NY金融マンのあこがれ マイケル・ダグラス再び強欲投資家ゲッコーに
2010年12月30日 14:01

[映画.com ニュース] 俳優マイケル・ダグラスが、アカデミー賞主演男優賞を受賞した「ウォール街」に主演してから23年。ごう慢なカリスマ投資家ゴードン・ゲッコーに再び扮した続編「ウォール・ストリート」が、2011年2月4日から公開される。
前作で不正取引により逮捕されたゲッコー(ダグラス)が、出所してニューヨークの金融街に舞い戻ってくる。疎遠になっていた娘ウィニー(キャリー・マリガン)には、有能なトレーダーの婚約者ジェイコブ(シャイア・ラブーフ)がいた。ゲッコーは娘との関係を修復するため、ジェイコブと手を組み、新たなマネーゲームを繰り広げる。
「こうしてゲッコーの姿に戻ると、23年前を振り返らずにはいられません。『ウォール街』は、私のキャリアにとって転機となる非常に大切な映画でした。前作からこれまでの世界経済に起こった出来事を考えると、今再びウォール街を描くことはとても興味深いことだと思います」
ゲッコーにあこがれて金融業界に進んだという若者に会うたびに、ダグラスはショックを受けたという。彼らの目には、欲の権化=ゲッコーは実にパワフルで魅力的な人物として映っていたのだ。
「ゲッコーがあの時代のビジネスと文化の象徴として、人々にそこまで影響を与えるとは予想していませんでした。確かに“欲は善である”“ランチをとるのは無能なヤツだ”といった印象的なフレーズがありましたが、こういったセリフが私について回るようになるとはね(笑)。皆、ゲッコーの言葉や服装に迷わされたんだと思います。その点では、衣装デザイナーのエレン・マイロニックは高く評価されるべきです。彼女は、ゲッコーにストライプのシャツやサスペンダーを着用させ、そのスタイルはトレンドとなりました。彼女は新作のスタイリングも手がけています」

同じ監督と2度組むことはほとんどないと語るダグラスだが、前作に続きメガホンをとったオリバー・ストーン監督については特別のようだ。完ぺき主義のストーン監督の仕事ぶりを深く理解しているからこそ、昔よりもずっとうまく悪態に対処できたと笑う。
「オリバーは俳優に敬意を払ってくれますが、一緒に働くには覚悟が必要です。ベトナム戦争に従軍した経験が関与していると思いますが、つまりざんごうに入って自分と同じぐらい真剣に戦ってほしいと考えているのです。同時に、ざんごうにいる全員を信じたいと願っています。前作のときはオリバーに怖気づくこともあったかもしれませんが、今回は彼の声を大きく響かせる反響板が必要だろうと思いました。彼とこれまで組んだことがある俳優は(共演の)ジョシュ(・ブローリン)と私だけですから、彼に同じ強度で応えられるのも私たちだけなのです」
新作では、ゲッコーと対じする若き野心家ジェイコブが物語の重要なカギを握っている。ダグラスは、ジェイコブ役を演じたラブーフを絶賛する。
「シャイアはリサーチにものすごい時間と労力を費やしていました。彼ほど徹底した役づくりをする人はいないでしょう。まったく並外れた若者です。彼はこの作品を背負う立場にあり、ほとんどすべてのシーンに登場して素晴らしい仕事をしました。実際に自分でいくつかのファンドを始め、かなり順調に進めていますよ」

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