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【広島国際映画祭2025】山田孝之、MEGUMIらがプロデューサーとして参加「MIRRORLIAR FILMS」が担うもの

2025年11月29日 16:00

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2020年に発足した短編映画制作プロジェクト
2020年に発足した短編映画制作プロジェクト

開催中の広島国際映画祭2025で、特別招待部門作品の一つとして短編オムニバス映画「MIRRORLIAR FILMS Season8」が上映され、上映後にはオムニバス6作品のうち「The Breath of the Blue Whale」を監督した佐渡恵理監督、プロデューサーの山田孝之、そして第4弾で自身の作品「名もなき一篇・東京モラトリアム」を手がけた藤井道人の三名が登壇しトークショーが行われた。当初登壇予定だったMEGUMIはトーク自体には不参加となったものの、ビデオメッセージで観客に向けたコメントを寄せた。

「MIRRORLIAR FILMS」は、クリエイターの発掘・育成を目的に、映画製作の魅力やつくるきっかけを届けるため、2020年に発足した短編映画制作プロジェクトである。年齢・性別・職業・ジャンルを問わず、メジャーとインディーズの垣根を越えた自由で新しい映画製作 に挑戦する場として毎年展開されてきた。8回目となる今回は、岡山を舞台にした5本の短編と、カンヌ国際映画祭およびトロント国際映画祭の短編部門で高い評価を得た「ALI」(アドナン・アル・ラジーブ)の計6作品で構成されている。なかでも、山田孝之ら豪華映画人が登壇することが事前に告知されていたこともあり、会場には多くの観客が詰めかけた。

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最初に山田孝之が本プロジェクトの意図を説明した。山田は、長編映画の制作が年々困難さを増す現在の状況を踏まえ、映画界全体を活性化させるためには短編映画という形式が重要な役割を担うと指摘。新たな才能を育成すると同時に、これまで監督経験のなかった俳優やミュージシャンなどの業界人に、映画制作に挑戦する機会を提供することが必要だと強調した。

当初トークショーに登壇予定だったMEGUMIは、ビデオメッセージで観客に向けて欠席を詫びたうえで、自身がプロデューサーとして参加した岡山編の制作背景について語った。今回の「The Breath of the Blue Whale」は、佐渡恵理監督と今必要だと思うことを共有しながら形にしていくというプロセスで生まれた作品で、従来の効率優先の制作手法とは異なり、直感や人間的な感情に忠実に進めた点が大きな特徴だったと説明した。MEGUMIは佐渡監督について、強い創造力と明確なアイデンティティを持つ映像作家であり、以前からその才能に注目していたと述べ、今回の作品で初めて協働できたことへの喜びを語った。

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また、撮影を通じて自身の故郷・岡山の通学路や思い出の場所と改めて向き合う機会を得られたことは、個人的にも大きな経験だったと振り返った。さらに、作品を通じて佐渡監督の力量に深く感銘を受け、今後はより多くの映画作品も手がけてほしいと期待を寄せた。最後に、プロジェクトを支えたスタッフや登壇者への感謝を述べ、観客に作品を楽しんでほしいとメッセージを締めくくった。

本作はプロジェクトと岡山との地域連携による作品群で構成されているが、今回の上映では、一本目にカンヌ国際映画祭短編部門でスペシャル・ディスタンクシオン賞を受賞した「ALI」が選ばれた。この選定について山田孝之は、同作がカンヌのマルシェ・ドゥ・フィルムで買い付けた作品であり、受賞短編であっても実際には鑑賞機会が限られている現状を説明した。短編映画に触れられる場は国内では特に少なく、観客にとってもクリエイターにとっても、世界でどのような作品が評価されているのかを知る機会は貴重だという。そのうえで山田は、短編映画プロジェクトを運営する立場として、国際的に評価された優れた作品を積極的に紹介すること、そして自分たちの作品を海外へ発信することの双方を実現したいと語り、本プロジェクトへの強い思いを示した。

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「The Breath of the Blue Whale」の制作プロセスについて、佐渡恵理監督は、MEGUMIから直接声がかかったことをきっかけに、対話を重ねながら企画を膨らませていったと説明した。その中で、未来を舞台にしたSF的設定やボタンによる会話といったアイデアも挙がり、互いの意見を出し合う中でストーリーが徐々に形成されていったという。

佐渡は、本作の撮影期間が5日間と短期間であったものの、広告制作を主軸に活動してきた自身の経験が随所で生かされたと述べた。また、ミシェル・ゴンドリーから強い影響を受けているとし、「現実のようでいてどこか夢のような」世界観を得意としてきたことに触れ、本作にもその持ち味が自然に表れているのではないかと振り返った。佐渡のこうしたプロ制作過程に対し、藤井は、本作について「映像が持つ強度」に注目し、構図や演出、呼吸の置き方など、静かな佇まいの中に多くの魅力が凝縮されていると高く評価し、山田は、作品全体に見られる丁寧で繊細な作業を「良い意味で神経質」と表現し本作を絶賛した。

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さらに山田は、地方との制作提携について、自治体と連携しながら映像ワークショップの開催や地元学生による短編制作を行い、地域での才能発掘と育成を進めていると説明した。そのうえで、司会からの問いかけに応じ、将来的に同様のプロジェクトを広島でも実施できれば嬉しいと期待を述べた。

最後に三名から挨拶があり、山田は「一番伝えたい部分は僕の中ではとにかくないことでもやってみようということ」と語り、観客にそのことを感じてほしいと呼びかけた。藤井は、過去に広島国際映画祭で受賞した経験を振り返りながら、「誰にも頼まれない自主制作から始まった自分が、今も変わらず挑戦を続けられるのは、こうして戻ってこられる場所があるからだ」と述べ、若い才能を育て続ける場として本プロジェクトや映画祭の存在意義を強調した。佐渡は、自身の作品を映画館で観客と共有できたことが初めての体験であり、「言葉にならないほどの感動があった」と感謝を述べたうえで、「ぜひ映画館で観てほしい」という思いを改めて伝え、トークを締めくくった。(小城大知

広島国際映画祭2025は11月30日まで開催。会期中には10の国・地域の長短編30本が上映される。


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