歌え!ロレッタ 愛のために

劇場公開日:

解説

現代アメリカのポップス界で、シンガー・ソングライターとして人気のあるロレッタ・リンの生いたちから、結婚、出産を経て歌手として成功するまでの波乱の半生を描く。製作総指揮はボブ・ラーソン、製作はバーナード・シュワルツ、監督は「アガサ 愛の失踪事件」のマイケル・アプテッド、ロレッタ・リンとジョージ・ベクシーによるリンの自伝を基にトム・リックマンが脚色。撮影はラルフ・ボード、音楽はオーエン・ブラッドレー、編集はアーサー・シュミット、製作デザインはジョン・W・コルソが各々担当。出演はシシー・スペイセク、トミー・リー・ジョーンズ、ビバリー・ダンジェロ、レボン・ヘルム、フィリス・ボーエンズなど。

1980年製作/アメリカ
原題または英題:Coal Miner's Daughter
配給:ユニヴァーサル=CIC
劇場公開日:1981年6月6日

ストーリー

ケンタッキー、テネシー州にまたがるアパラチア山脈沿いの山間地の貧しい炭抗町、ブッチャー・ホラー。炭抗夫テッド(レボン・ヘルム)を父にもつロレッタ(シシー・スペイセク)は母クララ(フィリス・ボーエンズ)も含めて10人という大家族の中で成長し、今年13歳になっていた。厳しい生活を送りながら不満ひとつ感じていない彼女は、父親の愛情を一身に受けていた。が、ある日、ひとつの変化が生じた。炭抗夫の息子で軍隊にとられていたドゥーリトル・リン(トミー・リー・ジョーンズ)が町に戻って来たのだ。ロレッタの憧れの視線を感じたドゥーは、毎日のように彼女を誘い出し、2人の仲は急速に発展する。そしてささやかな結婚式を挙げる2人。しかし13歳の妻は性には無知で、新婚早々トラブルが生じる。しかも炭抗夫の生活を嫌ったドゥーはひとり新しい生活を切り開くために旅立ってしまった。その時、ロレッタはすでに妊娠していた。やがてドゥーがロレッタに旅費を送ってよこし、ロレッタもこの炭抗町を去っていった。6年の歳月が流れて、ワシントン州に落ちついた彼女は、次々に4人の子供を生んだ。ドゥーの仕事もまずまずで、平凡だが幸せな生活を送るロレッタに、ドゥーがギターをプレゼントした。以前から彼女の歌を聞くのが好きだったのだ。そして町の酒場にロレッタを連れてゆき、デビューさせるドゥー。それが大成功し、ドウーは彼女の歌をレコードに吹き込みそれをラジオ局へ送った。そんな彼女の元に父の死という悲しい知らせがとどく。葬式を済ませ再び売り込みに努める2人。やがてアイム・ア・ホンキー・トンク・ガールをヒットさせ、C&Wの女王、パッツィ・クライン(ビバリー・ダンジェロ)にめぐりあったロレッタは、彼女から多くのことを学ぶが、派手になってゆく彼女に、ドゥーは批判的だった。烈しい喧嘩の後、しかし、ドゥーはロレッタに結婚以来彼女の夢だった指輪を贈った。パッツィが飛行機事故で29歳の若さで死んだ。悲しみにくれるロレッタは、その時生まれた双児の女の子にパッツィとペギィと命名した。今やC&Wの女王となった彼女は、家族と離れて忙しい日日を送っていたが、町から町への巡業生活は彼女を錯乱状態においやり、結局彼女は、ドゥーと家族が待つ新しい家に帰ってゆく。牧場の静かな生活で、ロレッタはやっと心の平和を取り戻すのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第53回 アカデミー賞(1981年)

受賞

主演女優賞 シシー・スペイセク

ノミネート

作品賞  
脚色賞 トム・リックマン
撮影賞 ラルフ・ボード
編集賞 アーサー・シュミット
美術賞  
音響賞  

第38回 ゴールデングローブ賞(1981年)

受賞

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) シシー・スペイセク

ノミネート

最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) トミー・リー・ジョーンズ
最優秀助演女優賞 ビバリー・ダンジェロ
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映画レビュー

3.0自分の人生は

2023年5月1日
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鑑賞方法:VOD

幸せ

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sankou

2.5暫くぷりで、有色人種の出ない映画を見た。

2023年4月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

5.0ドゥー(Doo))の先見の明で成功したと思う。

2022年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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Socialjustice

4.0ロレッタ・リンは日本では知名度が高くないからこういう邦題にしたのだろうが、やはり原題の『炭鉱夫の娘』がぴったり来る。シシー・スペイセク流石の好演・好唱。

2022年5月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

①パッティ・クラインはカントリーミュージックをポップミュージックの領域まで拡げた歌手として記憶されている(伝記映画のジェシカ・ラング主演の『スィート・ドリームズ』も良作)。ドリー・パートンもカントリーミュージックのソングライターとして出発したがポップミュージックでも全米制覇した(近々「ロックの殿堂」入り)。この二人に比べロレッタ・リンはいわゆる(ド)カントリー一筋でやって来たから上記二人程は日本で知名度は高くないのだろう。②しかし、ロレッタ・リン(テネシー州のど田舎生まれ)もドリー・パートン(テネシー州のど田舎生まれ)も共に極貧の育ちというのが偶然ながらもアメリカ人の琴線に触れるのだろう。(前者は『Coal Miner's Daughter』で、後者は『Coat of Many Colors』で極貧だった子供時代の事を歌っていてどちらも泣かせます。)③シシー・スペイセクも(ロレッタ本人からの強い推薦があったらしい)ビバリーダンジェロも、大分練習したんだろうけれども、本人顔負けの歌唱を聴かせて、やはり向こうの役者さんは一流ともなれば何でも出来るんだなぁ、と感心感激。④愛の唄を歌わせればそのエモーショナルな歌唱は他の追随を許さないけれども本人はいたって姉御肌・鉄火肌のパッティ・クラインをダンジェロが好演(『スィートドリームズ』でもジェシカ・ラングが好演)。⑤(ど)カントリーよりもポップスよりのカントリーやカントリー・ロックが好きなので、殆ど知らない曲ばかりだったが、私の一番好きなLinda Ronstadtがアルバムで取り上げたカントリーの名曲「I Fall to Pieces 」や「Crazy」が聴けて嬉しい限り。⑥ロレッタが神経衰弱の為舞台で歌えなくなった顛末は、ロバート・アルトマンの傑作『ナッシュビル』(1976)でロレッタをモデルにしたロニー・ブレークリー扮するスター歌手のエピソードに取り上げられている。⑦ロレッタとドューとの夫婦は色々と波風は立てたがドューが亡くなるまで添い遂げた(パッティ・クラインは離婚している)。神経衰弱を患った他はそれ程波乱万丈な人生を送った訳ではない。その代わりシシー・スペイセクはロレッタが憑依したような好演と存在感とで全編を支配している。『キャリー』(1976)では、実年齢27歳にして未だに初潮を迎えていない女子高生を違和感なく演じただけでなく、最初は地味でブスな女の子からクライマックスでは輝くように美しい女の子になった(その後頭から豚の血を浴びせかけられ恐ろしい惨劇を引き起こし悲劇的に死んでしまう)が、本作では実年齢31歳にして15歳の処女の田舎娘をこれまた違和感なく演じた上、ラストではカントリー・ミュージックの女王らしい美しさに輝く姿をたっぷり魅せてくれる。

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もーさん