「株価が上がって儲けたファンドいなかったのか」ダム・マネー ウォール街を狙え! かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
株価が上がって儲けたファンドいなかったのか
私は株知識ほぼ無いですが、巨大ファンドがとある企業の株に「空売り」という手を仕掛けていること、「空売り」は、株価が下がるほど仕掛けた方に利益が上がること、それなら株価を上げれば対抗できる、を早々に説明、それさえ分かればハナシが分かるというシンプルな作りで、株シロウトの私でも楽しめました。
ファンドの株ゲームで企業が荒らされ被害を被った名もなき庶民の話を交え、
キースが自分の好きな企業がハゲタカどもに利用され食い荒らされるのを阻止し、ついでにそんな悪い奴らにお仕置きしたいというのが発端だったというのも分かりやすい。
したい放題の巨大な強者に小さい弱者が立ち向かってやっつける話は気分がいいです。
しかも実話。
普通のヒトでもある程度の知識を持っているようで、アメリカ人への株式投資の浸透ぶりが分かった。学校で教えるくらいだとか。こういう知識は子供の頃から仕込んでほしいです。
でも、シロウト考えですが、株価が上がって単純に儲けたファンドいたんじゃないでしょうか。
個人投資家の行動を支える形でもっと大きな資本を注ぎこんで買い続けて、高いときに半分売るとかして残った半分は長期的に保有して「通常運用」するとかなら、すごい利益を手にしたのではと思う。映画でも、ゲームストップの従業員が、「実は最高値で所有株の半分売って、その利益で大金持ちになった」と言ってましたし。
彼、「株主」だから店長より発言力あってお前に何も言わせねえ状態になってたみたいでしたね。好きな会社だから株を買って支える、が株の本来の形だというのを彼が体現したようでした。
エンドロールで流れた実際の公聴会の映像が興味深かった。
実話が映画化されたら、普通は俳優の方がイケメンなのに、実際のキースさんはポール・ダノより大分ハンサムで尖ってそうだった。
ハンサムで野心家っぽいと映画が微妙な感じになりそうなのでポール・ダノだから好感度高くて良かったかも。
つい最近の、コロナ禍になってからの事件で、現在進行系で係争中らしく実際の登場人物たちも多くは語れず迂闊な行動ができないようなのが「実話」のリアル感を感じさせます。