カズ・ヒロ
京都出身。高校3年の頃から、特殊メイクの第一人者ディック・スミスに手紙で教えを請うなど独学で特殊メイクを学ぶ。高校卒業後に上京し、黒沢明監督作「八月の狂詩曲」(91)など8年間で30本近くに携わる一方で、代々木アニメーション学院で特殊メイクの講師も務めた。1996年、念願の渡米を果たし、巨匠リック・ベイカーのアトリエに所属、大ヒットSFコメディ「メン・イン・ブラック」(97)でハリウッドデビューする。「もしも昨日が選べたら」(06)、「マッド・ファット・ワイフ」(07)でアカデミー賞のメイクアップ賞にノミネートされた。12年、現代美術に転向し美術彫刻に専念。「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」(17)で、主演ゲイリー・オールドマンからの直々のオファーで映画の世界に復帰し、アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞を日本人ではじめて受賞した。19年3月に米国籍を取得。それに伴い名前を辻一弘からカズ・ヒロ(Kazu Hiro)に改める。同年製作・公開の「スキャンダル」では主演シャーリーズ・セロンの特殊メイクを担当し、再びアカデミー賞のメイクアップ&スタイリング部門で受賞を果たした。その他の映画参加作品に「PLANET OF THE APES 猿の惑星」(01)、「LOOPER ルーパー」(12)など。