コンクリート・ユートピアのレビュー・感想・評価
全155件中、1~20件目を表示
バベルのアパート
高度経済成長期、団地住まいは庶民の憧れの的だった。三種の神器を揃え、近代的な暮らし。
時は流れ発展し、日本中あちこちにアパートやマンションが建ち並ぶ。統計によると、持ち家の方が理想のようだが、アパート/マンション暮らしも人気が高い。今その最たるは高級タワマンだろう。
映画でも団地やアパートやマンションを舞台/題材にした作品は結構多い。一つのジャンルになってるくらい。
そんな“集合住宅映画”が新たに一棟、韓国に建造。
平凡な人間ドラマだけではなく、時に『アタック・ザ・ブロック』や『団地』など風変わりな集合住宅もあるが、さすが韓国、こちらも例外に漏れず。
そのインパクトたるや、大天災が起きたって倒れない…?
突如、世界を襲った未曾有の大天災。韓国ソウルも壊滅。ただ一棟だけは…。
唯一倒壊しなかったファングン・アパート。どんな耐震構造…?!
難を逃れた住民たちは暮らしを続けるが、行き場を失った人々が大挙押し寄せ…。
開幕いきなりの大天災。一体、何が…?
原因については一切説明されず。まあ、それがメインのディザスター・ムービーではないので。
しかし、何が起こったのか分からない状況、大災害シーン、廃墟と化した光景など高クオリティーのCGを駆使し、ディザスター・パニックの醍醐味もそれとなく。
唯一無事なアパート。そりゃあ当然、誰もがそこに群がる。が、住民たちは…。
言うまでもないトラブル続出。不法侵入、盗み、放火、殺傷事件…。
このエグい人間模様、やっぱり韓国…と言ってられない。もし本当にこんな状況になったら、何処の国でも起こり得る。日本だって。
危機感を抱いた住民たちは、ルールや代表者を決めて、ここでの暮らし死守する事に。
が、韓国映画。それが“真っ当”に守られる事が無いのは明白。
アパートの住民以外は追い出す。出て行け! 頼ってきた親戚も例外ではない。
外と隔てるバリケード。
アパート住民は代表者の他に、それぞれ役割分担も分ける。防犯、物質探し、医療や保健。
限られた水・食料も配給制。徹底管理。
暮らしや皆を纏める代表者。選ばれたのは…
902号室に住む男、キム・ヨンタク。
これと言った取り柄もなく、誰…? 何してる人…?
誰も知らないような男だけど、放火が起きた時、果敢な消化行動が買われて。
アパート住民が平穏に暮らせる“ユートピア”を目指す。
イ・ビョンホンがスターオーラを一切消した地味で目立たぬ男の成りきりぶりは凄い…!
でも、彼がずっとそんな役でいる筈はない。
皆を率いるTHEリーダー!…否。
一人に権力が握られた時…。
その変貌ぶりこそ、イ・ビョンホンの実力の見せ所。
“ユートピア”を築くが、それはあくまでアパート住民だけに限って。部外者は追い出し、“ゴキブリ”呼ばわり。
住民の中に、外の人たちを匿う者も。徹底詮索。見つけた“ゴキブリ”は当然追い出し、匿った者には罰を。
何だかその光景が、ナチスドイツや『アンネの日記』を彷彿した。
アパート住民は外の人たちを“ゴキブリ”と呼ぶが、物質調達の為に外へ。
略奪。時には…。
社会の縮図のアパート。人や社会は必ずピラミッド型やヒエラルキーを造る。
その様は序盤は風刺やブラックユーモアあるが、次第に恐怖と狂気帯びてきて…。震撼せずにいられない。
イ・ビョンホン主演だが、602号室の若い夫婦、ミンソンとミョンファが実質主役。
何より妻や暮らしの為に。ヨンタクから防犯隊長を任され、彼に傾倒。“梨泰院”から越してきたパク・ソジュンが葛藤に挟まれる。
どんどん異常になっていく“ユートピア”暮らしに疑問。アパート住民のみならず他者を思いやる役柄とパク・ボヨンの魅力あってこそ、地獄の中のオアシス。
何かと仕切りたがる婦人会長、事無かれ主義、善意者は省かれ…韓国陰サスペンスは裏切らない。
偽りのユートピア。遂にそれが崩壊する時が…。
903号室の住人、ヘウォン。大天災時外におり、地獄を経験。奇跡的に生き延び、アパートに戻ってくる。
外も地獄だが、アパートも地獄。異常なルールと暮らしに嫌悪感を…。
だが何より驚いたのは、隣人。冴えなかった男が皆を統制する代表に…じゃない。だって、違う人…。
902号室の“キム・ヨンタク”。本名は“モ・セボム”。アパートの住民ではない。本物のヨンタクに金を騙し取られ、そのせいで暮らしに困り、妻子とぎくしゃく。902号に押し入り、本物のヨンタクと揉み合っている内に…。その時、天災が。何もかも失ったセボムはヨンタクに成り済まし…。
ご近所付き合いが希薄な昨今、集合住宅住まいも例外ではない。隣は何をする人ぞ?
よく知りもしない人を代表に祭り立てる皮肉。
選ばれ、支配者になっていく方も狂気だが、選んだ方も異常。
ミョンファとヘウォンの告発により素性がバレる。
“ゴキブリ”は追い出せ!…それが皮肉にも自分に。
俺がこの“ユートピア”を作った!
未だ彼に下る者、追い出そうとする者。アパート住民たちの中で衝突。ルールとユートピアの醜い末路…。
そこに、外の人たちがバリケードを壊し、一斉襲撃。
世界は壊滅した。いよいよこのアパートも。人のモラルすら崩壊…。
全く、人は愚か…。
そう言っている人物こそ愚かかもしれない。
もし、こんな状況になった時…。自分だったら…?
理性を保てるか。長いものに巻かれやしないか。異常さに断固として立ち向かえるか。
自信ない。
東日本大震災時、私も水や食料を買い込んだ一人だもの…。
大混乱の中、ヨンタクは負傷。家に帰って休む…と、902号室で息絶える。
人の醜悪な部分を見せつつ、犠牲者でもある。哀れさも…。
ミンソンも負傷。ミョンファと共にアパートを去り、外へ。
何もかも廃墟と化した外=地獄。“ゴキブリ”が蠢く。
ファングン・アパートは高級アパートではなく、ごくありふれたアパートであった。故に周りの高級アパートやマンションから見下され…。
あの大天災で周りが全て倒壊し、立場逆転。見下していた連中を自分たちが“ゴキブリ”と呼ぶ。何だか格差の虚しさを感じる…。
傷は深く、ミンソンは…。彼も不憫な犠牲者だ。
たった一人残されたミョンファ。
そんな彼女を助けたのは…。地獄とゴキブリの中にも。
地獄で蠢いていたゴキブリは、自分たちの方だったのだ。
そんな彼らも“普通の人”だった。
エゴ、欲、権力…。人は一変する。
踏み留まり、それに気付いた者は、救われる。
取り残された人々の選択は
うーん。伝えたいことは分かるんだけどなあ。
ただ物語として必要な部分を端折り過ぎのように感じた。
世界が未曾有の震災にあった社会という前提を、誰も助けに来ないっていう人伝ての噂だけで表現するのには、ちょっと情報が少なすぎるんじゃないのかな。
あとリーダーとなる男をマンション住民が誰も知らないってことがキーになるのだがソウルの集合住宅(マンション)といえど、それほどまでに人との繋がりが希薄になっているのだろうか?東京の高層マンションなら有り得そうだけど。
この物語を人間の善悪を問う物語としたかったのなら、リーダーに余分なものを付けずそのまま住民で良かったんじゃないのかな。
地震よりも怖いかもしれない、その後。
こんな普通のマンションが生き残った。地盤が硬かったのか…?
せっかく生き残っても、そのあとの人間社会がエゴ剥き出しになっちゃって、その中で戦わなきゃ、生き延びられない。
人間てこんなんだったったっけ。
たしかに、そんな一面もあるが…
「奪い合えば足らぬ 分け合えば余る」の具体例を見た気がします。
善悪で片付けられない
2024年映画館鑑賞7作目。
冒頭から、理解不能な地盤隆起と建物の倒壊が波のように襲ってくる。初めて観る映像でしばらくあっけにとられた。
そして不思議と一棟だけ無事だった高層アパートの住民達の過酷なサバイバルの日々が始まる。集団で生き残るには住民の組織化と助け合いが必要(人間の本能)。選ばれた代表は住民からの支持を獲得し、次第に「力」を得ていく。
文明が発達する前の人類のコミュニティ構築の過程もおおよそこんな感じだったのかも、と観ていると、徐々に追い詰めらた住民と代表が狂気に走り始める。
代表ヨンタクは悪人だったのか、ミンソンは間違っていたのか、正しかったのはミョンファか?一見、ミョンファは極限状態でも人間らしさを保つ好人物のように見えるが、その正義感に基づく行動で少女や外部の人間をかくまう男を死に追いやってしまう。
ミョンファの「皆、普通の人たちでした」という台詞と、ヨンタクが死の間際に見つめた家族写真が印象的なシーンだった。
極限状態に陥ったとき、人はどうなるのか、考えさせられる怖い映画である。
内部のドロドロを期待したらそこは薄かった
韓国の面白そうな映画きたああ!!!と思い、早速鑑賞してきました。大災害が起きて一つ無事に残ったマンションを皮切りにディストピア空間でのカーストが築かれていく、、、、もうこんなん設定の時点で面白すぎやん!!!っていう韓国エンタメ界の発想力には感嘆するばかりです。
日本人からすると少し分かりづらい部分ではありますが、日本より遥かにマンション集合住宅文化の韓国からすると、マンション同士でのカーストだったりそういうのもまた有るんだろうなあと思いながら観ていると面白い発見が有ります。
例えば、そもそもイ・ビョンホンがリーダーに選ばれたのも火災時の功績にプラスして最上階の住人であったという部分もその他の住人からの異論が出なかった要因の一つだと思われます。殺人を犯してまでやっと手に入れた最上階のマイホーム。しかしそれは余所者として手に入れた虚構で諸刃の剣だった。彼が最上階の住人だったからこそ、その他の住人にあまり顔が知られていなかったという裏設定もあるのかもしれません(普段お目にかかれない上級国民的な)。そんな彼が1階の最下層の住人を必死に救った。これが住人達の心にかなり響いていたとかそれは考えすぎでしょうか?(笑)
そんな感じでイ・ビョンホン率いるマンション内にユートピアが築かれていく様がテンポよく描かれていくこの辺は韓国作品お得意の描写スピードで期待通りの出来でした。
しかし一方で韓国作品特有の終盤の尻すぼみもやっぱり否めなくて、もっと内部でのイザコザだとかそういう内部崩壊メインを期待していたのですが、意外と外部からの接敵がメインで籠城戦みたいな方向性で話が進みます。
外の世界もまあまあ生存者が居て、そっちでのサバイバル的な展開もあるのですが映画という尺でやるには足りないような感じもして、やっぱりマンションメインで展開してほしかった気も。
そしてこちらも韓国作品特有の無責任女が何かを解決した気になって散々和を乱した挙げ句なんか助かって主人公交代みたいな感じになるっていうう~~んあの状況でイ・ビョンホンの正体無理に明かさなくても良いだろっていうツッコミどころがね。。。。
結局イ・ビョンホンも完全に死んだ感じでは無かったので続編に期待ですが、そもそも一つのマンションの中でもドロドロみたいな土台はもう崩れちゃっているので続編もどうなることやらです。
これはドラマでやるべきだったかな。。。。
公開時期が…
新年早々に観る内容の映画ちゃうのは重々承知やけどすぐ終わってしまいそうやから観に行った。
普通の人だったんですっていう言葉が悲しい。自分もあのアパートの人の立場やったら、周りに流されてきっとよそ者は排除したほうがよいって主張してたやろうな。分け与えるって本当に難しいと思う。自分の心に余裕がないとできないことやよね。ヒロインは人間ができていると思う。
韓国の俳優はみな演技が上手だなあ。
ゴキブリ
突然の大規模な地盤隆起によりソウルの街は壊滅状態に陥る。
ほとんどの建物が全壊した中で唯一崩壊しなかったマンション、それがファングンアパート。
周辺から多くの人が避難してくるが、同時に不法侵入、殺人未遂、放火などの事件も頻発するようになる。
部外者を脅威と感じ始めたマンションの居住者たちは、住民だけのルールを作って居住者以外を追い出していくことに。
そんな「住民たちのためのユートピア」の代表に選ばれたのは902号室の冴えない男、ヨンタクであった。
2024年劇場鑑賞1本目からえっぐいの来た。
もうこれ、既に今年ベストでは?
格差、閉鎖的コミュニティ、胸糞展開、アクション、殺人、グロ、美男美女、純愛、演技、セット、演出、映像美、ブラックジョーク……etc
韓国映画で観たいものが全て詰まっている。
確かに公開はタイミング的に最悪ではあった。
考えないようにしても元旦のことが少し頭を過ぎる。
ただ、あくまでもエンタメだ。そして映画だ。
大災害はいつ起きるか分からない。
それと同時にこういったことが起きないとも言い切れない。
実際に自分が住人だったらどうだったろう。
恐らく同じように集団心理に飲まれていたと思う。
私はこの映画を思いきり評価したい。
予想を遥かに超えてくる作り込まれた作品。
純粋に映画としての完成度が高すぎる。
ラストでミョンファが言っているようにアパートの住人たちは至って普通の人間だった。
しかし、いざ異常事態が発生した時、目に見えない“流れ”が発生した時、我々はどう行動できるだろうか。
日常が狂気へと変貌していく様がとても丁寧に描かれており、グイグイとこの世界観へ引き込まれていった。
0がマイナスになる。
最近どこかで聞いたキャッチコピーにも似ているがまさにそんな感じで、動き出したら止まらない負の連鎖に観ているのがキツくなる。
もうやめてくれと思っても、一度流れ出した濁流は留まることを知らない。
この時点でかなり好みの映画だ。
ヒトコワ系だけではないヒューマンドラマも魅力的。
中盤まではかなり精神的にキツかったが、後半作り上げられた負のユートピアが音を立てて崩れていく様、そしてその嵐の後の静けさはまた違った雰囲気となる。
設定だけではワンシチュエーションな展開にも思えるが、かなり色々な要素が詰め込まれており、最後の展開は個人的に涙を流しながらガッツポーズするほどの激アツ展開。
後述するけど、ヒロインが天使すぎるって。
教会のシーンとか完璧すぎる。
「正直詰め込みすぎて何が伝えたいのか分からない」みたいなことを書いてる人もいた。それもめちゃくちゃ分かる。
でもね、私はこの作品が好きだよ。
韓国の格差問題が映画になることはしばしば。
本作でも、近隣のドリームパレスというファングンアパートよりもランクの高いアパートの住人たちが助けを求めてやってくるが追い出される。
この格差の逆転、もしくは交差というもので思い出されるのが『パラサイト 半地下の家族』。
キャッチコピーでも「パラサイトに続く傑作」とあったが、個人的には結構納得だ。
韓国社会と日本社会において、決定的に違うところと言えば兵役の有無であろう。
パンフレットに銃に関する解説があった。
一般市民でも許可を得て所持は出来るが、使用しない場合は警察署に預けなければならない。
韓国の男性は兵役時に使い方を習うためある程度使いこなせると言う。
これは本当にキーワード程度の豆知識だが、韓国社会に強く結びついている兵役制度は、本作においてもかなり重要なポイントかもしれない。
技術面や細かな演出も素晴らしかった。
アパートや捜索に行った街の一部はセットらしい。
襲撃時にアパートに散っていく住民たちはまさにゴキブリだし、ミョンファとへウォンがグチャグチャの遺体を見つけたシーンの対比としてミンソンが傷一つないホールケーキを見つけるのもなかなか面白い。
作品の細部に監督やスタッフのこだわりが感じられた。
そして、やはりキャストの質の高さ。
主演のイ・ビョンホンは昔の面影などまるでない(もちろんいい意味で)。
若い頃よりも今の愛すべきおっさんって感じの方が好きだな。指ハートと歌声が聴けます。ファン必見。
その主演を喰って完全に優勝されていたのがミョンファ役のパク・ボヨン。
住民たちが壊れていく中で1人冷静さを保ち住民の看護にあたるミョンファはまさに白衣の天使。
夫婦が別れてしまう最悪の方向も考えたが、最後まで愛を忘れないでいてくれてありがとう。
パク・ソジュン演じるミンソンとお似合いすぎて、別世界なり前日譚なりでまた2人が観たいくらい、この夫婦が好きになった。
昨年の『別れる決心』のこと然り、年始の韓国映画は最強かもしれない。
終映ギリギリだったが映画館で観れてよかった。
으라차차 황궁!! 가자 파이팅!!
震災直後に見るのはツライ
まず冒頭、ディザスタームービーの「定番」は、「日常」を描く。「日常の人間関係」というのかな。
それが「非日常」でどう変化するのか対比させるため。
でも本作はそれがない。
(後で回想シーンは出てくるが)
いきなり起こる。
これが「地震等の自然災害」か「戦争」か「温暖化」か、何のメタファーと思うかは人それぞれだが、どれも許容する懐の深さはある。
(韓国人にとっては戦争なのかな。北の脅威があるから)
そして、「誰の視点で見るか」によってもいろんな見方ができる。
定番は「妻」の視点。(その作り方になってる)
でも「夫の視点」もあり。
これも面白い。
それにしても、日本公開のタイミングが悪すぎ。
善悪の彼岸
映画としてはのっぺりした印象でしたが、ゾンビ映画の亜種の様な作りで結構好みでした。ゾンビ映画の「コミュニティターン」に特化した感じですかね。だもんで、お国柄はともかく事に至ったら日本も大差ないと思うので考えさせられました。そういう意味では"必見"とも言えるでしょう。
やはり"食"の確保という観点で色々とあるわけですが、どーにもヒロインにムカムカとしてしまって…。御高説ごもっともでございますが、じゃあ貴方はその"食"に対してどんなアクションしたんですかね?と言いたくなってしまった。だもんで、ラストも少しだけ消化不良。そもそものコミュニティ規模が違うし、きっと同じ問題がすぐにでも表面化するでしょうからね。
そんな諸々も含めてオススメです。
「ただの普通の人達」でした。
この集団心理は異常なのか?
こんな世界になってしまったら、「普通」という概念は少しずつ崩れ、人間の欲や保身が濃くなってゆくのでしょう。
数日だけなら倫理観や善意を保てても、生き残るうえで、大切な人を守る為には非道な行為も‥‥それでも善意の人間もいる。だから、それは異常とも鬼とも言い難い
っていう感じで思考が終わりそうになったけど、、、あの男の人はまぁ普通にアウトだわな。
そもそも世界情勢が深く語られないので、何の災害なのか、他の国はどうなった?ラジオとか無いの?もしくはドラゴンヘッドみたいな世界なのか?
パラサイトを引き合いに出した宣伝だったけど、韓国というだけで全然違うけどね
困難な時にどう行動するか
大地震が起き全てが崩壊、奇跡的に壊れなかったアパート。そこにもともと住んでいる住人、避難して押し寄せる人々。さあ、どうする?
困った時はお互い様、助け合うべきか、ここは我々の住まい。自分たちが生きるだけで精一杯。追い出すべき。住人が選んだのは他者を追い出すこと。
確かに助けを求めて押し入った人々の遠慮の無さや、犯罪まがいな行為は腹立たしいし、追い出したくもなるが、ちょっと酷くない?
住人たちの配給が無くなると荒れた街に出て、他の人たちを襲い、物を奪う。自分たちのやってることの方が酷い。
住民代表になったヨンタクが、徐々に英雄化され、崇められていく中、自身もそれに酔っていく。不信感を抱いていたミョンファが真実を暴いて迎えた結末。
最後アパートを抜け出したミョンファ夫婦。夫が死んでしまった後、途方に暮れているミョンファは「いくところがないなら私たちと来る?」と声をかけられて助けられる。食べ物をもらい一緒に住まわせてもらえる。かつて自分達が選択した事とは全く逆の事、助け合って暮らす人々と出会い、ミョンファが感じたことは?
年明けに大きな地震が起こった今だから、怖さも増す、困難な時こそ人がどう行動すべきか考えさせられる。
考えさせられた
可能性のある緊急状況下での人の怖さ、人の愚かさをよく表現していると思う。
正月に石川県での地震をテレビで見て観に行こうと決めた作品でしたが、戦争映画と同じで経験者とならないとわからない部分は多いと思う。色々考えさせられた。
パンフレットを買った映画。なので=大変面白かったです。ウラチャチャ皇居!
まさに、現代版+韓国版の『羅生門』みたいな感じ。
生き延びるための逞しさとは、醜いまでの執念であったり。そのために犯す残酷な罪と業の深さをこれでもか!とばかりに描いてくれた秀作だと思いました。屍から金歯を抜くとか、まんまでしたもん。
ひとりの“普通の男”だった代表者が、狂気の指導者へ変貌していく過程が怖かったのですが、何よりも彼を担ぎ上げた民衆の集団心理が、もっと怖かったです。
ドラマ『リーガルハイ』で、主人公・古美門の名台詞に、こんなものがあったことを思い出しました。
「本当の悪魔とは巨大に膨れあがった時の民意だよ。自分を善人だと信じて疑わず、薄汚い野良犬がドブに落ちると一斉に集まって袋叩きにしてしまう。そんな善良な市民たちだよ。」(YouTubeからの書き起こし自分乙)
まさにコレだよ!と思ったの。
野良犬どころじゃなく“ゴキブリ”呼ばわりだったじゃないですか。あからさまに。彼らは。
そしてラストのカットの台詞がまさにそれを語っていたのですね。
異様に天井の高い部屋で(ここの発想が秀逸でした)ミョンファの言う「普通の人たちでした」って。
序盤にね、ヤな予感がしたの。ちょっとコミカルなシーンにそれらしきBGMも流れてたでしょ。
えっ、これって、そういう作品なの?観にきたのたはソレジャナイ!と思って、が
っかりしかけたの。劇場ではクスっという声まで聞こえていましたし。
それが、ほんの序盤だけで済んで安心しました。
この作品、テンポよくサクサクっと進んでいくのがよかったです。
初っ端の大災害のシーンがド迫力全開で、物語の導入部の“つかみ”として文句なく働いていたと思いました。
コミュニティーができていく過程も、生々しくリアルだったし。
そして中盤からラストにかけての衝撃の展開がとても面白く中だるみを一切感じさせませんでした。
音楽も過剰に出しゃばりすぎず、効果的に使われていたと思ったです。エンディングソングの「アパート」も美しい旋律で良きでした。
2時間超えの作品ともなると、どこかしらで不要に思えるシーンがあって失速気味になるところを、本作はそれがないまま、怒涛の展開でラストへ突き進んだ点がよかったです。
そしてまた外れた私の予想。
たった一人、外部の被災者を受け入れてた黒縁メガネが、内部で新たなコミュニティーを立ち上げて、内ゲバ崩壊していくものだとばかり思ってたの。
ドギュンさん、最後までいい人だったなぁ。演者は、大好き映画『新感染半島』で義兄役だったキム・ドユンだよ!(パンフレット乙)
このパンフレットがとてもいいんですよね。劇中登場のキーワードを詳細に解説してくれてたの。
なのにB4用紙8枚使って半分に折って、センターをステープラーで綴じただけ全32Pのショボい作りなんですよ。用紙こそ厚手でしっかりしていたのですが。なんでやねん。
韓国映画って、ことパニック物においては、もはや、世界の最先端を走っていると言って過言じゃないと思うです。引き出しも多いし。
なのに、地元の映画館って、たった20日間の興行で打ち切りにしちゃったの。
やはり能登半島震災に見舞われたみなさまへの配慮なのかな?
一日も早く幸せな日常が戻りますように。
体調の関係で、ギリギリの駆け込み鑑賞だったので、2回以上観ることが叶わなかったの。
ただね、のっけからのオープニングロゴ四連発にはちょっと白けたんですよね。
[LOTTE] [THE KLOCKWORX] [BHエンターテイメント] [あとひとつは不明]
オープニングロゴって、食前酒みたいな物だと思ってるの。これから始まるディナーの幕開けとして、ウキウキワクワクの一杯。私、アルコールは一切ダメなんですが。
そこから鑑賞体勢スイッチONになると思ってるの。カウントダウンの最後の1秒みたいな。
だから、それを四度も繰り返されると、さすがに白けちゃうの。
ヨーイ…ドン!のスタートで、四回も連続でフライングされたみたいな。ことごとくわかりにくい例えで申し訳ありません。
この作品に限ったことじゃなく、近年かなり目立ってきたんですよね。
配給会社がなければ映画の興行って成り立たないんですけれど、これ、どうにかなりませんかね。ならないですよねすみません。
【安定の脱線話】
中盤に出てきた桃の缶詰美味しそうだったなぁ。対して、蚕のサナギの缶詰って!
(°ଳ°)ゲゲボ!
調べてみると、ボンデギといって、韓国ではポピュラーなおつまみらしいですね。なんでもエビのような味わいだとか。でも…食べたくねぇー!(°ଳ°)オエー!
ついでに調べてみたのですが、アパートとマンションって、これと言った定義で分けられるものじゃないそうで。ただ単に呼び方のひとつだということでした。
物件名につく「コーポ」「ハイツ」「メゾン」「ヴィラ」「レジデンス」などの呼称にも、定義はないそうで。昔だったらトキワ荘みたいな?一刻館みたいな?
言ったもん勝ちって感じですね。
柔軟性のない韓国映画
コンクリートユートピア』あいも変わらず、コテコテの人間のエゴイズムがテーマ。そろそろ韓国映画のこのパターンも食傷気味。『パラサイト』で頂点を極めたのですから、そろそろ違った方向の作品を見たいもの、ただ韓国映画界にその柔軟さがあるかどうか。
時代は変化する、古いものは新しいものに取って代わられる
これって当たり前のことなんですが。
韓国映画はそうではないみたい。
それだけ映画『パラサイト』のヒットと、アカデミー賞受賞が大きかったということ。
もともと韓国映画は、上映時間が長く2時間を超えるものが多い。
ドラマ作りに重点を置く作り。
それも、一つの作品にいくつかのドラマのストーリーを用意しておいて、ラストに向けて一つにするとか。
だからどうしても、作品自体が長くなる。
脚本や監督の技量で、長い作品もそんなに苦にならない場合もある。
しかし、いつも上手くゆくとは限らない。
見事にハマると、『パラサイト』のような傑作が生まれる。
『コンクリート・ユートピア』は上手くいったのか。
この作品だけ見ると、上手く行ったんだろうなと。
ただ、長年韓国映画を見てきたものからすると。・・
そろそろ、このパターンも曲がり角ではとおもえてしまう。
ドラマにどドラマをかさねる手法を好む、国民性もあるのだろうか。
しかし、人間のエゴをこれでもか、これでもかと2時間半みせられるのも、重たい。
韓国映画すべてが、こういう作りではないはずだとは思うのですが。
日本に入ってくる作品だけでしか、判断はできないのですが。
もっと、映画作りに多様性があってもいいのではと思ってしまうのは、私だけでしょうか。
かつて日本にあった新作映画2本立て
昭和40〜50年代の日本映画は、長らくこの2本立てが主流だった。
上映時間は、おおむね1本1時間半以内。
そう、2時間になると2本で4時間。
こうなると、上映回数や観客の回転。
なによりも、観客が耐える時間がでてしまう。
そんなながれでしょうね、1時間半で収まる作り方をしていたはずです。
この1間半というのが、じつにコンパクトに作品がまとまる、ベストな時間だと思うのですが。
無駄をはぶいて、とにかくこの時間で収める。
世界的に見ても、この範囲の作品に傑作、佳作が多いハズ。
ときには、長編もいいでしょうが。
だんだん上映時間がながくなるのも、こまりものです。
韓国映画に求める、多様な作品
ドラマに重点をおく韓国映画の製作手法もわからないではない。
ただ、それは『パラサイト』で、頂点を極めたのも確か。
となると、もっと違った製作方法の作品があったほうがいいのではないか。
ただ、この点が、韓国映画の弱点のように思えてならない。
日本映画は、あくまで1時間半という制約の時代をへて培ったもの。
しかし、今後の韓国映画のあり方として。
いつまでも、二時間を超えるコテコテのドラマ作品だけに頼っていては、いきずまる。
意外と、そのあたりは、頑固な国民性。
はたして、『パラサイト』で、商業演劇の頂点を極めた今、さらなる発展はあるだろうか。
韓国映画も曲がり角、多様性の方向へ。
ラオウとケンシロウ?
韓国映画って、いろんな要素をてんこ盛りにする傾向があるんだがこの映画に関しては一点突破。「孤立した極限状況でひとびとはいかに振る舞うか、振る舞うべきか」に焦点を絞り込んでいます。
原因となった、ガボラの大群が通過したかような大災害も単なる地震にしては不自然だけど、だれもそれには言及しない。被災地で生き残ったひとびとがマンションを目指すのだろうが、そういったサバイバル描写もほぼない。ただただマンション住人側視点でのサバイバルドラマが進む。とどのつまり、世紀末世界の秩序ってラオウ方式が正しいのか、ケンシロウ方式がいいのかってことだよね。
あと、やはり韓国映画だけあって登場したワンちゃんたちは......マンション住民たちがナチュラルに美味しく頂いてましたね。
狂気が目覚める
大災害により都市が壊滅した中で奇跡的に崩壊しなかったアパートの住民たちの話。
現実に辟易した男はある種の信仰を持ちながら桃源郷を作るリーダーとなり、平穏を望む男は生きる為に流され染まっていく。
極限状態での迫害や搾取に、しかたないと賛同する者と受け入れられない者などが対比される。
ソリッドシチュエーションとしては王道の展開に、極端な状況や思想を見せつけられて感情移入し辛くなったところにあのラスト。
異常に見えた人々を普通の人でしたと言われ、非現実として作品を見ていた観客を突然同じ土俵に突き落とす良い台詞。
極限の中で性(さが)がむきだし
昨日の2本目の予定でしたが、映写機システムの不具合かなんかで上映30分ぐらいでビョン様がホースで消化した辺りかな…で上映中止で。上映開始しても、暗くならないから親子で上映会(たまに赤ちゃんと一緒に見られるのがあるんですよ)かと思った~ま、返金してくれたし、無料券もくれたから良しとしよっと。翌日、時間が合ったので、見に行けた。パンフレットも買ってしまったことだし。
それはさておき、災害が起こったら、どこも地獄。いっそ、生き残らない方が楽なのではないかというくらい。生き残ってしまったら最後、とことん生き抜くために修羅の道を。しんどいわ~
若手の松田翔太と藤ヶ谷太輔を足して2で割ったような俳優さん、どっかで見たな~と思ったら、マーベルズのヤン王子ではないか!全然歌ってなかったね。むしろ、ビョン様が歌ってたわ。ビョン様の役名がキムタクみたいでツボ。不謹慎ですんまへん
久しぶり観る韓国映画
韓国ドラマも映画もあまり好きでは無いのですが本作は予告編見て気になって鑑賞。平日の午前ということもあってか先客カップル1組のみでした。冒頭からテンポよく緊張感を維持したまま進む脚本は素晴らしいです。都市が崩壊するCGも迫力あってとても良かったです。基本的には週末ものとかゾンビ映画のように極限状態の人間心理や集団心理を描いているのですが、とても良くできてました。
パク・ソジュン目当てで観たけれど…
今じゃなかった…。
こんな大災害のパニック映画だとは思わなかった。年始から災害続きの日本で今この映画を直視するのは正直辛い。
イ・ビョンホン様も流石の快演だし、セリフこそ少ないが、パク・ボヨンさんも素晴らしかった。もちろん、お目当てのパク・ソジュン兄も存分にスクリーンで堪能でき十分満足のいくクオリティではあったのだが、内容がやっぱり…
今じゃなかった…。
災害が引き起こすパニック状態は普通の人間を神と崇めたり、悪魔に変えたりするのだな…
能登半島地震の復興を心からお祈りしております。
全155件中、1~20件目を表示