ゴールド・ボーイのレビュー・感想・評価
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ウェルメイドでは収まらないミステリー映画の傑作
金子修介監督作をすべて観ているわけではないのだが、和製ドラキュラ映画の『噛みつきたい』みたいな危なげな企画を面白く仕上げてみせる手練れであり、平成ガメラ三部作や『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』のみごとさもあって、日本屈指の職人監督という印象を持っていた。なので、中国の犯罪小説を翻案した本作も、手堅く面白い映画に仕上がっているはず……なんて予想は、当たっていたと同時に、失礼でもあったと反省している。というのも、「職人監督が作るウェルメイドなジャンル映画」なて枠ではとても括れない、どこかハミ出し感のあるパワフルなシーンが矢継ぎ早に訪れるスリラーだったから。
二転三転する物語なのでネタバレなしに書くのは難しいので具体的な中身について書くことはやめておくが、ほとんどの登場人物の倫理観が当然のように歪んでいるのが実にいい。日本映画というより表現のひとつひとつに情け容赦がない韓国ミステリーの手触りに近いが、それでもなおどこに向かっているのかわからない強烈なオリジナリティがあり、ストーリーも面白いけれど、それよりもひとつひとつのシーンの不穏な空気に惹きつけられる。
人でなしのイケメンを演じさせたら相変わらず天下一品な岡田将生はもちろん、出演者はおしなべて素晴らしい。特に愛情深いが生活苦で余裕がない母親を演じた黒木華は、登場シーンのすべてに張り詰めた緊張感と現実感をもたらしていて、相変わらずの天才っぷりに震えました。
新しい座組で開けた可能性
中国原作でチームジョイが製作に加わっていて、日本のスタッフ・キャストで長編映画を作るという座組は新しいのでとても興味深く観た。座組が変わると新しい可能性も拓けるのだと改めて思う。少年少女が犯罪を目撃して大人から金を脅し取るという内容の、強烈な青春映画なのだが、なかなか日本の会社だけでは企画しづらそうな感じはある。とにかく3人の少年少女の危なそうで純真そうなたたずまいが素晴らしくて、イノセントさと狂気が薄皮一枚の差しかないことを思い知らされる名演技を見せてくれる。
岡田将生はこういう狡猾な男役が本当に上手。脚本の運びも秀逸で全く飽きないで見られる。沖縄を舞台に選んだのも良かったと思う。東京の郊外でも成り立つ話ではあるけど、風光明媚な風景の美しさと人間の狡さのミスマッチがいい。
こういう可能性が開けるなら、どんどんアジアで国際共同製作をやっていくべきだ。国内興行は苦戦気味のようだけど、海外市場でうまいこと活路を見出してほしい。
秀逸な中国発原作と、手練れの脚色、演出。日中の歴史が混ざり合う沖縄を舞台にした点も巧い
題名と概要を最初に見た時、スティーヴン・キングの小説「ゴールデンボーイ」を思い出した。資料によると脚本の港岳彦のアイデアで、キングへの敬意を込めて「ゴールド・ボーイ」としたのだそう。両作品は実際、世代は異なるがそれぞれ“悪の資質”を併せ持つ主要人物たちが邂逅し、年少者が年長者の弱みにつけこんで自らの要求を通していく、という序盤の筋が共通する。
それにしても、嫉妬してしまうくらいによくできた、先の読めないストーリーだ。1986年浙江省(せっこうしょう)生まれの紫金陳(ズー・ジンチェン)が2014年に発表した小説が原作で、2020年にはドラマ化された(現在日本でも複数の配信サービスで視聴可能)。
殺人という行為についての、ある種の突き放した感じというか、ドライなセンスが、日本人の肌感覚とは異なるような気もする。とはいえ、明・清時代の中国の影響が大きかった琉球王国から日本の県になった(さらには戦後の米占領下の時代も経験した)、歴史的・文化的レイヤーが複雑に混ざり合う沖縄を舞台にしたことで、日本人の登場人物たちが関わる物語なのにどこか異国の出来事のような、特別な映画世界が生まれたように感じる。
二枚目俳優にはサイコパスの殺人者がよく似合う。甘いマスクの明るい岡田将生が裏の顔に豹変する瞬間に震撼した。「悪の教典」の伊藤英明、「脳男」の生田斗真に匹敵するイケメンサイコパスではなかろうか。
怪獣映画だけでなく、子役や美少女アイドルの演出でも評価の高い金子修介監督は、羽村仁成、星乃あんな、前出燿志人の自然な演技を引き出しただけでなく、変化していく3人の関係性も効果的に描いてみせた。映画が陰惨にならず爽やかさと切なさを残しているのも、青春物語としての側面が活きているからだろう。特に星乃が演じた夏月の純粋さと、ある場面での震える手に、胸が締めつけられたことがずっと忘れられない。
中国のバッドキッズ観て面白すぎて、この作品めっちゃ期待しまた! い...
中国のバッドキッズ観て面白すぎて、この作品めっちゃ期待しまた!
いやいや、期待以上に上出来じゃないですかー!
最高に面白かったです!。ラストお母さんまで嫌な奴なのかと一瞬悲しくなったけど、そうじゃなかった!我が子を思う正しい行動で胸熱くなりました。
ただね、ただね、なんでエンドロールが倖田來未?
そこだけ残念、かなりしらけた、、、。
切れ長の目
大会社乗っ取りの為に会長の義父母を綿密な計画の下に殺した現場を目撃した少年らが男をゆすり始めるノアール物語・・かと思ったら「えっ、そっちに話が行くの?」とドンドン予想を裏切って行くスピード感は非常に心地よかったです。岡田将生さんも、あのクールな切れ長の目は、この冷酷なクズ男が似合ってるのではと思えるほどのはまり役でした。
ただ、ミステリーとしては少し脇が甘く、もう少し緻密に物語を組み立てて欲しかったな。
本当の悪者は?
誰?
最後の最後まで胸くそ結末なのか?はたまたスッキリ結末なのか?眼が離せない。
他の方のレビューで中国が原作と知りましたが、よくまとまってる。
舞台が沖縄ってのも上手い。
二宮和也の「青の炎」に少し似てるっぽいけど、こっちもよく出来てる。
サイコパスおぶサイコパス
岡田将生がサイコパスだよという前情報のみで鑑賞
ネタバレなしでレビューを書くのがかなり難しい、、
話が進んでって、展開に多少予想はついてたんだけど、予想を超えて恐ろしかった
まさかとは思ったけど!という感じ
賢いだけではなかった
岡田将生目当てで観て、もちろん最高だったし子役の演技もとってもよかった!
朝陽くん、中2だけど中2の男の子って母親とあんな熱い抱擁しなくない?とそこだけちょっと引いちゃいました笑
朝陽となら、どんな地獄へも行けるから。
途中、「白夜行」を思わせるような展開に同情してしまった自分は、まんまと騙された一人だった。岡田将生の使い方もうまい。悪役だとわかっていてもどこかで何かを期待してしまっている先入観が、あの役を見る目を曇らせる。そんなところへ終盤のあのシーンだ。まったく意表を突かれた。どこか異国感漂うのは、舞台が沖縄だからなのか、原作が中国だからなのか。飽きることのない展開と衝撃のラスト。こんな頭のキレるガキなんているかよ?って思っていると、そこが大人の甘さだよ、と寝首を掻かれんだろうな。
最終的には面白かった
途中から青の炎のパチモンみたいになって来て正直微妙だったけど
ラスト30分くらいの怒涛の展開はかなり面白かった
子供達の演技はイマイチだったけど
後、日本のコレ系の作品でいつも思うんだけど
日本の警察の捜査能力舐めすぎだと思うんだ
二度観に行った!傑作!
何を言ってもネタバレになりそうで内容は言えない、でも見てほしい…
なのに言わずにこの映画の面白さを伝えられる自信は無い、けど誰かと語り合いたい…
「お願いだから観に行って!」と思わず言ってしまう作品。
映画館で同じ作品を再び観に行くなんてことを普段しない人間が、我慢できずに足を運んで鑑賞してしまう作品。
もちろん2度目も満足度は高い。
岡田将生くんの悪役、本当に最高です。
美人が悪い顔をすると怖さが引き立ちます。
そして羽村仁成くんをはじめ少年少女達の演技も素晴らしかったです。
羽村くんはこの年代の俳優さんの中でも異質な魅力があると感じました。
これからが楽しみな俳優さんです。
心理、考察、行動。どの視点からの描写も見事
岡田将生 の”悪役”への化けが
控えめに言っても最高of最高過ぎて、正直驚いた。
子供たちとのやりとりのバランスも本当に絶妙で
ゾッとするほど恐ろしく狂気でサイコで
したたかで冷酷
何かのインタビューでこの《東》という男を演じるうえで
『品よく美しく』を常に意識していたと話していたが
指先の使い方、立ち姿、振り返り方、目線の流し方∙∙∙
まったくもって、その『品よい美しさ』が
《東》という男の奥に潜む 戦慄さをより倍増させていた。
ストーリーは淡々とスピーディーに進むのに
俳優陣それぞれの表情や駆け引きが大胆なのに繊細で、
複雑に絡む人間対峙の展開は
先が読めずハラハラしっぱなしだった。
最近観た作品の中でも
頭一つ飛び出す面白い作品だった!
そういや、何かで聞いたことがある
「大人を舐めた賢い子供ほど 大人に利用されやすく
子供らしい子供に 賢い大人ほど簡単に足をすくわれる」
∙∙∙らしいそうです。
なるほど。納得。
原作も素晴らしいのだろうが、実によく出来た脚本だと思う。無駄なシーンが全くと言ってよいほど無い。
エンドロールを見るまで原作が中国人だとは知らなかった。勿論原作も素晴らしいのだろうが、実によく出来た脚本だと思う。無駄なシーンが全くと言ってよいほど無い(130分と長い作品なのだが全く長さを感じさせなかった)し、俳優陣が素晴らしい(特に子役の女の子、星乃あんな)。北村一輝も江口洋介も沖縄出身の人に見えるのが不思議。一つ引っかかったのは皆が標準語を話すことくらいか?原作は悪童達、となっているが映画では悪童は1人なのでその辺りは変更したのかもしれない。
「沖縄」の暗黒面?
「バッド・キッズ 隠秘之罪」としてドラマ化され大ヒットした中国の人気作家・紫金陳(ズー・ジンチェン)のベストセラー小説『悪童たち』を、舞台を沖縄に移し、「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」「DEATH NOTE デスノート」の金子修介監督が映画化したクライム・エンタテインメント・・・ってことなんだけど、日本オリジナルじゃないのが悔しい(笑)
沖縄のことをディスるわけじゃないんだけど、離婚率が一番だったりして、この映画の舞台はやはり沖縄がふさわしいかな・・・って、やはりディスってるかも(汗)
とても恐ろしい話で、余り書くとネタバレになるので、詳しくかけませんが男の子2人は撮影時15歳以上だったからいいんだけど、女の子は役柄通り13歳。。。あまりこういう役を演じさせたくはないと思いました。
でもね・・・面白かった。
主人公を演じた羽村仁成クンは旧ジャニーズのアイドルなんだけど、さすがに俳優歴10年の演技力でした。どこかでみたことあるなぁと思ったら「リボルバーリリー」の少年でした。
子供の荒んだ心のまま、いま大人が社会に跋扈している
あまりの衝撃に頭がクラクラしました
マーラーの曲で涙が出て仕方がなかった
沖縄の太陽が、海の青さが
人の内側をあらわにしているようだった
それは美しく、哀しい
ドラマはお茶の間でみるように
映画は暗闇で体験するように
全く別のモノとして
すぐれた出来栄えだと思います
地下の映画館を出て、夏日が差し込んできて、ああ、闇を抜けたんだ、真っ当に生きて行こう、そんな気分になりました
主演の演技とテンポも良いが、もっと怖さがほしい。
岡田くんの表情は惹きつける。
なまじ顔がキレイすぎると色々と役作りとか難しいのかなとも思うが、狂気さは堂に入ってた。
少年少女の危うさも良い。
特に夏月役のコが良い。情感を高めていた。
脇を固める役者も豪華。
松井玲奈も良かった。最初松井玲奈と確信が持てないほどに自然で驚いた。気づけば30代人妻かぁ。
ストーリー展開はテンポも良く、飽きさせない。
沖縄の風景も良い。
国際協同製作?の賜物みたいなコメントを散見するけど、確かにアジア映画のミステリーっぽい空気感はあった。
ただ、肝心のネタについては、ふーんという印象。
二転三転みたいなのが好きな方には良いのかも。
個人的にはテンポが良すぎたのか、画面から伝わる緊張感や悲壮感、みたいなものが全体的に少し薄味に感じた。
原作が中国に納得
沖縄を舞台にしたことでストーリーにさらに陰影がついた。容赦ない展開もエンドロールで中国が原作と分かり納得。タイトルからスティーブンキングのゴールデンボーイを思い出したが、作者もそれを意識していたとのこと。岡田将生はこういう役が似合う。中学生役の3人をはじめとして役者がみんな適役で良かった。続編があるのかな?
凄い作品!もっと脚光を浴びせてあげたい!!
岡田将生氏は好きな俳優さんではあるものの、この映画はあらすじを見てもぼんやりしてるように感じられたため後回しに。そしたら参加した映画好きオフ会イベントでご一緒した方からオススメだとご紹介頂いた💛タイミング逃したし上映してるところなんてないでしょ〜と思ったら根強い人気と口コミのおかげで上映館増とか延長決定とかで観られるように!それならば早速💜と行ってきた (*´∀`*) ノ
ナニコレ。スゴイ。
日本映画でこんなストーリー展開初めて!と興奮気味に観終わって調べたら『中国のベストセラー作家紫金陳(ズー・ジェンチェン)の代表作の一つである小説「坏小孩」(The Gone Child)を原作に舞台を沖縄に移して映画化』とな。なるほど、日本では無かった……無念。主演の岡田将生の演技は『ゆとりですがなにか』とか『大豆田とわ子と三人の元夫』で見せるハイテンションキャラでありながら、役ところがサイコパスということもあってこれまでに観たことがないほどの快演がキラキラ光ってる。
沖縄の中学生男女のひと夏の甘酸っぱい恋模様を描く胸キュン映画かしら?と一瞬でも思ってしまった自分が恥ずかしい。ヤバメンタルのサイコパスが完全無双する痛快アタオカムービー。余韻に浸りながらシアターでたらパンフレット買い忘れてしまったよ😅💦
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