松山ケンイチ、映画「うさぎドロップ」で“イクメン”役に初挑戦
2010年8月5日 06:02
[映画.com ニュース] 松山ケンイチが、SABU監督の最新作「うさぎドロップ」に主演することが分かった。累計発行部数60万部を突破した宇仁田ゆみの人気漫画の映画化企画で、松山は亡き祖父の隠し子である6歳の少女を懸命に育てようとする“イクメン”役に初挑戦する。
同作で、松山は慣れないながらも懸命に育児に奔走する。そんな不器用ながらも必死な姿が、頼るべき存在を失った少女リンの心をいやしていく。リンに扮するのは、中島哲也監督作「告白」や日本テレビ系ドラマ「mother」で話題を呼んだ天才子役・芦田愛菜。手をつないで幼稚園へ向かう姿や仲良くひとつの布団で寝る姿は、本物の親子に見えてしまうほどだ。
7月21日にクランクインし、神奈川・川崎の住宅街などで撮影が行われている。現場では、常に芦田の笑い声が響き渡る穏やかな雰囲気。製作サイドの「そのままのリアクションがほしい」という意向で台本は用意されず、本番直前にスタッフから聞かされた状況とセリフを感じたまま表現。それでも、報道陣に公開された日は雷が鳴り出す荒天で、芦田が「おへそ取られる」と怖がりうつ伏せの状態で演技ができなくなってしまった。
松山は、「男の子だと『エッチな本あるぞ』と言うと、一気にわあっと走ってきたりするんですけれど、女の子はどういう風に接したらいいのか迷いましたね」と明かす。芦田との距離を縮めたのは意外な話題だったといい、「僕が雷さまと友だちだっていう話をしたら、すごく興味を持ってくれて……。『雷さまって洋服は何を着ているの?』『雷さまって何を食べるの?』って、僕の話は全く聞かないのにね」と苦笑いを浮かべた。
子どもを育てるという役どころは、幅広いジャンルの作品に出演し続けてきた松山にとっても新境地。オファーを受けた際の心境を「台本を読んで、人を育てることは自分もひとつ成長していくことなんだとすごく感じた。それをお芝居で追体験してみたいと思った」と振り返る。だからこそ、芦田との共演は大きな刺激を受けたようで「親になったときの勉強っていうより、自分が愛菜ちゃんの勢いというか価値観や考えているものを勉強させてもらっているという感じです」と真しに語る眼差(まなざ)しの先には、笑顔の芦田の姿があった。
また、リンと同じ幼稚園に息子を通わせるシングルマザーのモデルを演じるのは香里奈。ほか、池脇千鶴、木村了、キタキマユ、風吹ジュン、中村梅雀らが脇を固める。
「うさぎドロップ」は、2011年夏に全国で公開。