セックスとアートを融合、とんでもない暴君皇帝描く問題作が蘇る「カリギュラ 究極版」本ポスター&場面写真公開
2025年12月11日 10:00

実在したローマ帝国皇帝の暴君ぶりと乱行を、約46億円もの製作費をかけ、世界的名優と豪華絢爛なセット、唯一無二の世界観で描き出した超問題作「カリギュラ」を45年ぶりに公開する「カリギュラ 究極版」の本ポスタービジュアルと場面写真が披露された。
1976年、ペントハウス誌の創設者ボブ・グッチョーネは、映画史上最高額の製作費を投じて“自主製作映画”「カリギュラ」を企画した。セックスとアートを融合させ、史上最も退廃的とされる皇帝カリギュラを描く歴史大作として、脚本にゴア・ビダル、監督にティント・ブラスを起用。さらに、「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェル、後に「クィーン」でアカデミー主演女優賞を受賞することになるヘレン・ミレン、「アラビアのロレンス」のピーター・オトゥールら英国の大物俳優が参加し、公開前から大きな期待を集めていた。
© 1979, 2023 PENTHOUSE FILMS INTERNATIONAL Photo credit: Courtesy of Penthouse Films Internationalしかし、製作中に様々なトラブルに見舞われることに。完成時には製作費は2倍に膨れ上がり、脚本家やスタッフらが訴訟を起こす事態に発展。撮影完了後には、監督が解雇され、編集と音楽の担当はクレジットを拒否した。トラブルを経て、1980年にようやく公開された「カリギュラ」は、観客だけでなくキャストにも衝撃を与える。グッチョーネが勝手にポルノシーンを付け加えていたり、勝手に脚本を書き換えたものが公開されてしまったからだ。批評家からは“価値のないゴミ”、“倫理的ホロコースト”などと酷評され、フィルムは警察に押収され、わいせつ罪にも問われた。しかし公開時に異例の興行収入を記録し、今でも世界的に高い人気を誇っている。
それから45年。破棄されたと思われていたフィルムが奇跡的に発見され、90時間以上の素材を再編集したのが本作、「カリギュラ 究極版」だ。“本来の「カリギュラ」”がついに蘇り、映画史を震撼させた大暴君が、当時とは異なるまったく新しい姿で、令和に再臨する。
本ポスタービジュアルは、マルコム・マクダウェル演じる若き皇帝カリギュラが、見る者の心の奥底まで射抜くような鋭い眼光をこちらへ向けており、圧倒されそうな迫力に満ちている。背後を染め上げる深紅の背景は、血塗られた歴史と絶対的権力を象徴するかのように重々しく広がり、その中央で睨むカリギュラの燃え上がる欲望を秘めた表情は、まさに「究極版」の名にふさわしいビジュアルに仕上がっている。
© 1979, 2023 PENTHOUSE FILMS INTERNATIONAL Photo credit: Courtesy of Penthouse Films International併せて披露された場面写真は、若き日のヘレン・ミレンが妖艶に演じる皇妃カエソニアが煌びやかな衣装に身を包む姿や、ピーター・オトゥール演じる前皇帝ティベリウスが、病に侵されながらも、支配者としての威厳を失わぬまなざしをこちらに向け、老帝の狂気と執念が鮮烈に焼きつく一枚、カリギュラとカエソニアがベッドの上で密やかに語り合う親密なシーンや、豪奢な衣装に身を包んだカリギュラが狂乱の宴のさなか、家臣から何かを受け取るカットを捉えている。
「カリギュラ 究極版」は、1月23日から新宿武蔵野館、TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。
(C)1979, 2023 PENTHOUSE FILMS INTERNATIONAL
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