松方弘樹
本名は目黒浩樹。俳優・近衛十四郎と女優・水川八重子の長男で、弟の目黒祐樹も俳優。1960年、17歳で父が所属する東映に入社し、「十七才の逆襲 暴力をぶっ潰せ」の主演で映画デビュー。以降、「柳生武芸帳」シリーズ(62~63)で父と共演したほか、「昭和残侠伝」(65)といった仁侠映画や、時代劇に多数出演。69年から2年間、大映で活動したが、71年に再び東映に戻ると、深作欣二監督の「仁義なき戦い」シリーズ(73~74)などの実録路線や、「柳生一族の陰謀」(78)といった大型時代劇で活躍する。TVドラマではNHK大河ドラマ「勝海舟」(74)や「大江戸捜査網」(79~84)に主演し、88年に放送開始の「名奉行 遠山の金さん」シリーズでは10年間主役の遠山金四郎を演じた。昭和を代表するスターとして存在感を見せる一方で、03年には映画「やくざの詩 OKITE 掟」で初監督に挑戦。その他、バラエティ番組でも人気を博し、大の釣り好きとしても知られた。元妻の女優・仁科亜希子との間には、タレントの仁科克基と仁科仁美をもうけた。16年2月に脳に異常が見つかってから長期療養に入っていたが、翌17年1月21日、脳リンパ腫のため死去した。享年74歳だった。