「TOKYOタクシー」大ベテラン倍賞千恵子が「特に緊張した」と語る理由は?
2025年11月15日 10:00

山田洋次監督の91本目となる最新作「TOKYOタクシー」が、11月21日から公開される。主演を務める倍賞千恵子が演じるのは、人生の終活にむかう、謎めいたマダムの高野すみれ。倍賞自身「今までで最も挑戦的」と語り、新境地に挑んでいる。
原作は2023年に日本でも公開し、ヒットを記録したフランス映画「パリタクシー」。舞台を大都市・東京に移し、タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)と、彼が東京の柴又から乗せた85歳の高野すみれ(倍賞)の偶然の出会いを通し、心を許し合いながら、人生の喜びを謳いあげるヒューマンドラマ。
©2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会倍賞はクランクイン前から気合十分で、自ら髪型のサンプルを製作チームに送ったり何度も衣装合わせに足を運んだりと並々ならぬこだわりを見せたという。
本作について、倍賞は「この作品はいろいろな意味で新境地で、最初はすごく緊張していました。山田さんからも『挑戦的な髪形で、衣装もどことなく挑戦的であってほしい』と言われたんですが、すみれさんは本当に何から何まで挑戦的な人物像だったので特に緊張しました。こういう役柄は初めてでしたし、今までで一番、挑戦しながら撮影をし続けていた気がします」と振り返り、70作目の山田組参加となる大ベテランの倍賞が意外にも緊張しながら撮影に臨んだ理由を明かした。
倍賞が演じたすみれは、ある過去を抱えながら人生の終活に向かう85歳のマダム。鮮やかな紫色のコートに、大粒のダイヤモンドが光るイヤリング、そして華やかなジェルネイルで彩られた指先。見るからに裕福で気の強そうなすみれだが、その表情はどこか寂しげで、ワケありな様子だ。
©2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会木村演じる宇佐美浩二が運転するタクシーに乗り込んできたすみれは、「東京の見納めに寄ってみたいところがある」と伝え、たった一日の寄り道だらけの旅が始まる。
倍賞は「山田さんの作品に出ると、いろんなものをいただけるので楽しみでもあり、やっぱりドキドキもします。山田さんがいると、自分がどのくらい怠けていたかが感覚的に分かって『あぁ、いけないいけない!』と思うんです」と山田組に参加する心境を明かし、「すみれという人物は特に、衣装から何まで全部挑戦的で、初めての役柄で緊張しっぱなしでした。ネイルも日本ネイリスト協会の方と相談しながら、3時間くらいかけて仕上げてもらったんですよ」とキャラクターを作り上げていく過程を説明した。
そんなすみれと浩二の旅の出発地点は、「男はつらいよ」シリーズの舞台でもある柴又帝釈天前。倍賞は「台本を読んだ時、『柴又から始まるの!?』と驚きました。山田さんの作品で、柴又帝釈天に木村くんや笹野高史さんと一緒に立っているのがすごく新鮮で、緊張はしましたが物語の中に入り込むことができてよかったです」と、慣れ親しんだ土地で新しい役を演じる喜びをにじませた。
「TOKYOタクシー」は11月21日公開。
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