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ディズニーとOpenAIの提携が及ぼす影響 米メディアが解説

2025年12月29日 16:00

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10億ドルで非公開持ち分株式を取得
10億ドルで非公開持ち分株式を取得
Photo Illustration by Algi Febri Sugita/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

米ディズニーは、生成AI上で自社キャラクターを扱えるようにするため、OpenAIと提携することを発表。エンタメ業界を大きく揺るがす事件の影響を、米ハリウッド・レポーターが解説した。

今回の提携により、今後数カ月以内にディズニープラスやOpenAIのプラットフォーム上で、動画生成AIのSoraを使ってピクサー、マーベル、スター・ウォーズのキャラクターを操作できるようになる。ディズニーは「カーズ」のキャラクターと一緒にレースのスタートラインで並ぶデモ映像を公開した。

ディズニーCEOのボブ・アイガーは提携発表の数週間前に、AI開発企業との提携を示唆していたことにある。アイガーが言及したようなソーシャル的な拡散力は、SoraやChatGPTでOpenAIが得意としてきた分野と合致したため、提携先はOpenAIだと予想されていた。

とはいえ、実際にこれがいつ起きるのか、具体的な内容は分かっていなかった。明らかになった重要な点の一つは、ディズニーがOpenAIに10億ドルを支払い、非公開の持分株式を取得するということだ。

また、多くのディズニーキャラクターがライセンスの一環として利用可能になるが、顔がはっきり見える形では使えない。米俳優組合との衝突を避けるため、少なくとも現時点では慎重な距離が保たれている。声についても同様で、声優に関する法的・倫理的問題を回避するため使用されない。もっとも、現行モデルでは口の動きと声を自然に一致させる技術自体が、まだ十分とは言えない。

それでも、膨大な数のアニメキャラクター、そしてダース・ベイダーやアイアンマンのように顔が見えないキャラクターの利用が可能になることは大きな変化である。アイガーはガードレールを設けると述べているが、近い将来、ユーザーはテキスト入力や音声入力でキャラクターを動かし、即座に映像として生成できるになるはずだ。

提携の動機は何か? 一言で言えば、Netflixだ。Netflixはディズニーが配信事業に本腰を入れる前に、はるか先を走っていた。その結果、ディズニーは2019年にディズニープラスを立ち上げるまで、後追いを余儀なくされた。アイガーは、同じことを再び繰り返したくないからこそ、次なるデジタルエンタメの波であるAIによる創作で、Netflixの先を行こうとしているとハリウッド・レポーターは推察している。

AI時代のエンタメ企業が成功する条件は「技術」と「コンテンツ」の両立である。アルゴリズム、データ、パーソナライゼーションといった「技術」において、Netflix以上のプラットフォームはハリウッドに存在しない。一方、ディズニーは「コンテンツ」を持つ。愛されるキャラクターやIPの数では、他のスタジオを圧倒している。

当のNetflixは、ワーナー・ブラザース買収によるコンテンツ強化を行おうとしている。実現すれば、102年分の歴史を持つライブラリを手に入れ、AI学習やキャラクター活用に使える。対してディズニーは、このOpenAI提携によって「技術」を手に入れようとしている。結局のところ、常に意識されている相手はNetflixなのだ。

アイガーは、人々が最も不安に感じている領域であろう、実在する俳優の完全再現からは意図的に距離を置いている。組合の問題もあるが、不気味の谷の問題もある。アニメキャラクターはもともとデフォルメされているため、AIによる生成動画でも不快感は生まれにくいとされる。

ハリウッド・レポーターは、間違いなくこの先には、よりリアルな俳優の動きや、AI俳優の登場するため、ディズニーはまず組合との合意を形成し、消費者の目を慣らす必要があると解説している。

今回の体的について、アイガーはCNBCで「これはクリエイターにとって脅威ではない。むしろ敬意を払うものだ」とコメント。しかし同時に、「AIの進化は止められない。どの世代も技術進歩を止めたことはない」とも述べ、「既存のビジネスモデルが破壊されるとしても乗るべきだ」と語った。これは、テレビや映画製作を現状維持したい人物の言葉には聞こえない。

TikTokやYouTubeなどでユーザー生成コンテンツ(UGC)があふれかえっている現実を前に、ディズニーは戦うのではなく、時代の流れに乗ることを選んだ。メイク動画やダンスではなく、AIを使って、愛されてきた自社キャラクターで短尺UGCの世界に参入しようとしているのだ。

それは、新しいものを高コストで生み出すより、既存資産を活用する賭けでもある。オリジナル作品が消えるわけではないが、限られた資金の中で、過去の再利用により多くが割かれる可能性は高い。ノスタルジー主導の作品から、消費者主導の生成エンタメへと、重心が移るかもしれない。

話題性と新たな懸念を生み出し続けるOpenAIにとって、ディズニーとの提携はイメージアップの効果がある。ハリウッドのクリエイターたちからは反発を受ける一方で、シリコンバレーでは絶大な信用を得る。それでもOpenAIは、謎めいたデバイスを作り、AGI(汎用人工知能)を約束し、奇妙な名前の大規模言語モデルを発表し続けるだろう。

10億ドルもの巨額の投資が、新たなスクリーン体験の主流を生み出すのか。エンタメ業界はまさに分岐点にいる。

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