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■テレビの懸賞金付きスクープ映像番組に目をつけたロシアとチェコから”自由の国”アメリカに来た2人の凶悪殺人犯、オルグ(オレッグ・タクタロフ)とエミル(カレル・ローデン)。
刺激的な映像が莫大な金に化けることを知った彼らは「殺しの瞬間」を撮影することを思いつく。
獲物となったのは、雑誌やテレビでも取り上げられる、ニューヨークで一番有名な刑事エディ(ロバート・デ・ニーロ)だった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作は、当時の(もしくは今も)、加熱する報道合戦を行っていた米国マスメディアの行き過ぎた視聴率至上主義の報道姿勢に、強烈な怒りを叩きつけた作品である。
・且つての仲間の夫婦を殺めるウルグとエミルの異常性から物語は始まる。
ー その過程を、自らF・カプラと名乗るオルグは狂的な眼で映し続ける。ー
・更にその現場を目撃したダフネ(ヴェラ・ファーミガ:途中まで、気づかなかった。この作品、2001年公開何だね。)を執拗に追うオルグとエミル。
ー オルグはその過程も全て撮り続けている。自分が映画監督と信じ切って。狂人である。-
・エディが彼らに囚われ、抵抗しつつも殺害されるシーンは衝撃的である。
ー ロバート・デ・ニーロが、劇中で殺された作品って、あったかな。-
■放火調査官ジョーディを演じたエドワード・バーンズが、エディに代わり奮闘し、ウルグとエミルが仕掛けた罠からダフネを救うシーンはハラハラしながら観賞。
・愚かしき、ニュース番組のアンカーマン、ロバート(ケルシー・グラマー)が彼らの要求を呑み、大金を払ってエディ殺害シーンを特ダネとして流すシーンは怒りで脳内沸騰する。メディア規制が当時は無かったのであろうか。信じられない。
■そして、オルグは逃げ、エミルは捕まりつつロバートが雇った弁護士により精神薄弱を理由に無罪を狙う。
ー このシーンは、現代の問題を想起させる。日本はいつの間にか世界でも少ない死刑制度を継続している国であるが、私は死刑制度は必要であると思っている。
多くの国では殺人犯が、無期懲役になりながら、刑務所で安穏と暮らしているのが事実である。-
<ラスト、オルグとエミルが齟齬を来し、エミルは放火調査官ジョーディにより射殺され、オルグは”最後まで、映画監督”であると信じ絶命する。
何とも言えない後味の悪さが残った瞬間に、放火調査官ジョーディが愚かしき、ニュース番組のアンカーマン、ロバートを激しく殴りつけるシーンにやや留飲が下がった作品である。
当たり前だが、報道各局には視聴率至上主義はミッションとして仕方がないかもしれないが、公平公正な人間性在る報道を望みたいモノである。>