アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作の監督、カナダから来日!
2012年4月19日 13:23

[映画.com ニュース] 第84回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた、カナダ映画「ぼくたちのムッシュ・ラザール」のフィリップ・ファラルドー監督が来日し4月18日、カナダ大使館で行われた試写会で観客の質問に答えた。
アルジェリア移民の新任教師バシール・ラザールがやってきたケベックの小学校を舞台に、自殺、政治亡命、学校教育のありかたなど、現代社会における普遍的な問題を絡めながら生と死を見つめ、生徒と教師の心の再生を描く。カナダのアカデミー賞といわれるジニー賞では、作品賞をはじめ主要6部門を席巻した。
試写後の観客から大きな拍手で迎えられたファラルドー監督は、「小さな作品なので、カナダで上映される程度だろうと思っていました。アカデミー賞ノミネートや日本での劇場公開とこのような旅路をおくるとは思っていませんでした」と挨拶。今回が初来日となり「小さい頃は、日本のアニメにぞっこんでした」と笑顔で話した。
主人公の教師ムッシュ・ラザールが、アルジェリアからの移民という設定について質問が寄せられると、カナダの中でフランス語圏であるケベックには、仏語を第2外国語とする北アフリカやレバノンからの移民が多いと説明する。
生き生きとした子役たちの演技については、「私はオーディションに非常に時間をかけます。一人ひとりの子どもに出会っていくやり方をとるのです。そして、子ども向けの演出コーチを付け、リハーサルにも時間をかけました」とキャスティングのこだわりを明かした。
社会的に重い問題を扱っているが、「この映画はなるべく光の方へ持っていこうとしました。自殺や、家族をなくした難民というテーマは、下手をすると海の底のように深く暗い方向に行きかねません。私は子どもたちを前にして、光に満ちた作品にしたかったのです」と作品への思いを語った。
「ぼくたちのムッシュ・ラザール」はシネスイッチ銀座ほかで今夏公開。
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