アピチャッポン・ウィーラセタクンとヤン・ヘギュ初のコラボ作品、サントラがレコードで限定発売
2025年9月15日 15:00

映画監督でありアーティストでもあるアピチャッポン・ウィーラセタクンと、第13回ベネッセ賞を受賞したヤン・ヘギュによる初のコラボレーション作品「Ring of Fire-ヤンの太陽&ウィーラセタクンの月 Lunar(夜)」で使用されている全音源が、12インチLPレコードとしてベネッセハウスショップ、およびベネッセハウスオンラインショップで限定販売される。
直島・本村地区の家屋「またべえ」を展示空間として2024年6月に公開された「Ring of Fire-ヤンの太陽&ウィーラセタクンの月」は、ふたりの初めての協業で、太平洋を囲む火山帯「リング・オブ・ファイヤー」に、自然界の営みの連続性を見出し、光、影、動き、振動の感覚に焦点を当てたインスタレーション作品だ。
「太陽」と「月」は、それぞれの作品の特徴を表し、日中はヤンによるさぬき盆灯篭などをモチーフにした彫刻が地殻変動を表すリアルタイムのデータと連動し、地中深くの動きを伝える。 一方、日没前後からはヤンの彫刻にウィーラセタクンの長年の旅や探検の断片がコラージュされた映像、照明やサウンドが重ねられ、1900年から2024年の間に「リング・オブ・ファイヤー」で起きた地殻変動の歴史を辿る。展示会場の「またべえ」は、まるで記憶のテクトニックプレート、あるいは子宮のように脈打ち、夜が深まるにつれ、映像は点描や光の線に分解され、幽霊のように現れては消え、空間を漂う。

サウンドトラックは、「MEMORIA メモリア」など長年アピチャッポン作品のサウンドを手がけてきた清水宏一とRit(Akritchalerm Kalayanamitr)が制作。アピチャッポン・ウィーラセタクンが送ったメッセージのひとつである、「浮遊し…島を発見し、探検し、そして再び水中へ漂い浮かび上がる…やがて船が通り過ぎ、別の船が続く…そして、最初の島の兄弟たる島が姿を現す」との言葉を出発点に、「移動」や「旅」の感覚を内包する音の風景を描き出すことを目指した。

清水は、瀬戸内の風景や建築物の繊細な曲線から着想を得て、海・音・光の波が力強く共鳴するさまを音で表現。一方のRitは、ウィーラセタクンの手描きスケッチに描かれた影や複雑な形状に、これまでのコラボレーションと通じるモチーフを見出し、過去と現在の記憶を織り交ぜるように、過去のアピチャッポン作品で使用した音素材を重ね合わせました。「またべえ」内の各所に設置されたスピーカーによって構築されるシネマ的なサラウンド音響、そして「ウィーラセタクンの月」セクションで響く照明を駆動するモーターの音、ヤン氏の鈴の音──それら空間の響きを本レコードのために新たにステレオに再構成し、音だけでも作品の空間性や時間のレイヤーを感じ取れるような音響作品に仕上がっている。

作品、販売詳細はベネッセアートサイト直島 公式HP(https://benesse-artsite.jp/art/ringoffire.html)で告知している。
“Ring of Fire(環太平洋火山帯)で火山が噴火すると、超低周波音が発生する。
遠くまで伝播し、その過程で形を変える。
一人の人間に起きたことは伝播する、と思う。
それが実際に人間の外側で起きていなくてもだ。
この作品の音は、それを丁寧に、そして注意深く物語っているようだ。
あらゆるレベルで、様々に存在するもの。それを表している。”
・タイトル:Ring of Fire
The original soundtrack from the 'Lunar Weerasethakul' section of the installation Ring
of Fire - Solar Yang & Lunar Weerasethakul, by Apichatpong Weerasethakul and Haegue
Yang at Matabe House, Naoshima, Japan.
・アーティスト: Koichi Shimizu and Akritchalerm Kalayanamitr
・フォーマット: 12 インチ LP レコード (デジタル音源のダウンロード特典付き)
・収録曲: Side A (Ring of Fire pt.1) 16:06
Side B (Ring of Fire pt.2) 18:04
・発行: 株式会社ベネッセホールディングス
・販売価格: 5,500 円(税込)
・販売場所: ベネッセハウスショップ、本村ラウンジ&アーカイブにて先行販売 【数量限定】
後日、オンラインショップでの販売も予定(日程未定、海外発送可)
※配信サービスでのリリース予定はなし。
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