コラム:OSOREZONE ANNEX by 映画.comホラー映画部 - 第2回
2019年7月10日更新
チャッキーにアナベル、パペット・マスターも!2019年は人形ホラーが大豊作
2019年はホラー映画がアツい! 毎月のようにホラー映画が劇場公開されるなんて、ホラーファンにとっては1年中クリスマスみたいなもの。そんなホラーイヤーの今年、特に激アツなのが「人形ホラー」! 今回は、スクリーンを荒らしまくる恐怖ドールたちを集めてみました!
「チャイルド・プレイ」ホラー映画界でもトップクラスのアイコン的存在、殺人人形“チャッキー”が、家庭用AIロボットとして生まれ変わりました! 7月19日に公開されるリブート版「チャイルド・プレイ」では、子どもたちの親友になるべく製造された「バディ人形」の1体が大暴走。チャッキーを名乗る欠陥品は、親友を喜ばせたい一心で、あの手この手を尽くし「障害」を片付けていきます。なんて友達思いなんだ! 顔も愛情も歪みまくりの21世紀モデルだけど、その一途さには、かなりほだされちゃいます。
インターネットとモノをつなぐ「IoT」時代のハイテクチャッキーもいいけど、凶悪犯の魂で動くレトロチャッキーへの思いもやっぱり捨てらない。そんなアナログ派の皆さんは、1988年のオリジナル版をHDリマスターした「チャイルド・プレイ《最終版》」Blu-ray(7月10日発売)なんていかがでしょう。
いつ見てもオン/オフの切り替えが見事ですね。ぜひこの機会に、ドールホラーブームの原点を高画質でおさらいしてみては。
「生き人形マリア」お次はフィリピンの「生き人形マリア」。事故で娘を亡くした3組の家族のもとに届けられた、死んだ娘にどこか似た等身大の人形。母親たちが薄気味悪い人形に心を許し始めた頃、身の回りで奇怪な出来事が頻発する。
この映画、何が怖いって呪いの人形はマリアだけじゃないってこと。あと2体もいるんです。異様にまつげが長い、のぺーっとしたお面のような顔。なのに、少女らしいはつらつとした動き。このミスマッチが胃をざわつかせてくるんです。そして、時々見せる意地の悪い表情にも背筋がゾワッ。
「なぜ3体なのか?」「なぜ彼女たちは人を殺すのか?」後半はミステリー要素も楽しめます。新宿シネマカリテの恒例イベント「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション2019で上映です!
「パペット・マスター」「殺人人形のトリオなんてまだまだ序の口」と思ったホラー通の皆さん、カルト的な人気を誇って30年「パペット・マスター」シリーズの新作が日本でついに見られますよ。しかも劇場で。10月に開催される「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」での上映が決定しました!
先日お披露目された日本版ビジュアルでは、ベストナインよろしく9体の殺人パペットがずらり。個性に定評のある殺人パペットたちですから、30年選手のブレードやピンヘッド、トネラーはもちろんのこと、ルーキーたちがどんなファインプレーを見せてくれるのか、いまから期待でいっぱいですね。
「アナベル 死霊博物館」忘れちゃいけないのが、実在する呪われた人形アナベルを題材にしたシリーズ第3弾「アナベル 死霊博物館」。本家「死霊館」シリーズでおなじみのウォーレン夫妻の家へ留守番にやってきた少女が、言いつけを破っていわく付きの品々に触ってしまい……。
予告編の「お布団にアナベル」のシーンに、「『呪怨』へのオマージュ?」と一気にテンションが上がった方も多いのでは? ところが、アナベルに寝込みを襲われたという実話があるみたいなんです! オマージュにしても実話にしても、映画を見た夜はうなされること間違いなし。9月20日の劇場公開に備えて、日頃から十分に睡眠をとっておきましょう。
「ゴーストランドの惨劇」最後は、呪い人形が出てこない変化球の人形ホラーをご紹介。人形ホラーのほとんどが「人間を模して作られた人形が、もしも本物の人間のようにふるまったら……」という「ありえない」恐怖でビビらせてきますが、「ゴーストランドの惨劇」は「もしも本物の人間が、あたかも人形のように扱われたら……」という「ありえちゃう」恐怖を突きつけてきます。
それもそのはず、監督はあのトラウマ映画の最高峰「マーターズ」のパスカル・ロジェ。アンティークの人形を踏み台にして、またも不快指数・最高レベルの絶望ナイトメア体験へと観客をいざないます。劇場公開は8月9日。
「ザ・ボーイ 人形少年の館」今度こそ本当に最後。エンドクレジットのおまけ映像風にもう1本だけ紹介させてください。今年公開の人形ホラーを見ているうちに、ホラーファンの皆さんの記憶の片隅にいる「カレ」が呼び起こされていませんか? そう。「ザ・ボーイ 人形少年の館」のブラームスくんです。
新しくやってきた「子守り」が約束を守らないとちょっかいを出しまくる、筋金入りのかまってくん。利発そうなルックスのお人形ですが、主人公を追い込んでいく手口はかなり陰湿。「衝撃の結末」の一言に尽きる本作は、今年スタートしたばかりのホラー映画見放題サービス「OSOREZONE」で好評配信中 です!