美しく完璧な少女が命を絶ち、寄宿学校の日常が一変 「白の花実」予告&ビジュアル完成、嶽本野ばらのコメントも
2025年10月8日 11:00

第73回サン・セバスチャン国際映画祭のNew Directors部門でクロージング作品として上映され、少女たちが対峙する“死の向こう側”を描く「白の花実」の予告編とビジュアルがお披露目。予告編は、「ねえ、莉花ってなんで自殺しちゃったんだと思う?」という衝撃的な問いかけから始まる。
予告編では、賛美歌が響くなか、杏菜、栞(池端杏慈)、莉花の3人の少女が、ガーリーな制服に身を包み、キリスト教の寄宿学校で過ごす日々が映し出される。しかし、莉花の死で、平穏な日常は一変。残された日記を読み進める杏菜の身体に、青白い鬼火のような魂が入り込む。杏菜は栞に「莉花の魂が私の中に入り込んできたの」と告げるが、栞は呆れた様子で「は?」と返す。
やがて莉花の死と日記の存在によって揺らぐ少女たちの心、そして大人たちとの対立が静かに渦を巻いていく。教師・澤井(門脇麦)が「そういうのは暴力と言うんです!」と涙ながらに叫ぶ姿も。映像の最後は、「少女は、“死”に触れて、自分を知る」というナレーションとともに、杏菜が凛とした表情で遠くを見つめるシーンで締めくくられている。
また映像内では「『ピクニック at ハンギング・ロック』を彷彿とさせる、今年屈指のデビュー作」「視覚で語り、余白で魅せる、新たな才能」といった絶賛レビューが並び、本編への期待を高める。その言葉通り、白いセーター姿の少女が水辺で戯れていたり、チュチュをまとった少女たちが床に身を横たえていたりと、印象的なカットが目を引く。
ビジュアルでは、3人の少女が寄り添い、美しさと不穏さが同時に漂う仕上がり。黒い服に身を包み座る杏菜に、クラスメイトの栞が身を寄せる。そして莉花はただひとり、視線を落とし、寂しげな表情を浮かべている。「あなたは、あたしの、誰なんだ」というコピーが添えられ、タイトルの横には白い花があしらわれている。
「白の花実」は12月26日から東京の新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開。また公式Instagram(@shiro_no_kajitsu)も開設され、公開日までに多くの写真が投稿される予定だ。「下妻物語」で知られる作家・嶽本野ばら氏のコメントは、以下の通り。
何にでも染まる筈の白が一点の汚れも拒む時、称賛は非難に変わる。
少女は誠実と残酷の二律背反に折り合いをつけない。
だから彼女達の命は花となり揺れる。
嶽本野ばら 作家
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