コラム:FROM HOLLYWOOD CAFE - 第223回
2013年4月30日更新
第223回:夢の取材に初潜入!サマー・オブ・ソニー in カンクンをレポート
サマー・オブ・ソニーというイベントに参加してきた。「ソニーの夏」というと、家電のキャンペーンのようだけど、これはれっきとした映画取材だ。ソニー・ピクチャーズがメキシコのリゾート地カンクンにあるリッツカールトン・ホテルを貸し切って、セレブとジャーナリストを世界から呼び集める。そして、今年公開予定の作品の取材を約1週間にわたって展開するのだ。米テレビ局のABCなども、ジャーナリストを数日間監禁状態にして全ラインアップの取材をさせるイベントを展開しているので、取材形態としては珍しくない。でも、ABCのイベントが米バーバンクのスタジオで行われるのに対し、ソニーはカンクンを舞台にしているのでスケールがまるで違う。今年で5回目を数える噂のイベントに、今回はじめて参加させてもらうことになった。
サマー・オブ・ソニーで取材することになったのは、ウィル・スミスの親子が出演している「アフター・アース」からクロエ・モレッツ主演でリメイクされた「キャリー」、「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督の新作「エリジウム」、ローランド・エメリッヒ監督のアクション大作「ホワイトハウス・ダウン」、アダム・サンドラーのコメディ映画「アダルトボーイズ青春白書2(仮題)」から、「くもりときどきミートボール2」や「スマーフ2 アイドル救出大作戦!」といったアニメ映画、ドキュメンタリー映画「ワン・ダイレクション THIS IS US」とさまざま。来年のアカデミー賞狙いのトム・ハンクス主演映画「キャプテン・フィリップス(原題)」(ポール・グリーングラス監督)や、ジョージ・クルーニー監督・主演作の「モニュメンツ・メン(原題)」、デビッド・O・ラッセル監督の「アメリカン・ハッスル(原題)」まであった。
これだけの映画作品取材が行われるということは、映画に関わった俳優やクリエイターもカンクンに集結することになる。あいにく、ニューヨークで舞台に出演しているトム・ハンクスや、ドイツで撮影中のジョージ・クルーニー、ワン・ダイレクション、デビッド・O・ラッセル監督はスカイプのみでの会見だったけれど、ウィル・スミス親子やアダム・サンドラー、デンゼル・ワシントンら、スターが大挙してやってきた。みんな同じホテルに滞在することになるので、1日の取材が終わるとそれぞれの交流が行われることになる。サマー・オブ・ソニーの期間中は毎晩趣向を凝らしたパーティーが催されるのだが、白い服着用ルールの「ホワイトハウス・ダウン」のパーティーでは、なんと同作で大統領を演じたジェイミー・フォックスがDJを務め、「ホワイトハウス・ダウン」のチャニング・テイタムと「キャリー」のクロエ・モレッツと「エリジウム」のマット・デイモンが踊るという、なんだかとっても豪華な展開になった。
取材した作品のほとんどは劇場公開まで時間があるためまだなにも書くことができないのだけれど、かなり充実した取材ができた。
サマー・オブ・ソニーに難点があるとすれば、カンクンまで仕事をしに行ったと誰も信じてくれないことだろう。いや、毎晩パーティーがあったし、日焼けもたっぷりしたけどさ。
筆者紹介
小西未来(こにし・みらい)。1971年生まれ。ゴールデングローブ賞を運営するゴールデングローブ協会に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリスト。「ガール・クレイジー」(ジェン・バンブリィ著)、「ウォールフラワー」(スティーブン・チョボウスキー著)、「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたのか」(エド・キャットマル著)などの翻訳を担当。2015年に日本酒ドキュメンタリー「カンパイ!世界が恋する日本酒」を監督、16年7月に日本公開された。ブログ「STOLEN MOMENTS」では、最新のハリウッド映画やお気に入りの海外ドラマ、取材の裏話などを紹介。
Twitter:@miraikonishi