鶴巻和哉 : ウィキペディア(Wikipedia)
鶴巻 和哉(つるまき かずや、1966年2月2日 - )は、日本のアニメ監督、アニメーター。新潟県五泉市出身。株式会社カラー取締役氷川竜介「スタジオカラーがめざすもの」『月刊ニュータイプ』27巻10号、角川書店、2011年5月10日、19頁。。
監督作に『フリクリ』『トップをねらえ2!』『龍の歯医者』などがある。また庵野秀明監督の『新世紀エヴァンゲリオン』で副監督を務め、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』でも監督として総監督の庵野を補佐した。
来歴
幼少期から漫画やアニメを愛好していたが、新潟の田舎だったため同級生が少なく、アニメのマニアックな部分を共有できる友人がいなかった。しかし、高校生になって初めて自分よりも知識のあるオタク友達に出会ったことでアニメにのめり込み、絵を描く仕事に就くことを考えるようになる。そして完全歩合制のアニメーターなら1円も稼げないということはないだろうと思い、親には黙ったまま東京のアニメ専門学校に行くことを決め、自活のために新聞奨学生に応募する手配まで済ませてしまった。
専門学校卒業後、摩砂雪の絵柄に憧れて下請けのアニメ制作会社スタジオジャイアンツに入社。高橋ナオヒトに師事して4、5年ほど在籍していたが、同じスタジオジャイアンツ出身の鈴木俊二から声をかけられたことをきっかけに、学生時代からファンだったガイナックスに移る小黒祐一郎「第30回 鶴巻和哉」『この人に話を聞きたい アニメプロフェッショナルの仕事 1998-2001』飛鳥新社、2006年11月2日、、497-498頁。。そして『ふしぎの海のナディア』でガイナックス作品に初参加。鶴巻は庵野秀明をはじめとするガイナックスで働く上手いスタッフから学びたかったので、『ナディア』の制作後も残ることにした。その後、ガイナックスではアニメーターだけでなく、演出も手がけるようになる。『新世紀エヴァンゲリオン』では、摩砂雪と共に副監督を担当したほか、デザインや設定にも関わった。劇場版では、テレビ版の25、26話のやり直しとテレビ版の世界観から離れた完全新作の2種類を制作しようとしていた庵野から新作の方の監督を打診された。しかし、鶴巻が拒否したため、完全新作の方は取り止めとなった。
2000年には初のオリジナル監督作品の『フリクリ』、2004年には『トップをねらえ2!』を監督した。『フリクリ』の監督は『エヴァンゲリオン』が終わった後、庵野秀明が「次(の監督)は鶴巻が」という話をしたので「じゃあやります」と答えたことで決まった。『フリクリ』は世界のアニメファンの支持を獲得し、海外でも人気を集めた。『トップをねらえ2!』の監督は、ガイナックスに来る前からファンだった『トップをねらえ!』のパート2を作る話が持ち上がった際、自分から手を挙げて決まった。
2006年、庵野秀明が設立した株式会社カラーに移籍。作品で庵野を補佐しつつ、取締役にも就任した。
人物
『フリクリ』で登場するベスパは、自身の愛車。アイドル好き、メガネっ娘好きで知られる。愛称はマッキー。細田守のファンであることを公言している。エヴァンゲリオンのキャラクターではアスカ派であると度々公言している。
参加作品
テレビアニメ
アニメ映画
実写映画
OVA
Webアニメ
テレビドラマ
ミュージック・ビデオ
ゲーム
小説
- 榎戸洋司『フリクリ』全3巻(2000 - 2001年 角川スニーカー文庫)カバーイラスト
- ニール・スティーヴンスン『スノウ・クラッシュ』上・下(2001年ハヤカワ文庫版)カバーイラスト
- 本谷有希子『乱暴と待機』(2008年)装丁・イラスト
その他
- 監督失格(2011年)- サポーター
出演
テレビアニメ
- 「バーチャルさんはみている」 - 声の出演:客 役(特別出演)
ドキュメンタリー
- 「クリエーターたちのDNA〜ニッポンアニメ100年史〜」(2017年1月28日、NHK BSP)
- 「さようなら全てのエヴァンゲリオン〜庵野秀明の1214日〜」(2021年4月29日、NHK BSP)
受賞歴
- ファンタジア国際映画祭
- アニメーション部門・銅賞『フリクリ』(2003年)
- アニメーション神戸
- 第10回 作品賞・パッケージ部門 『トップをねらえ2!』(2005年)
- 東京アニメアワード
- 第4回 オリジナルビデオ部門優秀作品賞『トップをねらえ2!』(2005年)
- 文化庁メディア芸術祭アニメーション部門
- 第10回 審査委員会推薦作品『トップをねらえ2!』(2006年)
注釈
出典
関連項目
外部リンク
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