太秦ライムライト
劇場公開日:2014年7月12日
解説
チャンバラ時代劇の黄金時代を支えてきた京都・太秦を舞台に、時代劇を愛する人々の現在を描いた人間ドラマ。太秦の日映撮影所に所属する香美山清一は斬られ役ひと筋の俳優人生を歩んできたが、近頃は若者向けの新たな時代劇の波にのまれ、出番を失いつつあった。そんなある日、新人女優のさつきと出会った香美山は彼女に往年の女優たちの面影を感じ、殺陣の稽古をつけることに。香美山の指導のおかげでチャンスをつかんださつきは、東京でスター女優としての道を歩んでいく。時が経ち、大作時代劇の主演を務めることになったさつきは、すでに引退した香美山との共演を熱望するが……。「ラスト サムライ」にも出演した斬られ役の第一人者で、「5万回斬られた男」とも呼ばれる福本清三が映画初主演を務めた。
2014年製作/104分/G/日本
スタッフ・キャスト
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字が読めへんタイトルの
主役より稼げる人もおるよね
なんにでも顔出してる名脇役とか👐
田中泯だっけ?御庭番衆やくの、あの人好きやわ〜踊り家の
2021年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
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福本清三さんが1人殺陣の練習をするシーンが多用され、
その気魄や美しさが十分伝わってきます。
時代劇が減って寂しくなって行く太秦の様子も描かれており、
その部分は正直よく有る筋書きで、
時間経過や関係者の気持の変化と言った細かな所で
ちょっと雑になってしまってるのが残念なのですが
この映画はそこの所を突っ込む映画ではなく、
ひたすら殺陣に打ち込む福本清三さんの姿と、
新人ながら流石に世界ジュニア武術選手権大会で金メダルに輝く腕前の
山本千尋さんの殺陣時の目力と美しい動きを観て欲しいです。
脇役も良い。万田久子さんや本田博太郎さん、
時代劇のお約束通りの役柄での安定の演技、
時代劇礼賛のこの映画にはそれが逆に相応しい。
時代劇映画は作られても、いわゆるチャンバラものが減って
映画の中に描かれている様に美しい流れのある殺陣の出来る役者が
もう絶滅しかかっているだけに、
今観ておく値打ちのある映画だと思います。
久々に手に汗握るチャンバラシーンに力が入りました。
スタッフロールは漢字とローマ字が併記されていました、
海外への展開も考えているのかも?
福本さんへのリスペクトに溢れたラストシーンに涙。
2021年1月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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DVDで鑑賞。
“5万回斬られた男”の異名を持つレジェンド俳優、福本清三さんの初主演作。斬られ役一筋50数年―。福本さんの生き様をそのまま投影したような役柄に涙が溢れました。
一生懸命やっていれば、どこかで誰かが見ていてくれる…。
時代劇が減って行く現実―。居場所が失われていく中、若者たちに希望を託し、一世一代最後の大舞台での斬られ様は、儚くも美しく散っていく桜花の如く、心を揺さぶられました。
クライマックス、松方弘樹さんとの立ち回りでは、おふたりとも鬼籍に入られ、熟達した役者魂がまさに刀の刃のように火花を散らし、美しく流れるように繰り広げられるちゃんばらをもう二度と観られないのかもしれないと思うと、ボロボロと涙がこぼれて止まりませんでした。
常に謙虚であられた福本さん。あくまでも主役を引き立たせる斬られ役に徹し、その技を磨き続けて来た人生―。その凛とした佇まい、役の上での死に様は、しっかりとフィルムに焼き付けられ、永遠のものとなりました。本当にお疲れ様でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
2020年10月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
福本清三さんが座り、佇み、殺陣をする。楽屋で顔を造る、踏切が上がるのを待つ、盆栽の手入れをする。
もうそれだけでなんだか切ないのである。
殺陣役者というより、一人の武芸者の面立ち。人を生かすも殺すも人次第。「殺された」場合の人間のいかに惨めなこと。
人間、どんな状況であっても後輩は先達に対してこういう処遇をしてはいけない、引き際をきちんと設けなければならない、としみじみ思った。「人の顔を立てる」という日本語は正鵠的を得ている。
ひどい扱いを受けても、うつむき加減に黙々と与えられた仕事を全うする愚直さに、何度も目が潤んだ。
ドキュメンタリーにも胸を打たれました。
劇中も時代劇スターを演じる松方弘樹に対して、挑発するシーンで何度もつまづく福本さん。
劇中の香美山は、福本さんそのままだから、本当の大スター松方弘樹に対してどうしても暴言が言えない。そんな福本さんに松方さんが「おい、同級生。とって喰いやしねえよ」と気遣うのだ。福本さんは「主役なんて」と謙遜するけれど、立派に背中で泣かせる役者だと思う。
邦画らしくない編集だなと思ったら、ハリウッドで映画を学んだ日本人と、撮影監督のコンビが撮りあげたものでした。
ただ、さつきが一躍脚光を浴びた後に派手なワンピースを着てきたり、トップアイドルが月代を嫌がってかつらを付けるなど、ちょっとステレオタイプすぎるシーンに失笑も。
香美山がいったん田舎に引っ込んだ時の、田畑で棒きれを使った美しい殺陣シーンは、【ベストキッド】を彷彿とさせます。こういったわかりやすさも、外国で受け入れられやすいと思う。
あらゆる角度から撮れるだけとって、編集で良いカットをつなぎ合わせるハリウッドの手法と、一発撮りを信条とした殺陣師の食い違いがあって、最初は監督さん辛そうでしたけど、出来上がってみたらキャストも納得だったのではないでしょうか。監督が日本人だから、描写に変なところもないし。
きっと外国人からみたら名札で出番を割り振るシステムは「アナログ」に見えるだろうけど(笑)
大一番の殺陣シーンはデジタルからフィルムのようにタッチが変わるのだが、その「劇中劇」があまりに格好よくって。
最後に香美山倒れ込むシーン。
「引退」の象徴以上に、一人の男の「役者生命」が終わり、まるでそのまま死んでしまうようで切なかった。
つくづく、アイドルばかりを主役に登用する「なんちゃって時代劇」ばかり横行する昨今、本物の時代劇をみたい!と欲していた自分に気がつきました。
一昔前の時代劇スターも若いうちに主役をはる人が多かったけど、「顔」の迫力やオーラが違う。
精神年齢がどんどん下がっているのかもしれない。
「どこかで誰かが見ていてくれる」という台詞とともに、後世に良い時代劇を残してもらいたい。
そのために観客は何ができるだろう。