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感想
今回久しぶりに再び鑑賞した。
本作劇中の春樹と桜良の台詞で印象深かった部分を揚げてみる。住野氏の原作は勿論のこと、吉田智子氏の若者らしい瑞々しくそれだけに切ない感情の起伏や生きる事への拘りを感じる脚本が素晴らしい。
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桜良に残りの人生でやりたい事を考えろという春樹。桜良は自分の希望の手伝いをして欲しいとして、休みに春樹を呼び出す。言葉に素直に応じて待ち合わせ場所に来る春樹。
「でも、君以外には言わないよ。だってクラスメイトのこんな秘密を知ったら普通動揺するし引くでしよ。なのに君は全然平気な顔で居るじゃない。」
「それは、一番辛い筈の当人が辛い顔を見せないのに、他の誰かが代わりに泣いたりするのってお門違いだから。」
春樹を見つめる桜良。
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連れてこられたスイパラで春樹の人柄と人間関係を
確認するため質問をする桜良。
「僕に親友なんかいる訳ないでしよ。」
「友達は?」
「ずっといないよ。」
「じゃあ、彼女は?」
「いる訳...!」
「好きな人くらいいたでしょう!」
黙り込む春樹。
「(大声で)女の子を好きになった事は〜?」
「あるよ! 一回だけ!」
「どんな人?」
「何にでも''さん"をつける人。」
「本屋さん。店員さん。食べ物までにじゃがいも
さんとか付けてさ。」
「いや〜なんか、僕にはそれがいろんな物に敬意
を忘れないって言う事だと思ったんだよね。」
春樹を見つめる桜良 春樹も桜良を見つめる。
「思ったより素敵だったから。」
「まぁ、素敵な娘だったかもしれない。」
「違うよ。 好きになった理由が。」
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学校の屋上て余命の話をする春樹と桜良。
「君はさ。本当に死ぬの?」
「死ぬよ。あと1年、持つかどうかって言われ
てる。」
「君にしか話さないって決めたんだ。」
「君はきっと唯一人、私に普通の毎日を与えてくれる人だから。」
「お医者さんも真実しか与えてくれない。お父さんもお母さんも日常を取り繕うのに必死になっている。恭子も(死の)事実を知ったら同じになると思う。でも、君だけは違う。」
「僕は唯、(死と)向き合おうとしてないだけだよ。」
顔を俯ける春樹。
「そんな難しい顔をするんじゃない!どうせいつか
は皆死ぬんだし。」
「ほら。天国で逢おうよ!」
空を見上げる桜良。
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桜良の病室で桜良に学校の課題を教える春樹
「詩の本質は感情を形にする事。祈りであり願い。だから、ひとつの言葉が想いのままに吐き出されていくようになる。」
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桜良の家の前で雨が降る午後、元彼の隆弘に春樹は罵倒され殴られる。桜良が助けに入る。山内家の玄関にて。
「僕なんかがそばにいて良いのか?」
「委員長が言った通りだよ。僕は。偶然病院で君と逢って。流されてるだけで。もっと誰か、本気で君を想ってくれる人と居たほうが...。」
「違う!」
「違うよ。偶然じゃない。流されてもいない。私たちは皆、自分で選んでここに来たの。」
「君と私が同じクラスだったのも。あの日病院にい
たのも偶然じゃない。」
「運命なんかでもない。君がしてきた選択と、私が
してきた選択が、私たちを逢わせたの。」
「私たちは自分の意志で出逢ったんだよ。」
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桜良の様子を心配して深夜に病室に訪れる春樹。
春樹に尋ねたい事があると言う。
「真実か挑戦か?」
「真実。」
「君にとって、僕は、...いや、君にとって。生きる
ってどういう事?」
「えっ。...うわぁ〜。真面目かよー。(笑)」
「う〜ん。誰かと心を通わせる事。かな。」
「誰かを認める。好きになる。嫌いになる。誰かと一緒にいて。手を繋ぐ。ハグをする。すれ違う。それが生きるー。」
「自分ひとりじゃ、生きているってわからない。そう。好きなのに嫌い。楽しいのに鬱陶しい。そういうまどろっこしさが。人との関わりが。私が生きているって、証明だと思う。...だからこうして君と居られて良かった。」
「君がくれる日常が、私にとっての宝物なんだ。」
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桜良との突然の別れが訪れた事を生徒の栗山に話
す春樹
「甘えていたんだ。残り残り僅かな余命を、彼女が
全う出来るものだと。思い込んでいたんだ。」
「馬鹿だった。明日どうなるかなんて。誰にも判らない。だから、今この一日を、この瞬間を。大切にしなければいけないって。そう彼女に教わったのに。」
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演出・配役
作品としてよく纏められている。監督の力量に依るところが大きいと感じる。また、北村匠海さん浜辺美波さんの演技は人物像をよく捉えており、物語として充分に感動し楽しむことが出来た。
2017年8月11日初鑑賞
⭐️4.5