ホロコーストを生き抜いた父とNY育ちの娘のロードムービー「旅の終わりのたからもの」1月公開決定【予告編あり】
2025年9月11日 12:00
(C)2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS理解し合えない父と娘が家族の歴史を辿る旅路を描いた映画「TREASURE(原題)」が、「旅の終わりのたからもの」の邦題で2026年1月16日からkino cinéma新宿ほか全国での公開が決定した。併せて予告編、ポスタービジュアル、場面写真が披露された。
本作は、民主国家としての土台を築く激動の時代であった1991年のポーランドを舞台に、NYで生まれ育ち成功するも、どこか満たされない娘ルーシーと、ホロコーストを生き抜き約50年ぶりに祖国へ戻った父エデクが繰り広げる異色のロードムービー。家族の歴史を辿ろうと躍起になる神経質な娘と、娘が綿密に練った計画をぶち壊していく奔放な父。かみ合わないままの二人はアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れる。初めて語られる、父と家族の壮絶で痛ましい記憶。やがて旅が終わりを迎えるとき、二人が見つけた“たからもの”とは――。
(C)2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMSメガホンをとったのは、2024年にベネチア国際映画祭の審査員も務めたユリア・フォン・ハインツ。彼女がティーンエイジャーの頃、オーストラリアの作家リリー・ブレットが、ホロコーストの生存者である父との旅の実体験をもとに書き上げた小説「Too Many Men」を読み、深い感銘を受けたことで今回の映画化に繋がった。
なお、多くのホロコースト映画のように歴史の悲劇そのものに迫るのではなく、生存者の娘を主人公に据えることで、戦争を知らない世代にも深く刻まれた影を浮かびあがらせる本作は、米レビューサイト「ロッテントマト」でも観客スコア91%(2025年9月現在)の高評価を獲得。「世代を超えた痛みに寄り添う新たな一歩」「新鮮な視点と深みある物語で感動を呼ぶ」といった絶賛の声が上がっている。
(C)2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS娘のルーシーを演じたのは、大ヒットドラマ「GIRLS ガールズ」で製作・脚本・監督・主演を兼ね、ゴールデングローブ賞を受賞した、ニューヨーク出身のレナ・ダナム。一方、父のエデクを演じたのは、「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」、「ホビット」シリーズなどで知られる英国俳優スティーブン・フライ。国民的俳優であると共に作家やジャーナリストとしても幅広く活躍する彼もまた、母方の家族が実際にアウシュヴィッツへ送られた背景を持っており、本作に対して「脚本を読んだ瞬間に心を動かされた。娘と父の関係を描く中に、ユーモアと痛みの両方が息づいている」と深く共鳴し出演が実現した。
予告編は、歴史の跡地を巡る道中で、それぞれの心の傷や封印してきた過去と向き合う2人の姿を描き出す。娘のルーシーは、自身のルーツを探るため綿密な旅行計画を立ててきたが、同行した父・エデクは、約50年ぶりの祖国で自由気ままに振る舞い、次々と計画を妨害する。そんな父にルーシーの怒りは爆発寸前。かつて家族が住んでいた家を訪ねても、父と娘の気持ちはすれ違うばかり。だが、互いを理解できないままアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れた時、家族の痛ましく壮絶な記憶が初めて父の口から語られる――。
(C)2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS神経質なルーシーと、どこか子どものようなエデク。予告編では、まったく噛み合わない2人の掛け合いがコミカルにテンポよく描かれつつも、家族の記憶を辿り、出会った人々との触れ合いを通して、ちぐはぐだった父娘が少しずつ心を通わせていく姿を描いている。また、どこか灰色がかったような街並みなど、共産主義から抜け出そうと過渡期にあった1991年当時のポーランドの風景にも注目だ。
ポスタービジュアルは、タクシーの前で見つめ合う父と娘の姿が切り取られている。笑顔を浮かべながらも、どこかぎこちない表情を見せる2人。温かさを感じさせながらも、微妙な距離感を感じさせる印象的な2ショットだ。背景にはアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所が配され、ただの父娘の旅でないことを予感させるビジュアルに仕上がっている。
なお、本作のムビチケが9月12日からオンラインで販売開始となる。
(C)2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS
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