劇場公開日 2017年1月21日

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沈黙 サイレンスのレビュー・感想・評価

全320件中、21~40件目を表示

2.0タケシのお笑いウルトラクイズ

2021年2月10日
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スコセッシは宗教映画になると途端につまらぬ。
周りが我慢して何本かに一本は撮らせている感。
貴重な残り打席はゴリゴリのマフィアものを。
塚本晋也熱演の拷問被虐もタケシのお笑いウルトラクイズの上島竜兵の魅せ芸に劣る。

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きねまっきい

5.0重いテーマのだが、きちんとできている

2020年11月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

長崎に住んだ時期があるので、隠れキリシタンの歴史は至る所で見聞した。市内はもとより、雲仙・島原・平戸... そんな見聞した歴史が、まるで現実のようにスクリーンに表れる。日本の情景や文化・生活が丁寧に表現されている。聞いたようなお国訛りも懐かしい。日本の研究・日本人スタッフの充実を感じ、外国映画らしい違和感はない。日本人の役者たちもしっかりと演じていたと思う。スコセッシのこの作品へのこだわりはキリスト教への信仰心からか?
さて、雑な仏教徒であり、キリストの教えに対する理解が甘いなりに感じたこと。自分はキチジローへの同情と共感が強かったかな。信念を曲げるのは教えに反することだとしても、生きるために外見はとりなし、だけど精神的には何も裏切っていない、と思いたい。それは心理への背信行為で許されざる行為かもしれないが、誰がそれを責める。棄教した神父たちも同じでないか? 果たして、信じる者は救われるのか? 戒めている自殺と変わらない。 絶対の神に対する疑念との葛藤に悩み苦しむ人々の姿が辛い。
きちんと原作読んでみたい。

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Bluetom2020

4.0分からない部分沢山あります。もう一度みたい。

2020年10月11日
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鑑賞方法:映画館

分からない部分沢山あります。もう一度みたい。

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晴

3.0マーチン・スコセッシ版と篠田正浩版を比較して

2020年10月10日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

結論としては、
スコセッシ版は遠藤周作未読の人と
アメリカ人のためのダイジェスト編、
篠田版は遠藤周作の日本人愛読者のための
応用編、
ということになるだろうか。

宣教師と日本人とのコミュニケーション
として、
篠田版では、宣教師がある程度、
日本語を話せる設定、
スコセッシ版ではかなりの日本人が
ポルトガル語(映画では便宜的に英語)を
話せる設定で、
さすがに後者はないだろうと思うが、
これは興行上の理由だと理解しつつも、
日本人の私には不自然に感じてしまう。

スコセッシは原作を忠実に踏襲し、
初めてこの物語に触れる観客には
分かり易い。
一方、
篠田版ではストーリーの運びについては、
大胆なカットと改変で、
原作のストーリーそのままの踏襲は避けた。
遠藤周作愛読者は、
キチジローはユダでもあるが、
「死海のほとり」の“ねずみ”との符合性
なども含めて、他の作品から映像の行間を
想像力で埋めながら観ていくだろう。

映像描写も静と動のように異なる。
例えば、住民3人の十字架刑の場面のように、
海中に静かに没してゆく篠田版に対し、
スコセッシは荒波に飲まれるダイナミックな
映像をあえて狙っているように感じる。
これは多分に両国民の感性や映画文化・歴史の違いがもたらす結果なのだろうか。

両作品の基本的なストーリーそのものに
大きな違いはないが、
そもそも、この作品の映像化においては、
どんな検討をもってしても
遠藤周作の独特なキリスト観の原作を
正確に描くことは難しいだろう。
ならば
分かり易い原作の要約物として描くか、
それでも映画としての独自色を目指すか、
となり、
前者がスコセッシ版であり、
後者が篠田版なのだろう。

スコセッシ版は、原作の基本的なストーリーを忠実に再現することに徹した結果、
映画は時に、原作とは異なる別の価値を
創造するという意味では
物足りなくなったように感じる。

多分に、スコセッシは原作を尊重した
ということよりも、
遠藤周作の独特な母性的同伴キリスト像
を内包出来ず、
ストーリーを追うばかりになってしまった
のではないか。

私は総じて”映画として”の完成度は
篠田版の方が数段上かと思うが、
遠藤作品を未読の日本人や
アメリカの方々には、
この作品は意味があるのかも、と思った。

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KENZO一級建築士事務所

4.0問題の根源

2020年9月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

昔の日本で実際にあった「キリシタン狩り」や「踏み絵」ですが、その歴史に挑んだ良作。
信仰心とは命より大切なものなのか、その答えは無宗教の僕には難しくてわかりませんが、宗教に限らず今でも排他的な思考がイジメや差別や偏見や迫害を生んでいる根源なのだと思います。

※どんなに貧しい格好をしていても小松菜奈さんの美しいオーラが消えていないことにビックリしました。

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光陽

5.0手を合わせます

2020年9月23日
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鑑賞方法:DVD/BD

大著ですが、中学の頃 遠藤周作(クリスチャン作家)の原作を読みました。
読みながら歯をくいしばって泣きました。

帰ろうや、帰ろうや、デウスの宮に帰ろうや・・

友人は恐ろしくなって拷問の所で読むのは止めてしまったと言っていました。

五島の天草四郎の記念館にも行ったことがあります。
殺されれば殺されるほど信者が興されたらしい。
「望みはもはや天国しかない・・」
そこまで追い詰められていた貧農と彼らに加えられた圧政の、壮絶な昔を想い、草の上に膝まづいて写真を撮りました。

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きりん

4.01点だけ気になったが興味深い作品

2020年9月22日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

知的

キリスト宣教者対反キリスト日本大名両者ともの尊厳を守って描いていて素晴らしかった。
日本なのに、日本の映画にはない絵の綺麗さ。音や影の使い方が美しかった。
なにを伝えたい映画だったか。人を救うのは神か人か?人々を幸せにするための教えであるはずが人々を苦しめる矛盾か?受け取れるメッセージは他にも沢山あって色々考えさせられる。
キリストの誘惑や受難を想起させ、神の沈黙のなか本人だけでなく自分のせいで(神の沈黙のせいで?)苦しめられている周りの人々を見るのはキリストよりも苦痛を与えられているのではとすら思った。

ただ、気になったのは宣教者たちは「どうして日本の偉い人はそこまでキリスト教を受け入れたくないのか」を考えないのは自然ではない。原作でも触れられていないのだろうか。
日本はキリスト教が根付かないそういう土地なのだ。で済む話だろうか。事情を知らなければ当然拒絶され、人々に安易に救いを求める矛先として扱われるだけだろうと容易に想像できる。
実際、キリスト教が広まったのは祈るだけで救われる天国に行けると聞いた貧民層たちが大半だったとは思うが、宣教者たちはそのように望んでいなかったはず。映画の中でもフェレイラが嫌味を漏らしていた。
そこがないのでなんだか主人公の感情にはのめり込めなかったが
メッセージ性のある作品が好みなので、全体的には素晴らしく楽しめた映画だった。

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ももも

3.5踏み絵とかさせてた時代のお奉行さんがこんなビジネスライクな考え方だ...

2020年9月20日
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鑑賞方法:TV地上波

踏み絵とかさせてた時代のお奉行さんがこんなビジネスライクな考え方だったとはちょっと思えないけど、キリスト教が日本には不向きな宗教であるという話には感覚的に頷けるものがある。それに、信仰の自由というものはあるんだけど、およそ世の中の紛争って宗教から端を発していることを考えれば、キリスト教が広がっていくのを妨害したい意図も分からなくはないなと思う。

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原っぱ

4.0NHK BSにて視聴。興味深かった。何故、日本人がこれを撮れないか...

2020年9月17日
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NHK BSにて視聴。興味深かった。何故、日本人がこれを撮れないか、と思いました。

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Swg Shinco

5.0まあまあ。

2020年9月15日
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まあまあ。

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oracion

4.0マーティン・スコセッシ監督の致命的な過り。

2020年7月19日
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鑑賞方法:映画館

神は存在しているのか?
もし存在しているのだとして、これだけ祈り続けても、なぜ一言も応えてくれないのか?

これが「沈黙」という作品のメインテーマであり、タイトルの由来でもあるはずです。

しかし、この作品の中で、ただ一度だけ、神は声を出し、赦しを与えています。

この最大のテーマについて、どうやら監督は見落としてしまっていたようです。
監督が気がついていないのだから、観衆も気がつくはずがありません。

こうして、この作品は、単なる異文化との衝突をグロテスクに描くだけの作品に堕してしまったのでした。

遠藤周作先生も草葉の蔭で泣いておられることでしょう。

ロドリゴ司祭が棄教する、まさに瞬間、初めて神は声を発し、赦しを与えていたのですが。
だからこそ「沈黙」というタイトルだったのですが。

名監督をしても気がつかなかったということが、残念でなりません。

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お水汲み当番

4.0「日本ってこんな国」を見つめる

2020年6月2日
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・オープニング、何かウァッって出てくるんじゃないかと目細めて身構えたけどなんもなかった。

・このオープニング演出すごい。

・(極力)洗脳しない映画。

・たとえば音楽がほとんどない。

・事実をフラットなテンションで描いて、お前はどう思う?と聞いてくる映画。

・決して時代遅れではないテーマ。映画の時代の日本の姿は、現代日本にもがっつりリンクしている。

・だから今それを映画で描く事に意味がある

・こんなん続けて一体何になるんだろう?と思いながら毎日頑張って働いている人がたくさんいるはず

・映画の中の「本当に神はいるのか...?」という葛藤は、現代の働く人にとって共感できるもの

・「自分は間違っていない」という確信だけでなく、「与えられた環境で自分はなにができるのか」という気づきが芽生える瞬間が描かれている

・日本には八百万(やおよろず)の神を崇める文化があるように、日本人は特に、おのおのが信じたいと思うものを信じる気持ちが強い。

・映画の中で、日本のキリスト教徒が崇めていたのはキリストではなく、太陽だったというのは非常に興味深い(すごい独自アレンジw)

・キャスティングがおもしろい。

・クワイガンジン役の俳優さん出てて、着物姿がしっくりくる。

・日本の怖さと美しさが描かれてる

・普段当たり前になっていることがポルトガル人の視点から見ることで、日本を客観視できる

・自分の信じるものが日本的でないときには、黙って信じていることしかできない

・「黙ってでも信じていればいい」

・そして心から信じたものは、他人からどんなことをされても奪われることはない

・ポピュラーでないものは用無し、性に合わないものは徹底排除、という風潮がある日本は限りなく社会主義にちかい資本主義なのかもしれない。

・小保方さんや佐村河内さんの騒動のときの異様な熱の高ぶりをみると、今の日本にもそういう気質はある

・言いたいこと言えて、なんでも好きなものを信じる事ができる現代が、いかに自由であるかがわかる。(戦後アメリカが与えた恩恵といえるかもしれない)

・現代日本のキリスト教布教率をみれば、日本文化の一貫性を感じる

・映画の中でいうところの、日本という国の土は、昔から変わってない

・性に合わないものを徹底的に排除する日本の文化は今も健在

・しかし、それは日本独自の才能でもあり魅力でもある

・アジアから流れてきた文化を、日本的な感性と照らし合わせて、自分に合わないものを徹底的に排除(洗練)させ、ブラッシュアップして、独自の文化を築き上げてきた

・ざっくりいえばシンプルにアレンジする才能。

・日本は、そんな魅力がある国という解釈もできる。

・原作者の遠藤周作は日本になにかを諦めていたんだろうか?

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DEPO LABO

4.0奇跡は起こらない

2020年4月12日
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鑑賞方法:VOD

遠藤周作の苦悩を一心に表すこれでもか、という映画
これはクリスチャンの苦悩ではない遠藤周作の苦悩だ
高校生の時からこの本や他の遠藤周作の作品を読んで
あたしなりに言って仕舞えば、無駄な悩みだな…と
スコセッシ監督がここまで表現してくれたら本望だろう
あたしもなんちゃってクリスチャンなので
真理は常に神にあり、と祈りながら考えるけど
人間の罪のために十字架にかかったイエス
「拷問」というのがこの世にあった、ということが苦しい
ない時代に生まれて良かった、それだけは幸せ
天真爛漫に神の愛だけを感じる人生だ

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mamagamasako

4.5深い沈黙

2020年2月28日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

沈黙

原作は読んだことがなかったのですが、海外の作品としてできるのかという不安もありましたが、
素晴らしかった。
とても海外で作られたとは思えない日本の空気感に圧倒されました。
長崎の街の様子などは日本映画と見間違うほどです。
仏教国日本にキリスト教が入り、キリシタンが増えたものの、幕府によってそれが禁止され、人々は密かに信仰を続ける。
それは本当に、キリスト教を信仰していると言えるのか。
自分自身のキリスト教の信仰は本当に正しいのか。
とても重く、辛く、難しい話でした。
アンドリュー・ガーフィールドさん、アダム・ドライバーさんはじめ、俳優陣の演技が印象的でした。
きっと日本へやって来た神父たちの恐怖はとてつもないものだったんだろうと思います。
日本の大物俳優も大勢出演しているのですが、辿々しい英語で話す姿は新鮮です。
幕府が行った迫害の数々、それによって苦しみながらもパライソへ行けることを信じ、亡くなっていった信徒、神父たちの映像からは目を背けたくなります。
タイトル通り最初から最後までとても静かな映画で、特にエンディングは自然の音と静けさが美しいです。
原作を読んでからもう一度観てみたいと強く思います。

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唐揚げ

5.0思ったより面白かった

2020年2月24日
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日本の描き方に全く違和感を覚えなかったところがまず凄い。
日本家屋、衣装、日本人訛りの英語が実に良かった。

それから海岸での磔刑シーン。ザブーンって波が打ち寄せてくるシーン、どうやって撮ったのかな。壮絶で本当に死ぬかと思った。

さて。

ストイックならそれでいいのか?それは単純と言えば単純だ。イエス・キリストが示した愛とは抽象的な理念ではなく、具体的行動であるという遠藤周作の信仰理解。

つまり、英雄的な殉教よりも、苦悩しながらなんとか正しいと思うことを探すことこそが、むしろキリスト教の精神に近いと言える。

善良な周囲の人間が拷問を受け次々に殺されていくときに何をするのが「正しい」のか、という選択を迫られたとき、フェレイラーが力強く言う。
「もしキリストがここにいたら、たしかにキリストは、彼等のために、転んだだろう」。

十字架の上で無残な姿をさらし続けるイエスから目をそむけず、その無残な姿を深く心にとどめよ、神はそういう無残な姿をさらすイエスをこそ肯定しているのだ。
ロドリゴとキチジローはどちらも救われるべきというスコセッシの人間観が見えた気がした。

神は決して沈黙していない。

ちなみに私自身は「あなたの宗教は何ですか」と聞かれたら、「私はそのような質問に対する答えをもたない形で感謝と祈りの日々を送っています」と答える。

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Raspberry

4.5観た

2020年2月21日
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鑑賞方法:映画館

以前に観たので、感想を忘れてしまった。痛恨。いつかしっかり書きます。

映画館が「EJアニメシアター」になっているのは、観たのが、ここが「角川シネマ新宿」だった時代だからです。

弾圧されているからこそ、際立ってしまう、宗教への向かい方。
モキチなのか、キチジローなのか?
この映画は、そこに尽きると思う。
信じることに徹し、磔で命を落とすことをも厭わないモキチの生き方が、本当に唯一無二の信仰のあり方なのか。生き残るために、司祭さえも売り、踏み絵を踏むことにもなんら抵抗のないキチジローの生き方は、神を信じているとは言えない冒涜な生き方なのか。
モキチは磔で死に、キチジローは生き続け信仰を続けたであろう。もし、神がいるなら、預言者キリストが生きていたなら、モキチを讃え、キチジローを否定するだろうか。

原作を読んでから、また考えてみたい。

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CB

4.5神のみぞ知る

2020年1月16日
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日本史の授業では、
さらさらぁ〜と説明される
禁教令、キリシタン弾圧。
こんなことが本当にあったということにも
肝が冷える思いでした。
島原出身であるからこそ、地元にはキリシタン墓地や、慰霊碑、また、隠れキリシタンがいた場所が今でも残っています。
この映画を観て、当事者達へ思いを馳せるには
私はあまりにも軽率である気がしてしまいました。

心の中ではどう思ってたのか、
何も言わない、語らない、
形上、転びキリシタンであるも、
最期の最期まで、何を守ったのか。
神のみぞ知ることだと思います。

歴史を知ることの惨さもありますが、
私は知れてよかったと思いました。

結局、人は幸せになりたい生き物だから、
だから悩むし、だから何かを信じたい。
キリシタンは日本に負けたんやない、
"時代"に負けたんだと思います。

思想も宗教・信仰も自由になった今。
戦争なんかしてる暇なんてないですよ。
もっと違う方向にエネルギー使っていきたい!

話ぶっ飛びまくりましたが、
幸せについて考えさせられた映画でした!

撮影大変だったろうな本当に、、、
創ってくれて、この世に生み出してくれて
ありがとうございました!!!

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えだまめ。

3.5驚異の作品

2019年12月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

宗教の話は、なかなか日本人には難しい。一般的に特定の宗教を持たないとされる私たちには、神やら信仰やらを理解するのは簡単ではないから。
原作はまだ未読なので、どこまで忠実なのかはわからない。ただ、この作品が迫害される日本人にも宗教を伝道する教会にも加担せず、全てを冷静に描いている点で遠藤周作もしくはスコセッシの力量に敬服せざるを得ません。
日本のキリシタンも当然聖人ではなく、一方で宗教を広めようとしたクリスチャンにも、「野蛮人を救いたい」という傲慢な姿勢があったはず。
なによりすごいのは、これを書いたのがその宗教に疎い日本人であること。

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ちかし

4.5【”主よ 貴方は何故に黙ったままなのですか” マーティン・スコセッシ監督が28年間の想いを込めた乾坤一擲の作品】

2019年12月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

 遠藤周作の原作は読んでいる方が多い筈なので、内容には触れない。

 が、今作はかなり忠実に原作の世界観を再現していたと、私は思う。

 今作のキャスティング、(特に日本人俳優)は見事だったと思う。

 特に下記3人が劇中印象的。
 ・マーティンがオーディションに来た事を知って驚いたという
  塚本晋也(モキチ)
 ・笈田ヨシ(イチゾウ) パリ在住で舞台で活躍 出演していることに驚いた、が見事。
 ・窪塚洋介(キチジロー)一度、オーディションに落ちながら、再チャレンジし、役を獲得した。

 他の
 ・浅野忠信(通辞:安定の演技)
 ・イッセー尾形(井上筑後守:流石の演技)
 ・加瀬亮(ジュアン:役にピッタリ、どんな役でも出来る人)
 ・小松菜奈(若手女優ではトップクラス)
               は邦画界のトップ俳優クラスなので、納得。

 アメリカサイドも負けじと、
 ・アンドリュー・ガーフィールド(セバスチャン・ロドリゴ神父)と
 ・アダム・ドライバー(フランシス・ガルペ神父)
   の二人は命を懸けて異国に布教に来た神父としか見えないし、
 ・リーアム・ニーソン(クリストヴァン・フェレイラ神父)は”転んだ”宣教師を重々しく演じる。

 <寒々しい風景をバックに、制作陣及び俳優陣達の熱い思いが詰まっている、実に見応えの有る作品である。>

<2017年1月12日 劇場にて鑑賞>

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NOBU

5.0拒絶され理解深め合えない切なさ共感の壮絶ドラマ

2019年11月15日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館

アカデミー賞撮影賞ノミネート作品

キリスト教徒を隠して暮らす住民と宣教師との交流を、キリシタンの信仰が周囲に理解されない無念さ、やむを得ず改宗した人物の切なる思いが描かれ、心に突き刺さる
信仰する宗教がなくても、信じている何かを奪われる辛さ、拒絶され理解深め合えない状況の切なさ共感、色々考えさせられる

製作/監督は、『ディパーテッド』でアカデミー賞受賞したマーティン・スコセッシ
監督はカトリックの家庭で育ち、1990年の黒澤明監督作『夢』に出演、撮影していた時に日本で読んだ、遠藤周作『沈黙』の登場人物の精神面に興味を持った
脚本のジェイ・コックスと映画化を進めていたが、原作内容を理解するまで時間がかかった為に一時中断した

2009年にロケハンした日本で、オーディションを行い日本人キャストを決めた
監督の推薦で役を獲得したリーアム・ニーソンとアンドリュー・ガーフィールド
アンドリュー・ガーフィールドは霊的指導とイエズス会の精神を学んだ
アンドリュー・ガーフィールドとアダム・ドライバーは、役作りの為に栄養士管理のもと痩せた
アンドリュー・ガーフィールドは当たり前だと思っていた事が有り難く思えた、と語る

窪塚洋介は、最初のオーディションでセリフを覚えておらずガムを噛んでいた為、印象が悪かったが2年後に呼ばれた時の演技が良く役を獲得
浅野忠信は1度オーディションに落ちたが、諦めずに機会を待ち続け役を獲得
オーディション時は俳優の演技や表情を見る為、監督自ら読み合わせした
イッセー尾形は、役のイラストを描いてから掘り下げていった

台湾の750人以上の撮影チームで文化の違いを確認し合いながら行った
当初の撮影予定地は日本だったが、予算が厳しく台北周辺で行った
スタッフの国籍は世界各国
撮影では日本人俳優から様々な助言を貰った

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Noriko