盗まれた欲情

劇場公開日:

解説

今東光の「テント劇場」を、鈴木敏郎が脚色したもので、監督に昇進した今村昌平の第一回作品。撮影は「錆びたナイフ」の高村倉太郎。主演は「夫婦百景」の長門裕之、「麻薬3号」の南田洋子、それに劇団四季の喜多道枝が抜てきされた。その他、滝沢修、柳沢真一、小沢昭一、高原駿雄などが出演。

1958年製作/92分/日本
原題:The Stolen Desire
配給:日活
劇場公開日:1958年5月20日

ストーリー

中河内高安村にドサ回りのテント劇場、山村民之助一座がやって来て大入満員、座員は大喜びだ。一座の演出家国田信吉は芝居一途に大学を中退した情熱家で、自分の新解釈により演し物を上演しようと夢みている。彼に想いをよせる民之助の娘千鳥と千草、千鳥は看板スター栄三郎の妻だが、ひそかに恋情をもやしている。大入の夜、祝宴を逃げ出した信吉は、ほとほと低俗な一座にいや気がさし、自らを罵って川に石を投げる。追って来た千草は、そんな彼に抱かれた。翌日は雨、民之助が信吉の新作を稽古しようと提案するにもかかわらず、一座は女を求めて村へ散ってしまう。千鳥は妹の昨夜の行動から、暗い嫉妬をもやすのだった。一方村に出た男達、老優富八郎は小金をためた未亡人を、三枚目の勘次は肉体派のみさ子を手に入れるが、信吉も愛する千鳥ならぬ千草と契った後悔に、酔いつぶれるのだった。翌日は再び大入満員。みさ子のストリップに拍手が湧く。しかし、一部の村の青年達は、こんな一座を快よく思わなかった。彼等はその夜みさ子に懸想していた藤四郎を誘って千草を襲う。幸い信吉等の追跡によって千草は救われたが、信吉は千鳥に自分の心を打ちあけ、彼女も遂に拒み切れなかった。それを発見した千草の口から、栄三郎を加えた信吉、千鳥、千草が民之助の部屋に集った。妻に裏切られた栄三郎は、座の為に自分が身をかくすと言う。その瞬間千鳥は、栄三郎と離れられないと告白するのだった。朝がきて、一座は高安村を去って行く。その中には、信吉に寄りそう千草の姿があった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0処女作にして今村昌平感が満載

2021年11月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

旅芸人一座のヌードショーや花形役者の演技に熱狂する村民達やチャッカリと稼ごうとする老婆達を描いていて、田舎の庶民のエネルギーとバイタリティを感じさせる。

最後、主人公長門裕之が姉南野洋子にでなく自分のものになりそうで、父の勧めも有り一座を出て彼に何処へでもついていくことにした喜多道枝の幸福感一杯の笑顔が、女性の逞しさを感じさせて素晴らしい。

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Kazu Ann

3.0脚本的には主人公のゴールがまったく示されてないのでかなり退屈した。...

2020年1月4日
PCから投稿

脚本的には主人公のゴールがまったく示されてないのでかなり退屈した。もうそろそろ終わる事の朝、時計を見たら45分しか食べなかったので休憩したくらいだ。ラストはちょっと良かったけどしかし何かとってつけたようなそんな印象受けた。この映画の価値はある全体の雰囲気等と全体に美しい写真、それに当時の風俗描写かな。まあ暇つぶしとしてはそこそこのクオリティがあるがあるが、人に薦めようと言う気持ちは落ちないな。

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タンバラライ
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