劇場公開日 2017年1月21日

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沈黙 サイレンスのレビュー・感想・評価

全320件中、141~160件目を表示

4.5フェアな描写が生む説得力

2017年2月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

知的

日本人でもなく、キリスト教信者でもない人が見ても耐えうる細かでフェアな描写が、文化と文化の対立と軋轢を生々しく浮き立たせる一本。また二時間半の長丁場を、全くもって疲れさせず感じさせない物語の運びと映像の美しさ、一転してドライな残酷さが、たとえ宗教に興味がなくとも生きた人間の葛藤を十分に味あわせてくれる作品と見る。
さて、誰の言い分にも理不尽さはなく、ないからこそ相容れない時、試されるのはおそらく背負ってきた文脈ではなく個人の判断だろう。ただその責任を負いきれない時、判断を授けた相手を「神」と呼んで、許しを請うのだと感じた。
原作と共に浸ればなお、普遍的探究に旅立てるとおすすめしたい。

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N.river

4.0疑問は解けないまま…

2017年2月14日
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鑑賞方法:映画館

人々を豊かにするはずの「信仰」が苦しみを生んでいく。苦しみから逃れるために信仰し、信仰したことで苦しみ、小松菜奈さんはパライソに行けたのだろうか?最大の疑問、何故そこまで自分たちの信仰に真理があると考えるのか?については解けないままでした。

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kekemaru

4.0骨太なドラマ

2017年2月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

マーティンスコセッシは職人だな。人間性に迫るドラマをブレずに描いている。俳優も素晴らしい。

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ドラゴンミズホ

4.0クリスチャン同士で分かり合ってるような映画

2017年2月13日
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鑑賞方法:映画館

原作を読んでから映画鑑賞。
ちなみに自分は母親がクリスチャンだった(洗礼も受けたが後に棄教)ため、少年時代に教会には10年近く通ったが、現在は無神論者。
そういう立場での鑑賞。

このテーマ、原作者の遠藤周作がクリスチャンで監督のスコセッシも当然クリスチャンということで、何やらクリスチャン同士で分かり合ってるようなムードがある。
例えば、原作ではロドリゴはラストで「棄教はしたが自分の信仰は揺らいでいない」と独白するが、映画ではそれを視覚的に見せる、と言った具合。他にも原作ではなかったセリフなども多々あるが、ほぼ原作を補強するような内容になっている。

なので無神論者、特にキリスト教に一度は触れて、そこに欺瞞を感じた者の疑問に応えるようなものは見せてはくれず(応える義理もないのだろうが)、むしろ「欺瞞の核」を見た思い。

ロドリゴもキチジローも遠藤もスコセッシも、真摯で善良な人間であることは疑えないし、ロドリゴの辿り着いた境地を否定する気もない。
作中人物では井上に最も共感(というより同調)したが、井上も多分同じだったと思う。

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flying frog

2.5うーん。

2017年2月12日
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鑑賞方法:映画館

宗教に対する思い入れが、わからないので全く共感できなかった。その為に命を差し出すとか、家族を犠牲にするとかわからない。
まず、大切なのは、人の命で、その人が生きる為に必要なものが、信じる者であるのに、その優劣が違う気がして、終始、うーんって感じで、しかも長い・・最後はもう、見てるのが辛かった。あと、牧師さん?の一人がカイロ・レンだったから、なんか余計に入り込めなかった。笑

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どん

4.0一回観た位じゃなんも言えん!

2017年2月12日
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救いの先に信仰があるのか

信仰の先に救いがあるのか

とにかく何やら言葉で形容しがたい何かが心を占領しました。

原作を昨年読みましたが、
テンポの良い脚色にスコセッシ節を感じました。

面白かった!

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十ロ九

4.0宗教と信仰

2017年2月12日
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鑑賞方法:映画館

キリスト教という宗教の欺瞞を洗脳的に見せながら、信仰自体は自らの心の中に見いだすものだということを上手く描いてると思う。
キリスト教は日本人の宗教観とは相容れないけど、それすら自分たちの好みに変容させる民衆を幕府は恐れ間違ってるとしたんではないかなあ。
ロドリゴやフェレイラの棄教はそこに気がついたからだと信じたい。沈黙する神に真理を見いだすのはまさに仏教で言うところの悟りではないかと。
それは決してキリスト教を否定してるわけではないと思う。
何を信じるのかという見た目の表現が違うだけで、信仰とは個人の心の中にあるものであり、それは宗教とは違うものではないかと強く思った。

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777

4.5深い、ただ深い

2017年2月12日
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信仰とは?宗教とは何モノか?
ひたすら自分に問いかけてしまう
今は原作の遠藤周作の「沈黙」を読んでいる
キリシタン弾圧、宣教師はなぜそれでも日本へ布教しに来たのか?先日天正遣欧少年使節団についてのテレビ番組を見たがイエズス会の宣教師も悪事を働いていたようだが... さすがはスコセッシ監督の作品
堪能した 音楽のない、ただ自然の音を使う
深いのです

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mildkimitake

3.0162分

2017年2月12日
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この長さは感じない。決して重くない。
原作を読んだ10代の衝撃はなかった。
歳とったということか。

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BQ

4.0信仰

2017年2月11日
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鑑賞方法:映画館

宗教について信仰心も大した知識も無いので、宣教師側から見た日本は思想の弾圧だし日本側から見た宣教師は危険で傲慢な思想の侵略だしで何が正しいのかはよく判らないや。

でもこれだけ長くて重い内容なのに気持ちが切れずに引き込まれ続けるのは1本の映画として凄いなと。

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美味しくって体に良いハンドソープ

4.0重いが、また見たくなる。

2017年2月11日
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ロドリゴに次々と起きる試練、信仰とは?
神とは?
答えは人それぞれだと思います。
終始、重く処刑、拷問のシーンは辛かったです。
ちょっと長い気もしました。
塚本さんの演技というか体現というかは凄すぎました。
今までと違うアンドリュー・ガーフィールドが見れました。
日本の役者も意外な方がたくさん出演されていました。

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りお

5.0なにもしないからこそ、神なのかもしれない

2017年2月11日
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鑑賞方法:映画館

1960年代前半、江戸時代初期、日本ではキリスト教への弾圧が強まっていた。
布教活動に渡ったポルトガル人宣教師フェレイラ師(リーアム・ニーソン)が棄教したとの噂がローマに届く。
弟子のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライヴァー)のふたりは、真相を確かめるべく日本に渡ることにした・・・

というところから始まるハナシで、日本に渡ったふたりがみたものは、筆舌に尽くせぬほどの弾圧ぶりだった。

とにかく、映像と音に圧倒される。
暗闇の中で聞こえる風などの自然音、そこに静かに現れる白抜きのタイトル。
そして、本年度米国アカデミー賞撮影賞にノミネートされている撮影。
自然の息遣いを感じる(ただし、エンドクレジットをみると、いくつかのシーンは台湾で撮影されているようだ)。

さらに、長崎奉行らが行う弾圧・拷問のさまも容赦がない。
観ていて、本当に心苦しくなる。

そんな中でも、棄てない信仰、信仰心とは、一体なんなのだろうか。
正直よくわからない。

でも、身近なものに置き換えてみるとわかるかもしれない。
愛する妻や子どもの写真を前にして、「踏みつけろ。嫌いだ、可愛くもない、と言ってみろ」と迫られたらどうだろう。
やっぱり、出来ないよなぁ。

自分の心に嘘をつくことは、なかなかできない。
でも、「やらないと殺すぞ」といわれたら、うーむ、やっちゃうな。
映画のキチジロー(窪塚洋介)のように。

「これはだたの絵だ。踏んだところで、自分自身が神を(妻や子どもを)愛していることに変わりわない」と思いながら。
でも、その後、後悔はするだろう。
キチジローのように。

じゃ、妻や子どもを、そして神を愛するというのは、どういうことなのだろうか。
何かをしてくれるから愛するのだろうか、信じるのだろうか。
たぶん、違うのだろう。

何もしてくれなくても、愛するだろう。
いや、もしかしたら、何もしてくれないからこそ、愛するのかもしれない。
何もしてくれないということは、裏切ったり、軽蔑したりもしない。

映画を観ながら、そんなことを考えた。
<追記>
映画後半で、ロドリゴと対峙する井上筑後守(イッセー尾形)が交わす問答は興味深い。
筑後守は日本を沼地に喩えていたが、砂地に置き換えると、宗教に代わって、米国式グローバリズム経済とヒューマニズムが中東に迫っているような気がしてならなかった。

それにしても、撮影以外は無視した米国アカデミーも、なんだか偏狭な気がするなぁ。

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りゃんひさ

2.0日本人の本質を理解し表現することはスコセッシ監督といえども難しかったですね。

2017年2月11日
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最後の所を除けば、原作に忠実に映像化されてました。
絵も綺麗だったし、自然の描写もセットも町並みもよかった。
役者の演技もみんなよかったし。

でも井上さまの演出上の表現はイマイチでした。
別にイッセー尾形さんの演技が悪かっただけではありません。
あくまで演出の話です。
私には原作の井上さまのキャラとは全く別物に見えて、まあ、それでも原作とは違った良さを出してくれればよかったのだけれど、どうも違和感が残って仕方ありませんでした。。

スコセッシ監督は日本人のもつ宗教観を映像で表現できてなかったと思う。
私にとっては全く心を動かされませんでした。
原作読んだあとにはあれほどショックを受け、考えさせられたのに、映画では、その欠片すらなかったです。
遠藤周作先生は、日本人だからそこは十分すぎるほどわかっていて、それを文字で表現し、原作のスゴさにつながっていたのだなあと改めて気付きました。
まあ、しょうがないですね。
監督は日本人ではないですからね。
私たちが西洋人ではないので、彼らの本質がよくわかっていないのと同じように。
そういう意味では、民族の本質的な部分を理解し表現するのは難しいのだなあと思いました。

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はるひろ

4.0信仰なき日本における信仰の在り方

2017年2月10日
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自分には信教がないので、劇中の葛藤を色んなものに置き換えて見ていた。資本主義、キャリア、家族…
キリストが絶対である主人公にとって、その絶対性を否定されることはこの上ない苦痛であったろうことは想像に難くない。
アンドリュー・ガーフィールドが絶望していく演技はそれだけで見応えがあった。
そしてイッセイ尾形、相変わらず最高である。
日本を題材にしたハリウッド映画、ケン・ワタナベよりもイッセー尾形の方が存在感が大きいのではないか?
あの嫌らしい言い回し、彼にしかできない。

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まきさん

3.0表に出さなくとも自分の心の中に信じるもの、信じれるものがあればいい...

2017年2月10日
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表に出さなくとも自分の心の中に信じるもの、信じれるものがあればいいのかなぁと思いました。昔のように宗教という縛りはなくとも、今の時代にあった自分の信念を見失わないように!というメッセージが込められてるのかなと私は感じました。
もうちょっと歴史を知った上で年齢を重ねたときにまた観てみたいです。

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ペコ

3.5巨匠の力作って感じ

2017年2月10日
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長い。最後はやや冗長に感じた。
日本人からすると歴史で習って知ってる事なので、自分としてはイマイチ効いてない気もする。

日本以外の国の、そこら辺知らないキリスト教国人からしたら、近代も近い17世紀になって「キリスト教が迫害された歴史がある」って事自体が、(作中でも言うが)誰もがキリストの迫害になぞらえてしまう強烈なインパクトがあるのかもね。

信仰は何ぞや。
監督の心としては後半で語られる事がまさにそうなのかな、と感じた。

現代的な捉え方だ。
もはや神がいるかいないかなんて議論なんてナンセンス。そもそもどっちだっていい。

けどこの時代は違う。本気で神がどこかにいると、信じる神は違えど色んな人が辛い時にそこに縋って生き抜いていた時代なんだろう。

奇しくも時代に宗教・人種の違いによる問題が吹き荒れるこんな時代だから、考えさせるポイントがあるのかもしれない。

それにしても塚本伸也監督の演技は圧巻だった。窪塚や浅野忠信、他日本の役者陣の演技も良かった。
あと作り込み加減ハンパないね。
映画としては秀作でしょう。

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Ryo Hirao

4.5スコセッシ監督の感覚に驚き

2017年2月10日
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知的

難しい

映画はとってもフェアに描かれてて良かったです。
ちゃんと日本の価値観とか言い分をイッセー尾形や浅野忠信の役を通してはっきりと何度も言語化していたし、その内容も日本人の心にしっかり沿ったものだったのに感心しました。
主人公の宣教師がおそらく死ぬ最後まで信仰心を捨てていなかったことは別いいんだけど、少しでも日本の価値観や宗教観を理解して心から受け入れる描写があれば良かったと思った。
自分の信仰心はそれぞれが持ったまま、違う宗教のことを尊敬しその存在を受け入れることがこれからの時代に必要だと思うから、主人公が棄教したふりしてたけどほんとはジーザスこそオンリーワンだよねって見えたからそこは残念に感じます。
でもキリスト教徒の西洋人の監督が撮ったことを考慮にいれれば、かなりフェアに撮ったと思いました。

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のど飴

4.5心揺さぶられる作品。

2017年2月10日
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始まりからエンドロールまで、余計な音のない静かな作品。風の音や虫の声、蝿の羽音、海の波音。
完全に、役者の台詞と自然の音のみ。
淡々としていて、また上映時間も160分超と長い。
それなのに、全く飽きさせる事なく魅せられた。
素晴らしい作品としか言いようがない。

異国の地日本の長崎にて、弾圧に耐え、己の信仰を試されるポルトガル人宣教師と貧しい百姓の切支丹たち。
神の沈黙の中、残酷な運命に翻弄される彼らの姿に胸を打たれた。

信仰とは何か、信仰のために命が奪われることの是非を考えさせられる。
そしてラストはなんとも言えない切ない気持ちになる。

キリスト教の迫害というテーマから、拷問シーンの残忍さに目を背けたくなったし、日本人切支丹の貧しさや汚らしさがあまりにリアルで驚かされた。

キャスティングはとても良かったと思う。特に日本人キャストは最高だった。
残忍な奉行井上役のイッセー尾形の無慈悲なさまとキチジロー役の窪塚洋介のクズっぷりが素晴らしい(笑)

1つ気になったのが、ポルトガル人宣教師のロドリゴとガルぺの綺麗さ?(笑)
迫害を逃れ身を隠し、貧しいボロを纏っているにしては……なんだか小綺麗に見えてしまった(笑)

個人的な意見として、この作品を観てキリスト教贔屓だとも感じなかったし、日本が排他的に描かれているとも感じなかった。

宗教弾圧は世界中どこでも、かつては行われていたこと。
弾圧する側は残酷で非情であるが、そこには異教を受け入れられない理由があるのだという事も理解できる。

永遠に考えさせられるテーマだ。

この作品を通して、スコセッシ監督と遠藤周作氏が何を伝えたかったのかをじっくり考えてみたいと思った。

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Mi-chan

4.0若い頃、何故か巡りあった小説が、30年を経て今度は映画に。小説の内...

2017年2月10日
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若い頃、何故か巡りあった小説が、30年を経て今度は映画に。小説の内容をほぼほぼ再現。そんなに信仰心のない私には理解しきれぬ話やけど、信仰と人の命どちらが重たいっていう単純な話でもなく改めて 「沈黙 」って凄い小説やったんやなって感じ。遠藤周作の 「深い河」も読んだけど、人間の本質、宗教と人間、
答えのないテーマで考えさせられる作品ばかりです。ps.日本の役者陣よかったですよ。

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オリオンちゃん

5.0“信仰”の差異が生んだ悲劇。哀しすぎる迫害の歴史。

2017年2月10日
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悲しい

怖い

難しい

【賛否両論チェック】
賛:宣教師が目の当たりにした迫害の数々を通して、“信仰”の持つ意義や、異教徒同士の価値観の違いを浮き彫りにすることで、人間の生きる本質を問いかけてくる。
否:目を背けたくなるような処刑シーンが続くので、苦手な人には向かない。上映時間も少し長く、終盤はやや蛇足感もあり。

 キリスト教が弾圧されていた時代の日本へ、恩師の棄教の真偽を確かめるべく、殉教を覚悟でやって来た宣教師。その彼らが直面する残酷な迫害の現実を通して、“信仰”ということの意義が投げかけられます。
 決して踏み絵をせずに、進んで過酷な死を受け入れた者。生きるために、踏み絵や裏切りを選んだ者。様々な者達の生きる様、そして死に様を見せられた宣教師が、最後にどんな決断を下すのか、その葛藤にも胸か痛みます。
 残酷な処刑シーンも多く、決して軽い気持ちで観られる映画ではありませんが、人間が生きていく上で、
「何を信じるのか?」
という普遍的なテーマを、観る者全てに問いかけてくる作品です。

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映画コーディネーター・門倉カド