかはほぼ無しで鑑賞。
初恋をテーマにしている事は分かっていましたが、結局再会出来ず、改めて付き合うとか結婚するとかそういうハッピーエンドでは無かったので切なかったです。
心の中では覚えているし、仕事を頑張るモチベーションになっていて、ずっと離れていても絆はあったと思えるだけに、
(25歳の時の彼女にすぐ振られたのは仕事多忙以外にも、無意識でもアミのことを忘れていなかった又はアミほど夢中にはなれなかったことが理由な気がします)
改めてアミと一緒にいられるような人生であってほしかったです。2人の旅とかも見てみたかった。。
*****
ただ出会った時の、
バイト先でアミが働きだしてからは遅刻が無くなるとか(なんだ好きな子がいればちゃんと出勤出来るんじゃん(笑))、
初デートの服や髪型をめっちゃ悩みまくるとか(男子もそんな鏡の前でファッションショーするのか!)、
初デート前にネットで「手の繋ぎ方」を調べているとか(まだ自然な成り行きで大丈夫だってこと知らないのか〜可愛いなぁ(笑))、
デート当日ちょっとカッコつけて、映画館で「ポップコーンは俺が買うから!(ドヤ顔)」と言うとか(出したいのね、分かったここはご馳走になります(笑))、
一つ一つのエピソードが初々しくて、好きな子がいる時の様子が分かりやすくて(笑)とても良い場面の数々でした。
*****
36歳になってようやく彼女が居ないことにちゃんと向き合って、彼女を思い出す旅が出来て、少しずつでも気持ちの整理が付けていけたみたいで。。そしてアミが描いた絵日記を受け取れて、実家のお母さんもずっと大事に保管してジミーに渡してくれて本当に良かったです。
ジミーがアミのことを忘れることは無いだろうけど、でもジミーも改めて、ゆっくりでもいいから幸せに、これからの人生を歩んでいってほしいと願いました。
(ハッピーエンドなら文句なく☆4.5は付けるんですが、とても切なくてもう一度見る勇気は無いな。。と思い少し☆を減らしました。)
想い出と切なさと“時の流れ”
18年情熱を注ぎ大きくした会社(代表)を追い出されたジミー、地元台湾の地で18年前に出会った初恋女性でバックパッカーをしていた4歳歳上の日本人女性AMIから昔届いた手紙を元に好きだったアニメの聖地から、一緒に観た映画のロケ地、初恋相手AMIの故郷へと旅しながらも過去の思い出を振り返る話。
会社を追い出され…、18年前AMIから聞いた言葉「旅は何が起こるか分からないから面白い」を心に、自分を見つめ直す旅とAMIの死に向き合おうとするジミーのストーリー。
本作の雰囲気のベースになってるAMIへの想いからの「切なさ」、何気ない他愛のない話やバイクの2人乗り、一緒に観た映画「Love Letter」、ちょっとすれ違いな二人とで序盤からラストまで何か涙が止まらなくて。
ジミー視点からラスト終盤AMI視点に切り替わり、病と闘いながらも好きなを絵を描く姿、病を隠しバイト仲間に明るく振る舞う姿、ジミーへの本当の想い気持ちが分かった時にも涙。
色々作品は観させてもらってるけど久しぶりに余韻に浸りたくなった作品でもあった。
本作の藤井道人監督うまいな~とも思いました。
やっぱ清原果耶さんいいね~
やはり・・
と言うか、こういう展開しか無いだろうとは思っていたが。故人の生前を思いおこして涙するラストは食傷気味。電車から踏み出す足元のショットも見飽きた。甘い「パストライブス」みたい。
いい所も有りました。歳上の清原果耶いいなぁ、台湾と日本のロケーションは凄く良くて、旅情も感じられた。
もう一つ、捻ったエンディングにしてほしかったけれど、具体的には解りません。
「Love Letter」とミスチル‼️
18年前の忘れられない女性アミ。日本からの旅人である彼女と台湾で知り合ったジミー。18年後、自ら起こした会社の経営から退いたジミーは、アミの生まれ故郷である福島県へ旅に出る・・・‼️アミが好きでたまらないジミーと、一歩引いてる感があるアミ‼️ちょっとモヤモヤする台湾での展開‼️そしてアミは病気か何かで既に亡くなってる事が安易に予測できる展開‼️いつものパターンかと思っていたのですが・・・‼️終盤、ジミーがアミの母親に出会い、アミが亡くなっている事、実は不治の心臓病でアミが台湾を旅してる時には完治困難だと判明していた事、福島県へ旅立つよりもずっと前にアミの死をジミーが知っていた事が判った時、この物語は俄然輝きを増してくる‼️台湾におけるジミーへのアミの接し方、福島県への旅路でのジミーの表情など、前半のモヤモヤが後半、感動へと変わり、じわじわこみ上げてくるモノがありました‼️やはり18年間想い続けるに値する清原果耶ちゃんの魅力が絶大‼️今後も期待してます‼️
自分の中に残っているものを再確認することで、目指したいゴールへと向かえるのだと思う
2024.5.3 一部字幕 MOVIX京都
2024年の日本&台湾合作の映画(123分、G)
原作は賴吉米の小説『『青春18×2 日本慢車流浪記(2014年)』
台湾で出会った女性を思い起こしながら旅を続ける青年を描いた青春映画
監督&脚本は藤井道人
物語は、ゲーム制作会社の取締役会にて、ジミー(シュー・グァンハン)が解任される様子が描かれて始まる
大学時代の親友アーロン(フィガロ・ツェン)と立ち上げた会社だったが、ジミーのやり方に反発する役員たちは彼を排除する道を選んでしまう
その後、アーロンの東京出張に同行し、業務を引き継いだジミーは、そこからあてのない旅を始める
それは、高校3年生の時に出会ったアミ(清原果耶)の故郷である福島県只見市を目指すものだった
だが、ジミーは直接そこへは向かわずに、長野、新潟と回り道をしながら、彼女との日々を思い出していくことになった
高校3年生の夏、ジミーは地元のカラオケ店で働いていて、店長の島田(北村豊晴)はジミーの遅刻癖に辟易していた
バスケ好きのウェイ(リー・クアンイー)、ムードメーカーのスーイー(ジェーン・リオ)、店長の娘シャオティン(バフィー・チェン)らと一緒に働いていたジミー
ある日、彼の元にバックパッカーをしながら台南を訪れたアミがやってきた
アミは財布をなくしたことで働き場所を探していて、島田は彼女の話を聞いて、快く迎え入れることになった
映画は、なんとなくアミの行末がわかるように描かれていて、おそらくは予想通りの着地点に向かうことになる
だが、アミの物語を読み進めるうちに「ジミーがいつそれを知ったのか」が示されていく
そして、その「タイミング」によって、タイトルの本当の意味がわかってくる
18歳の時の出会い、ある日を境に18年間を走り続けることになったジミーは、その区切りの年に「自分の来た道」を振り返ることになる
それと同時に「アミが歩んできた道」を知ることになり、これまでアミが自分に隠してきたことと、隠してきた理由というものが理解できるようになる
なので、2回目を見ると、ジミーの旅の目的とタイミングを知った上で鑑賞することになるので、初回とは感じ方が違って見えると言えるのではないだろうか
いずれにせよ、旅の目的はたくさんあるけれど、「自分を探す」のではなく、「自分を知る」というのは言い得て妙だと思う
ジミーはこれまでの人生において、色んな人から色んな言葉をかけられるのだが、彼の中にその言葉が残っているからこそ、36歳の旅の途中で出会う人々の言葉に反応していく
映画には、視覚(壁画)、聴覚(音楽)、味覚(台湾料理)、嗅覚(香水)によるアミとの日々が想起され、最後に「触覚としての抱擁」というものが描かれていく
だが、そこにもジミーの知らないアミの想いというものが隠されていて、それらを知ることで、彼の青春というものがきちんと終わりを告げることになった
18年という時間をどのように感じるかは人それぞれだが、人生の晩年でないことが、彼にとっての救いであったようにも思えた
旅と夢、車窓の手前にある「柔らかな後悔の記憶」
【映画星取ポイント】・・・[各0.5point]
●映画としての質が素晴らしい
●テーマ構成・題材が良いorわかりやすい
●映画としておもしろかった!
●万人へオススメできる
●「観て良かったな」と思う・出会えてよかった
●映画館の環境で観ることをお勧めしたい
●パンフレットが欲しい
●特筆すべき魅力がある映画
ちょっとした『ローマの休日』感と『Love Letter』の雰囲気ある映画。
前半は癒され、後半は胸いっぱいではち切れそう気分。
全体的に、画も音も邪魔するものがない。
単純明快な恋愛映画や難病映画と括られないといいな。
観終わったあとの感覚だけど、
学祭、部活、お盆の帰省なんでもいい、
夏やすみの楽しかったイベントが終わったあとの「寂しさ」に近かった。
相手の気持ちがわかっているのに、発展しない、行動できないって、あるよね。
車窓の前でのシーン。
汽車とミスチル、"イヤホンのはんぶんこ"使用、
二人が聴いている音楽は、観客には聴こえてこない。
みんなが観る銀幕の中は、ふたりのだけの空間。
観客がわかるのは、ジミーが吐露する気持ちだけ。
くう〜、すばらしい演出だぜ!!
前述のシーンはポスタービジュアルになっている。
しかし、静止画だけでは足りない、動画でこの空気感を感じてほしいぜ!!
ふたりでバイクに乗っているシーン、背景の提灯もよかった。
アジアが舞台だから思うのか、ウォン・カーウァイ的な画もグッド。
そして、映画タイトルの「青春18」というキーワード。
旅に出たくなる。ゴールを決めない、行きたい場所へいく旅。
「二度と会うことのない友人」
「訪れることのない景色」
「でも、彼と過ごした時間はきっと忘れないであろう」
こんな気持ちに追随したい。
主題歌の歌詞も完璧。
「映画との出会い」「旅での出会い」が歌詞に込められていた。
♫<柔らかな後悔が今日も僕に寄り添っている>
どうしてこんな素敵な歌詞を思いつくのだろう。
耳に残って離れない。
松重さんのセリフ「神様はいじわるだよ」・・・。ほんと、それ。
観終わったあと、深く呼吸し吐き出す。
大切にしたい映画の1本。
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