第70回「映画の日」中央大会、アニプレックス岩上敦宏氏、イマジカ長瀬文男氏、倍賞千恵子さんに特別功労章贈呈
2025年12月1日 19:05

第70回「映画の日」中央大会の式典が12月1日、都内ホテルで開催され、受章者及び映画業界関係者が一堂に会した。
12月1日は、日本における映画産業発祥(日本初の有料公開)を記念する日として1956年に「映画の日」に制定された。式典では、映画業界で40年以上勤務した永年勤続功労章受章者47人の表彰が行われた。
また特別功労章は、アニメと実写のジャンルで興行記録となる作品をプロデュースしてきたアニプレックス代表の岩上敦宏氏、設立以来90年にわたって高い技術力で日本の映像文化の発展を支え続けてきたイマジカグループ会長の長瀬文男氏、そして日本映画界において半世紀以上にわたって幅広い様々な役柄を演じ、常に第一線で活躍を続けている倍賞千恵子さんが受賞。それぞれ挨拶し、感謝の思いなどを述べた。

続けて、今年の映画界に最も寄与した作品に授与される第43回ゴールデングロス賞の授賞式が行われ、興収381億円を超えて前作に続く大ヒットとなっている「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」が日本映画部門で最優秀金賞を受賞。優秀銀賞は、興収173億円を超えて邦画の実写映画歴代1位を記録した「国宝」、興収訳146億円と3年連続で100億円超えを記録した「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」、約63億円まで興収を伸ばした「はたらく細胞」、そして現在も大ヒット上映中の「チェンソーマン レゼ篇」が受賞した。

外国映画部門では、約52億円を記録した「ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング」が最優秀金賞を受賞。続いて約51億円の「モアナと伝説の海2」、約49億円の「ジュラシック・ワールド 復活の大地」、約39億円の「マインクラフト ザ・ムービー」、約33億円の「リロ&スティッチ」が優秀銀賞を受賞した。なお、ゴールデングロス特別賞となる全興連特別賞を、「教皇選挙」を配給したキノフィルムズ、「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」を配給したクロックワークス、さらに今年も数多くの配給作品で映画興行界に多大な貢献をした東宝、アニメ作品、実写作品ともに映画興行界に多大な貢献をしたアニプレックスがそれぞれ受賞した。

「映画の日」執行委員会の迫本淳一委員長は、「本年の映画界の興行は大変好調に推移しており、2019年の年間興収記録の2611億円を超えることが期待される。邦画では他に、『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション』が約52億円、『8番出口』が約51億円、『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』が約45億円と、実写・アニメともに多くの大ヒット作品に恵まれた。洋画では、2本の興収50億円超えの作品が登場し、「ウィキッド ふたりの魔女」も約35億円と30億円超え作品も3本登場するなど、前年を大きく上回り、洋画復活を印象付ける1年となった。これから本格的な冬興行がはじまるので、今後の公開作品による興収のさらなる積み上げに期待している。映画館数は、昨年とほぼ同数の3687スクリーンとなる見込み。また、先般の東京国際映画祭およびTIFFCOMには海外から多数の参加者が来日し、昨年以上の賑わいを見せて盛況のうちに閉幕。映画は国際文化交流に大きく貢献するものと自負している。政府がコンテンツ産業を国の基幹産業と位置付ける取り組みを進めていく中で、来年5月のカンヌ国際映画祭に併設される国際映画見本市マルシェ・デュ・フィルムにおいても、日本が『カントリー・オブ・オナー』に選出され、日本映画の魅力を世界に広く発信する絶好の機会となるので、映画界が一丸となって大いに盛り上げていきたい。そして、映画界は映画制作現場の取引・就業環境改善を目的として日本映画制作適正化機構を設立し、映画に関わるすべての人が安心して働ける未来を目指している」などと語った。
なお、新人脚本家を発掘し、創作活動を奨励する第51回の「城戸賞」は、過去2番目に多い脚本495編の応募があり、10編の最終審査作品の中から小泉暁子さんの「実相」、宮崎和彦さんの「かほはゆし!」、藪下雷太さんの「生きている」が準入賞、加藤優介さんの「サラブレッドのしあわせ」、秦雅心さんの「わたしはお母さんの娘でお母さんはわたしの娘」が佳作に選ばれ、表彰された。