劇場公開日 2001年5月19日

15ミニッツ : インタビュー

2001年5月10日更新

デ・ニーロ死す! その時現場の模様は?

ジョン・ハーツフェルド監督を直撃!

編集部

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そこで、刺激的なキャッチコピーが必要となる。この映画の広告で謳われるキャッチコピーは、直接的で衝撃的だ。テレビCFでは、「ニューヨークで一番有名な刑事は、なぜ殺されたのか?」。これが新聞広告だと、「デ・ニーロ死す!」となる。そう、この映画の半ばで、デ・ニーロ演じるエディ・フレミング刑事は殺されてしまうのだ。そして、その死にっぷりこそが、この映画の見所のひとつであることは間違いない。

だが、この名優相手に「途中で死んでしまう役」をオファーするのは容易ではないはずだ。我々は、来日したジョン・ハーツフェルド監督に、その辺の事情を聞いてみる機会に恵まれた。

「この作品についてオファーし、彼と話し合っている最中は、正直なところ『いや、オレは死なないよ』っていつ言われるかとビクビクしていたよ。彼の方からその話は出てこなかったね。唯一その話が出たのが、数週間前にニューヨークで行われた記者会見だった。ある記者がデ・ニーロに直接質問したんだ。『映画半ばで死ぬことについて、何か懸念はありませんでしたか?』と。彼は少し間をおいて『ノー』と一言だけ言った。それだけだ」

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件のシーン。デ・ニーロの気迫溢れる演技は、観る者に最大級のカタルシスを提供してくれる。その撮影現場の模様が気になるところだ。

「これは今まで誰にも言ってない話なんだが、現場はとても緊迫感があった。当初、撮影は予定通りに進んでいた。最初は犯人側2人を撮影して、3日目ぐらいからデ・ニーロのパートを撮り始めた。順調に12テイクぐらい撮って、もういいだろうと思った後の13テイク目。デ・ニーロは殴られている時に口に血を含んでいるんだけど、それを犯人役のカレル・ローデンに吐きかけたんだ。で、今度はカレルがデ・ニーロにツバを吐きかけ、デ・ニーロがまた応酬、今度はカレルが首をつかみ……という具合に展開した。一連の応酬は、事前に何の打ち合わせもしてなかったから、僕自身も驚いた。結局、このテイクに合わせて、犯人2人のパートをまた取り直すことになった。おかげで2日ぐらいオーバーしたけど、それには代えられない凄いシーンになった」

問題のシーンでは、スタントなしですべてデ・ニーロ本人が演技することを希望したという。そのために、舞台となる部屋の床は全面にゴムが引かれ、ケガを防ぐために細心の注意が払われたそうだ。もっとも、デ・ニーロが映画の中で死ぬ役を演じるのはこれが初めてではない。だが、その壮絶な死に様はしばらく記憶に残るはずだ。あなたも、是非スクリーンで確かめて欲しい。

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