別れる決心のレビュー・感想・評価
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愛にひたむきな女、事実にひたむきな男
登場人物の自宅と職場、そしてその間の移動が主な舞台。生活感がなく、無機的で硬質な雰囲気が漂う時間だった。
登場人物達の交流において、一つの感情を表現するのにどの言葉を使ってどの言葉を使わないか、という台詞の言葉選びが大事なポイントのように感じたが、自分は韓国語に明るくないので確信を持つまでには至らなかった。
そういう意味では時間を使って深掘りすればますます楽しめそうな作品である。
えー😱気持ちは分かるけど…
魔性の女がフェロモンを撒き散らし、男を食い物にしていく
その一人が刑事(公務員)で、本当に二人が好きになってしまうのだが…
題目にひかれたが、内容は…😢
後ろの人なんか鼾かいて寝てた…
本当の愛は実らないものなのか…
禁断の恋の結末
殺人事件の容疑者と担当刑事という関係でありながら、急速に惹かれ合う二人の男女の関係を、静かでプラトニックに描いた恋愛ミステリー。
二人の気持ちを台詞で表現せず、細かな仕草や目線から想いが伝わりますが、良い意味でロマンチックではなく、冷たい空気感。最後まで明かされない謎もありました。
監督の作家性溢れる作品ですが、ちょっと私には難易度が高く、読み取れない心情も多かったように感じます。もっとミステリー要素が強いものを期待してしまってたので、イマイチ乗り切れませんでした。
どこまでが現実なのか?そしてどこまでが愛なのか?
バイオレンスのイメージが強かったパク・チャヌク監督作だけど、随分作風が変わったような?
これまでの暴力的な表現はすっかり息を潜めていて、サスペンスだけど甘美で危うい。カメラワークは斬新でユニーク。
だけどもう少しテンポ良く見せてほしかったかな。せっかくコメディ要素もあるのにやや冗長気味。
ラストも私にはちょっと物足りなかったです。
で?って思っちゃいました。
パク・チャヌクはやっぱり狂ってる
オールドボーイ、お嬢さん、パク・チャヌクはやっぱり狂ってる(褒め言葉)。
この人に恋してはいけないとわかっていても恋してしまう。ラストコーション、晩秋、タン・ウェイにはやっぱり恋してしまう。
韓国語、中国語、下手な韓国語? ちょっと微妙なところが掴めなかったかもしれない。
タン・ウェイに恋をした
㊗️カンヌ国際映画祭監督賞のパク・チャヌク監督作。
殺人事件を追う刑事と容疑者の女性の対峙。タン・ウェイが演じた容疑者に心を奪われた自分も翻弄され続けることに。
そして本当に切ないエンディング😢
祈りは届かなかった。
恋が永遠に続けばいいのにといつも思う。
先鋭的演出でお届けする奇怪な昼ドラ
「なんだこれ……」
シナリオはそこまで風変わりでもないのだけど、演出がとにかく個性的、というか変。
途中までは「うわーすげえ、なんだこれー」って嬉々として見ていたんですが、途中からストーリーが少し冗長になってくる感じも相まって「なんなんだこれは……」となってくる。特撮みたいな急なズームアップとかも織り交ぜられたりして、面白いんだけど、正直受け止めきれてない。
シリアスなんだかコメディなんだか、もうよくわからん、な感じはとても最近の韓国映画的で。シナリオもサスペンスかと思いきや、デロデロの昼ドラ展開。すっごい昼ドラ。こんな愛憎劇、久々に見た。
なんか『クリストファー・ノーランが昼ドラを撮ったら』みたいな感じ?
先鋭的な演出と古典的な昼ドラの融合。
テーマソングもしっかり歌謡曲というか演歌やし。
頭バグる。
伏線だらけのロマンスミステリー
予告編の時から重厚なミステリー感で非常に気になっており、ようやく鑑賞。
いやー、面白かった!ミステリーだけではなく、ロマンス要素も大人っぽく、さらに主人公の素朴な面がコメディ要素となり、一つの映画で非常に楽しめた。
寝不足でいったので、寝るのを覚悟していったのだが、緊張と、緩みと、ドキドキで、飽きさせない工夫が随所に組み込まれていて、ずっと観ていられた。
そしてなにより、伏線?の数々。
靴紐、スマホ、スマートウォッチ、写真、リップクリームなどなど、前半で出てきたものがほぼほぼ出てくるんじゃないかというくらい。笑えるくらい伏線が出てきて、お腹いっぱいである。
パラサイトでもそうだったが、韓国映画は映画のカテゴリというものを壊してくるから面白い。
2023年劇場鑑賞44本目
インソムニア
自分が今も睡眠障害っぽいし、Cパップも使ったことあるためか、ある程度は共感できた。そんな睡眠不足の刑事ヘジュン。夫婦の職場が離れているため週末婚状態。セックスレスだと離婚の危機だと奥さんに聞かされて、とても情熱的とは思えない週末義理セックスを繰り返していた。ザクロやスッポンなんてのもいい伏線。ただ、指に食いつかれて痛そうだった・・・
刑事と被疑者による純愛と言ってしまえば簡単だけど、被疑者ソン・ソレが韓国語が苦手な中国人である点や、意外とデジタル人間であるという設定が面白いのです。絶壁の山頂から転落死した夫は、中国でソレが犯罪を犯していることを知っていて妻を縛り付けていた。彼自身も入国管理局に勤めて収賄なんかの疑惑がいっぱい。しかし、捜査の末、自殺として解決してしまうのだった。
そして13カ月後、妻の住むイポ市へ転勤となったヘジュン。そこの市場において偶然にも再婚したソレ夫婦と出くわしてしまう。新夫は詐欺まがいの投資コンサルタントで儲けていたが、損失が大きくなって逃げ回っていたという。そして第二の殺人事件が起きるのだ。
スマホを交換するといったアリバイ工作がミステリーとして秀逸ではあるものの、どこまでが真実かは闇の中。ヘジュンとしては真犯人だと確信を持ちつつも、ソレへの恋心からか「スマホを海に沈めろ」と忠告したりするのだった。
複雑な刑事の心理(最年少で警視になったとかでなんだか優秀な人みたい)で転任した海辺の町でも指揮を執るが、ソレを庇うやら犯人らしき人物を捜し当てるとか、もう入れ込みようは凄い。何しろソレがいてくれるおかげで不眠も解消したのだから。第二の夫殺しについては、プールの水を抜いて死んでいなかった夫にトドメを刺した感じに描かれつつも、よくわからない。この結末がわからないようにしたパク・チャヌク監督の力量を痛感した。だいたい、不眠症だとか現実と妄想を区別できなくなるストーリーは概ねこのような結末に・・・真実は「霧」の中だよ!
それにしても中国語と韓国語の意思疎通や、デジタルとアナログとの対比(最初の夫の家には大量のアナログレコードがあった)、タバコとかアイスクリームとか魚のさばきとか、なんだか考えさせられるシーンも多い。最も大きな対比は山と海だったでしょうか・・・それにしても絶壁の山が「クソ山」という名前だったので笑いたくなった。
3.5) 変態的カメラワークで見せる艶めかしい男女
複雑なミステリー構造が、終わってみれば一組の不倫劇に集約する。
複雑な犯罪プロット、最新ガジェットの多用で古典的な話を新しく見せる。そこは面白いんだけど、逆に本流である二人の心の動きに集中できなかったような。韓流『花様年華』になれそうでなれず残念。
構造は、最近の映画で言えば『イニシェリン島の精霊』の逆パターン。あちらが単純なプロットから多種多様な解釈を産み出すのに対し、本作は複雑なプロットの全てがワンテーマに寄与するという作り。私は前者のほうが好きかな。
アカデミー賞のノミネートを逃したのは、東洋人の表情から感情を読み取るのがアメリカ人には難しかったのかな。
「私はあなたのxxxxxになりたかった」
このソレの台詞を聞くと、本作が『めまい』ワナビーと分る。思うに、このエンディングから逆算して積み上げた作品か。
猫のお土産は主人の前に並べられる。
ベットシーンがない、大人の愛を描く映画は知的で品が良いから、好きです。
ただ脚本が凝り過ぎて、もう少しイージーにした方が判りやすかった。
猫が主人に、自分が捕獲した獲物(ネズミ、小鳥、ゴキブリ、おもちゃ)を並べて魅せる習性があるが、
これは捕獲を誇示しているのではなく、狩りができない人間に 見本を魅せて、狩りを教えようとしているそうだ。
容疑者に心を奪われてしまう話だと、「恋に落ちたコロンボ(TV ドラマ)」が僕の頭に浮かぶ。
3.2嫌いじゃないけど。。。
長く感じた。。。138分だったのか。
もう少し見せ方を簡単にしてくれた方が良かったかな。。。解りにくい部分がありながらの中弛みの様にも感じた中盤。。。ただセックスシーンがあるわけでは無いが深く堕ちていく様は引き込まれたなぁ。。。
五感で楽しむパク・チャヌク
ある山で山頂から男が転落する事故が起きる。
自殺か。他殺か。
容疑者として浮上したのは男の妻であるソレ。
捜査を進めるほど妖しくも美しいソレに次第に惹かれていく刑事ヘジュン。
それぞれの想いが交錯し、2人の愛は思わぬ方向へと進んでいく。
待ってました!パク・チャヌク監督最新作。
なんだかんだで映画館でパク・チャヌク映画を観るのは初めてだったので公開前からかなり期待していた作品。
覚悟はしていたけれど、やはり難解だった。想像の10倍難解だった。あらすじは分かったけれどどこか納得がいかない。
ただ、彼の映画はいつも後味が最高だ。
この難解さゆえに、そこに隠された真意を少しずつ読み解いていくとなんとも言えない味わいがある。
今回もそうだった。
観賞後すぐは「面白かったけどちょっと微妙かな」なんて思ってしまったけれどとんでもない。
おもしれ〜!
山に始まり海に終わる。
この山と海の二項対立が素晴らしい。
水が山から海へ注ぐように、2つの事件は愛を運ぶ。
この物語をただの浮気映画として片付けたくはない。
愛し合ってはいけない2人の間にあったのは純粋な愛だ。
不敵な笑みも幸せ溢れる微笑みに変わる。
魔性の女によるサスペンスロマンスかと思えば、刑事と容疑者によるスリリングなラブロマンスではないか。
韓国語と中国語という言語の壁も、2人が交わることのないはずの禁断の関係であることを印象づける。
翻訳アプリで翻訳して言葉を伝えるシーンには微妙なニュアンスの違いなども表れていそうでさらに深めがいのある演出であった。
そして、この映画の最大の特徴といってもいいのが監督の映像表現の巧みさだ。
独特なカメラワークは1番に印象に残るし、その端々に巧さが光る。
パク・チャヌク監督といえば、過激なエログロが得意なイメージがあるが、今回はそういった直接的な描写をほとんど省いている。
にも関わらず、ひたすらエロい。
ヌードやグロテスクなカットは目を惹くが、それをなくしてここまで官能的に描けるのにプロの技術力を感じる。
リップクリームにそんな力があるとは。
目、鼻、口、耳、手、足……
体のパーツがフォーカスされるカットが何回もある。
見つめ合い、匂いを嗅ぎ、食べ物を味わい、音を聴き、手を重ね、歩み寄る。
五感を研ぎ澄ませるうちに自らも映画の世界に飲み込まれていく。
まるで張り込み中のヘジュンのように。
愛は苦しくて心地良い。
甘美な香りに誘われて迷い込んだ愛のラビリンスからは永遠に抜け出せない。
パク・チャヌク、危ない沼だ。
胸に刻まれるラストの情景。
必死になって踏み固めた靴紐を結ぶ足元。
波が攫う砂の山、地平線の向こうに沈む夕日。
それぞれは何を思いこの結末を迎えたのか。
様々な解釈の出来る結びに未解決のままで良いのかもしれないと思った。
眞島秀和にしか見えないパク・ヘイルとオーラのオンオフが恐ろしいほど美しいタン・ウェイ。
この2人にしか出せない空気感、素晴らしかった。
これだけではとても語り尽くせない。
138分と確かに長めの映画ではあるが、カンヌ監督賞も大いに頷ける傑作。
再鑑賞を検討したい。
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