白ゆき姫殺人事件

劇場公開日:

白ゆき姫殺人事件

解説

「告白」「贖罪」の湊かなえが2012年に発表したサスペンス小説を、井上真央主演で映画化。日の出化粧品の美人社員・三木典子が何者かに惨殺される事件が起こり、典子と同期入社で地味な存在の女性・城野美姫に疑惑の目が向けられる。テレビのワイドショーは美姫の同僚や同級生、故郷の人々や家族を取材し、関係者たちの口からは美姫に関する驚くべき内容の証言が飛び交う。噂が噂を呼び、何が真実なのか多くの関係者たちは翻弄されていき……。過熱報道、ネット炎上、口コミの衝撃といった現代社会が抱える闇を描き出していく。監督は「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」の中村義洋。共演に綾野剛、菜々緒、蓮佛美沙子ら。

2014年製作/126分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2014年3月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第38回 日本アカデミー賞(2015年)

ノミネート

優秀主演女優賞 井上真央
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(C)2014「白ゆき姫殺人事件」製作委員会 (C)湊かなえ/集英社

映画レビュー

3.5井上真央と中村義洋監督の相性の良さがもたらした良作

2020年11月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

湊かなえ氏の小説を井上真央主演、中村義洋監督のメガホンで映画化。
過熱報道、ネット炎上、口コミの衝撃といった現代社会が抱える闇を描き出して2014年に公開したわけだが、これらの問題は2020年になっても変わることがなく、むしろ深刻化しているように感じる。それだけに、14年に封切りした意義がある作品といえる。
井上の演技はぶれがなく、中村監督の意図をしっかりと理解していることが随所でうかがえる。
また、驚かされたのは菜々緒。今作が映画デビュー作となったわけだが、殺害されてしまうのにヒール的な要素も併せ持つという難役を嬉々として演じ切った。自らの役割をきっちりと認識している頭の良さも含め、今後さらなる活躍が期待できる逸材ではないだろうか。

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大塚史貴

5.0秀逸な引っ掛け

2024年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

この物語は、見る人を引っ掛けている。
タイトル通り犯人が誰かを推理するように設計されている作品だ。
つまり見る側は誰が犯人なのかという視点で作品を見ることになる。
作中で実際に起きた殺人事件。
TV局は当然ながら犯人像を追う。そのTV局の契約社員の赤星が被害者の同僚である知人・狩野理沙からのタレコミに引っ掛かり誘導されていく。
あたかも事件を追いかけている赤星は、刺殺された三木典子の同僚の狩野他数人の同僚たちからSつまり城野美姫が疑わしいとして、ツイッターなどで注目されるようになる。
同時に視聴者は彼の行動を見ながら、真犯人を追いかけるのだ。
ここに引っ掛けがあるのだ。
湊かなえさんが仕組んだこの策に引っ掛かれば、殺人事件の真犯人を暴く面白さを味わえる。
しかし、これらすべては実際に起きた事件と因果関係はない。警察によって事件捜査が行われ警察によって事件は解決する。
この作中に登場した人物たちの証言などは、一切警察の関知するものではなく、警察は全く別路線でこの事件を追いかけていることがわかる。
そしてその策に乗せられた私たちこそ、SNSで呟いていた者たちと同じなのだ。
湊さんが笑うようだ。「これがわからなければ、あなたも呟きチームと同じね」
ツイッター上では彼の情報に翻弄され、Sという人物の特定に走り、彼がTV関係者だと誰か(夕子)が指摘すると、彼に対し文句を言い始める。我々は投稿者と同じなのだ。
事件は起きた。誰の仕業だ? 事件とは関係ない「私たち」は、単なる興味本位で真相を探ろうとする。そして実際に探り始めた人(赤星)に対し、彼の日常生活や仕事のやり方などに文句を言うのだ。
やがて、思った通り、犯人は城野美姫ではないことが見えてくる。
実際、城野美姫について時系列で追いかけると、彼女は狩野にそそのかされて三木典子からチケットを奪い新幹線に乗って東京へ行く。コンサート会場に現れた芹沢ブラザーズに近づいて握手しようと試みた際、群衆に押され彼が階段から転がり落ちる。動揺しながらその場から去り、ビジネスホテルに泊まって重い夜を明かす。翌朝のニュースが伝えていたのが、三木典子が刺殺された事件だった。そしてすぐにSという人物が犯人ではないかとワイドショーで騒がれ始めることになる。彼女はそのままビジネスホテルから出られなくなってしまったのだ。
視聴者は、当然だが、赤星と一緒に事件を追いかける。ツイッター投稿者と同じで。
しかしそこには全く因果関係のない城野美姫へのレッテルが渦巻いている。
犯人探しをしているから当然の視点だ。
ここに湊かなえさんは策略を引っ掛けたのだ。その本質は「いじめ」と同じなのだ。
赤星が取材した内容はすべて彼らの勝手な思い込みで、彼女へのレッテルだ。そこに真実などないのに、どうしてもそっちに引っ張られてしまうのだ。
このごく「一般的な人間性」を湊かなえさんは描いたのだと思う。この作品を見て「違和感」を感じない場合、策に引っ掛かったと思っていい。
だから最後はパロディタッチにしたのだろう。事故を起こしそうになる場面で二人が出会うのは、「事故にならずによかった」という暗示かもしれない。
この物語は、真犯人狩野理沙が知人である赤星をミスリードに導き世情的に城野美姫を犯人に仕立て上げようとしたことに由来する。警察と一切接点が出ないこと、同僚などの証言はすべてバイアスまたはレッテルによっていじられ、そこに真実はなかったこと。
気づくべき点は、そうして我々は知らず知らずのうちにそうしていますよということだ。
「いじめの構造」これがこの作品が伝えたかったことだろう。

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R41

3.5何が正しいのか、正しいとは何か

2024年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

知的

見る人が違えば印象は変わるし、知らない誰かの発した言葉は人に触れて乱反射してく
そんなことを思いながら、白ゆき姫殺人事件を観てた
簡単に他人のものを奪える人は世の中にいるんだよね
何が罪なのかな
顔も知らない人を、とやかく言うのは気をつけたいと思う
SNS上にはいろんな事件が流れてきて、我々は身勝手にいろいろな事を言うけど、そこの怖さを少し考えていきたいと思った。

とりま、綾野剛は軽薄な役も上手いけど、井上真央は拭えない花があって、そこは適役かどうか疑問

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なかのねこ

2.5大どんでん返し???

2024年1月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

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たつじん
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