ジャファル・パナヒ監督が投獄経験を反映したユーモアたっぷりの復讐劇「シンプル・アクシデント 偶然」5月8日公開
2026年1月20日 15:00
©LesFilmsPelleas第78回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドール(最高賞)を受賞した、イランの巨匠ジャファル・パナヒ監督の最新作「IT WAS JUST AN ACCIDENT(英題)」が「シンプル・アクシデント 偶然」の邦題で、5月8日公開される。シーン写真9点が披露された。
不当に刑務所に投獄された人々が、復讐を果たそうと試みる姿をスリリングに、ユーモアたっぷりに描いた復讐劇。パナヒ監督自身が、二度にわたって投獄された経験と同房で出会った人々のリアルな声から着想を得て、物語へ織り込んだ、スリラーの最高峰だ。
かつて不当な理由で投獄されたワヒド(ワヒド・モバシェリ)は、ある偶然によって、自分に酷い拷問をした看守らしき男に出会う。咄嗟に強引な手段で男を拘束!荒野に穴を掘って男を埋めようとするが、男のIDカードを見ると、復讐相手と名前が違う。男も、人違いだと言う。実は投獄中、目隠しをされていたワヒドは、男の顔を見たことがなかった。男は、本当に復讐の相手なのか?確信が持てなくなったワヒドは、いったん復讐を中断し、同じ男に拷問された友人を訪ねることにするが……。
2010年から反政権を理由に禁錮6年の有罪判決を受けていたパナヒ監督。映画制作や海外渡航が20年間禁止されていたが、2023年に海外渡航禁止が解かれ、最初に着手した本作品で2025年にカンヌ国際映画祭に正式参加し、イラン映画としては28年ぶりに最高賞を受賞。「チャドルと生きる」(2000)でベネチア国際映画祭金獅子賞、「人生タクシー」(2015)でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞、そして本作のパルム・ドール受賞により、世界三大映画祭すべての最高賞を受賞するという快挙も成し遂げ、世界中で大きな話題となった。
これまで反骨精神あふれるパナヒ監督の作品は国代表に選出されることはなく、オスカーとは無縁だったが、本作はフランスとの共同製作により米アカデミー賞の国際長編映画賞部門で見事フランス代表となり、ショートリスト(最終候補15作品)にも選出、主要賞へのノミネートも期待されている。
そんな中、2025年12月、アメリカで本作のプロモーション活動中だったパナヒ監督は、明確な容疑が開示されないまま、イスラム革命裁判所から突如判決を受けた。内容は<反体制プロパガンダ活動を行った>とする欠席裁判での懲役1年に加え、2年間の渡航禁止、さらに政治・社会団体および派閥への参加禁止という厳しい措置だ。映画は5月8日から、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開。
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