ハル・ハートリー
米ニューヨークのインディーズ映画界を代表するフィルムメーカー。ボストンのマサチューセッツ芸術大学に進学するが、映画制作に興味を持ち大学を退学。ニューヨーク州立大学パーチェス校在学中に短編を多数制作する。1989年、「アンビリーバブル・トゥルース」で長編デビューし、第2作「トラスト・ミー」(90)でサンダンス映画祭脚本賞、「ヘンリー・フール」(97)でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞。地元ニューヨークを舞台に、監督作の多くで製作、脚本、編集も兼ね、ネッド・ライフルの名義で映画音楽を手がける。日本でも90年代のアートシアター系のブームで、イザベル・ユペール主演の「愛・アマチュア」(94)などが人気を博す。フランシス・フォード・コッポラを製作陣に迎えた大作「No Such Thing(原題)」(01)の興行的失敗を経て、自身が代表を務めるポシブル・フィルムを設立。原点回帰し、「はなしかわって」(11)など映画制作を続ける。96年、フランス政府のレジオンドヌール勲章シュバリエを受章。01~04年、米ハーバード大学で映画制作の教鞭をとった。