共犯者たち

劇場公開日:

共犯者たち

解説

イ・ミョンバク(李明博)とパク・クネ(朴槿恵)政権の約9年間にわたる言論弾圧の実態を告発した韓国製ドキュメンタリー。2008年、米国産牛肉BSE問題などの報道によって国民の支持を失いかけたイ・ミョンバク政権は、公共放送局KBSや公営放送局MBCをターゲットに、メディアへの露骨な介入を開始。政権に批判的な経営陣は排除され、調査報道チームは解散、記者たちは非制作部門へと追いやられた。両局の労働組合はストライキで対抗したものの、政権が送り込んだ新たな経営陣は解雇や懲戒処分を繰り返し、検察も容赦なくストを弾圧。両局は政府発表を報じるだけの「広報機関」となったが、それでもあきらめない本物のジャーナリストたちがいた。自身も12年にMBCを不当解雇されたチェ・スンホ監督と非営利独立メディア「ニュース打破」取材班は、韓国のジャーナリズムを骨抜きにした「主犯」と、権力に迎合した放送業界内の「共犯者たち」にカメラを向け、その実態と構造を明らかにしていく。

2017年製作/105分/韓国
原題または英題:Criminal Conspiracy
配給:東風
劇場公開日:2018年12月1日

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映画レビュー

4.0日本は?

2021年8月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

本作を鑑賞して日本の事を考えました。2021年度の世界報道ランキングで、韓国は42位でアジアのトップ、日本は67位。経済的、社会的な差が、こういう部分に現れたのではないかと。経済的、社会的に貧しい国には言論の自由やジャーナリズムが無いイメージがあります。

マスコミと権力が食事をしていた我が国のジャーナリズムは、菅政権が終わった後にどうなるのでしょうか。

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ミカ

5.0ようやく鑑賞出来た秀作

2020年8月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

お隣りの韓国に報道の在り方を教えてもらえる優れたドキュメンタリー作品。記者は物怖じせずに、例え相手が大統領であろうが、何であろうが、糾すべきことは徹底的に糾し、国民に広く真実を伝える姿勢は絶対的に持ち続けなければならない。日本の報道を省みるに付け、眩暈を覚える。この国とこの国の報道は果たして自浄能力があるのだろうか?余りにも姑息であり、幼稚である現実を見るに、韓国の報道人たちに直接指導してもらった方が良いのではないかと思う。今の日本と日本人は世界中の何処に出しても恥ずかしいと確信しているのは私だけではないだろう…

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shanti

2.5かくも“Democracy”のややこしさよ…

2019年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

かなりのエネルギーを観客に要求するドキュメンタリーであり、観客それぞれが『自分がそれを受容れられるかどうか』を試される客観性がキモなのであろう内容である。以前観た『主戦場』でもそうだが、あくまでイデオロギーというベースで観てしまうとあっという間に制作側に足下をすくわれる。ドキュメンタリーはどこまで自分を中立にキープできるか、そして冷静に物理的に問題の捨拾が出来るかに掛かっているのであろう。それは右でも左でもなく、仰々しく問題を大ごとにすることではなく、且つ矮小にしようとする勢力にも睨みを利かせつつ、感情を何処まで凍らせることができるかが問われる。そう、一番の敵は、感情に訴える行為なのだ。それぞれが自己を守るため、自身の生きている意味を肯定するために、いつもいつも人は闘う。自己認識ができる動物だからこその弊害かも知れないが、しかし考える事を止めることは今更できない。ならば、人は如何に理論的にそして冷静に、感情を中和しながらお互いの妥協点を探り、その妥協点に於いて双方が納得できないレベルであってもそこに“諦観”を勇気を持って受容れる鋼の判断をすべきである。そんなことは百も承知と笑われると自覚しているが、感情の揺さぶりは常にそれを企むドッチの勢力にも虎視眈々と狙っていることを努々忘れずに過ごしたいものである。
まぁ、自分は比較的“アナーキズム”なので、人間は信用してしないけどね(苦笑

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いぱねま

4.0『新聞記者』の予習になるかも!

2019年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

 お隣の国ですけど、大統領が変わるだけで、民主主義じゃなくなったり、政局は揺れるのですね。『タクシー運転手 約束は海を越えて』、『1987、ある闘いの真実』を見て激動する韓国史を勉強したのですが、今度は今世紀に入ってからの問題。政権側が、体制批判をするメディアの番組PDや局長、ある時は社長まで解雇したり左遷してしまう韓国。報道の自由なんてあったもんじゃない。日本でいえばNHKにあたる放送局ではあるものの、政府の都合のいいように番組を作らされる世の中なのだ。

 このドキュメンタリー作品の中で大きく取り上げられていたのは労働組合によるストライキ。不当な解雇が続くからストで対抗してるのに、政権側から送り込まれた経営陣によって、さらに解雇や懲戒処分を繰り返す。最終テロップでは300人が憂き目に遭わされていたと書かれていたが、制作スタッフがほぼ一掃されたくらいの人数なのだろうか。

 監督でもあるチェ・スンホ自身もMBSを不当解雇され、同じく解雇された仲間たちとオルタナティブ・メディア“ニュース打破”を立ち上げ、調査を続行する。ストライキの生々しさ、権力側の横暴さを映像化し、リアルに訴えてくる。そして解雇されなかった者たちは権力に迎合して放送業界内の「共犯者」となっていくのである。

 今の日本の現状。官邸番の記者たちなんてのはスガの言葉をそのまま記事にし、質問なんかは受け付けない。疑問を持って批判しようものなら、広告主に訴え、潰しにかかるという状況。もう忖度記者しかいなくなり、報道の自由がなくなるのは数年前の韓国と同じになってるのではないかと思う。

 映画が作られたのは2017年。この年の“国境なき記者団”が発表している指標によると、韓国の報道自由度は世界63位、日本はこの酷い状況の韓国より下の72位だ。内戦が起こっている国にかろうじて勝ってる状況。この日本では、御用新聞化、御用ニュース番組化、そのうち「大本営発表によりますと・・・」などとニュースキャスターが語り始める時代が来るのかもしれない。

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kossy