劇場公開日 2017年1月21日

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「日本人の本質を理解し表現することはスコセッシ監督といえども難しかったですね。」沈黙 サイレンス halukaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0日本人の本質を理解し表現することはスコセッシ監督といえども難しかったですね。

2017年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最後の所を除けば、原作に忠実に映像化されてました。
絵も綺麗だったし、自然の描写もセットも町並みもよかった。
役者の演技もみんなよかったし。

でも井上さまの演出上の表現はイマイチでした。
別にイッセー尾形さんの演技が悪かっただけではありません。
あくまで演出の話です。
私には原作の井上さまのキャラとは全く別物に見えて、まあ、それでも原作とは違った良さを出してくれればよかったのだけれど、どうも違和感が残って仕方ありませんでした。。

スコセッシ監督は日本人のもつ宗教観を映像で表現できてなかったと思う。
私にとっては全く心を動かされませんでした。
原作読んだあとにはあれほどショックを受け、考えさせられたのに、映画では、その欠片すらなかったです。
遠藤周作先生は、日本人だからそこは十分すぎるほどわかっていて、それを文字で表現し、原作のスゴさにつながっていたのだなあと改めて気付きました。
まあ、しょうがないですね。
監督は日本人ではないですからね。
私たちが西洋人ではないので、彼らの本質がよくわかっていないのと同じように。
そういう意味では、民族の本質的な部分を理解し表現するのは難しいのだなあと思いました。

はるひろ