ハリウッドの小道具スタッフの祭典で「デューン 砂の惑星PART2」が最高賞
2025年9月17日 20:00

映画界の「縁の下の力持ち」である、小道具・装飾スタッフの功績を称える第2回マグガフィン賞授賞式が9月13日(現地時間)、米ロサンゼルスで開催された。ドゥニ・ビルヌーブ監督の「デューン 砂の惑星 PART2」がSF/ファンタジー映画部門で最高賞を受賞し、プロパティマスター(小道具責任者)のダグラス・ハーロッカーの卓越した技術と創造性が高く評価された。
マグガフィン賞を主催するProperty Masters Guild(小道具・装飾スタッフ組合)は、2021年11月に設立された非営利組織。映画やテレビ制作において長年見過ごされてきたプロパティマスターの地位向上を目指している。
プロパティマスターは、日本の映画・テレビ業界でいう「装飾部」にあたる職種で、俳優が手に取る道具から、セットに配置される家具や装飾品まで、作品世界の構築に欠かせないすべての物品を調達、制作、管理する専門家だ。観客が作品世界に没入するために不可欠でありながら、その貢献は表舞台で語られることが少ない。
同組合の共同会長であるテレサ・コルビーノ、ブラッド・エリオット、ローレン・シェルは「マクガフィン賞は、プロパティマスターが制作に貢献する才能、精密さ、問題解決能力を認識するものです。彼らの仕事は、観客が信じ、記憶に残る世界を創造するために不可欠なのです」と声明で述べている。
賞の名称「マクガフィン」とは、映画界の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が普及させた映画用語に由来する。ストーリーの動機となる重要な物や出来事でありながら、それ自体は物語の本質とは関係ない要素を指し、ヒッチコック自身は「観客は気にしないが、登場人物たちが追い求めるもの」と定義した。「インディ・ジョーンズ」や「ミッション:インポッシブル」などで主人公が追い求めるアイテムのことを言う。
この用語を賞名に採用したのは、小道具が映画において「目立たないが不可欠な存在」であることを表現したもの。まさに小道具・装飾スタッフの仕事の本質を象徴するネーミングといえる。
受賞作「デューン 砂の惑星PART2」で、ハーロッカーが手がけた小道具は原作ファンからも高い評価を得た。特に注目されたのはフレメン族の「デザートウォッチ」やフレメン族の武器クリスナイフなどだ。
「デューン 砂の惑星PART2」以外にも、幅広いジャンルの作品が各部門で栄誉に輝いた。映画部門では、現代劇部門でホラー作品「異端者の家」、時代劇部門ではボブ・ディランの伝記映画「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」が受賞。
テレビドラマ部門では、AppleTV+の話題作「セヴェランス」が1時間現代劇シリーズ部門を制し、時代劇部門では日本を舞台にしたFXの大河ドラマ「SHOGUN 将軍」、SF/ファンタジー部門ではAmazon Prime Videoの人気ゲーム原作ドラマ「Fallout」が受賞している。
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